/けむり/アワブロ07「アクションメンズとダンサーズ」

豪華なゲスト、おかしな劇団員、そして屈強なアクションメンズとしなやかなダンサーズ。総勢37人の出演者でお送りいたします「けむりの軍団」。我々の間では、すでに「けむり」と略されています。

本格時代劇ですから大人数が入り乱れるシーンも数多くあります。侍、町人、農民、僧侶。もうとにかく膨大な登場人物が入り乱れます。要するに、みんな着替えて着替えて出たり入ったり。

特にアクションメンズとダンサーズはずっと出番と着替えの連続です。大車輪の大活躍です。そんなみなさんの活躍の一部をご紹介いたしましょう。

まずはこちらの躍動感ある写真をご覧下さい。

男たちがたくさん雪崩れ込んできていますね。なんかそんなシーンなのですが、この勢いがいいんですよね。男臭さ満載でお送りいたします。

こんな男たちは雪崩れ込んだ後にどうするか。もちろんご飯の時間です。

なんか美味しそうに食べるんですよね。ガツガツと。これぞ男の食事です。そんな男たちの食事を運んでいる様子がこちらです。

なにやら大皿を捧げ持って、たくさんの女中さんが走っております。舞台を上手から下手へ、何度も何度も往復します。しかも、シーンを作るためには試行錯誤しますから、何度も何度もやり直しさせられます。この日、彼女たちが一体どれほどの距離を走らされたのか、気の毒になるほどでした。

このように、今回も大人数のシーンが多いんです。あっちの勢力、こっちの勢力、そして街の人々。様々な人間模様が交錯して重層的な物語を組み上げます。これも着替えて着替えてのお陰です。アンサンブルに加えて劇団員たちも大忙しなの。大変なの。

そうして大人数が揃うと睨み合いが始まります。大勢が一方向を睨んでいる写真ってなんか面白いんですよね。まずは一枚。

なにやら悔しげに叫んでいますよ。悪者たちが「あの野郎!」的な悪態を叫んでいますよ。みなさん、実に良い顔をしています。

かと思うと農具を片手になにやら威嚇している人たちもいます。

クワや鎌を持って闘う気まんまんです。みんな良い顔なんですが、中でもセンターのエマさんが素晴らしいですね。決意と敵意を感じる表情です。ここがエマさんの見せ場なのです。出番も少ないのでお見逃し無く。

最後はみんなで歌の稽古をしている所をご紹介しておきましょうか。今作でも数曲だけ歌があるのですが、ソロで歌い上げるというよりも、みんなで群唱するカンジですね。なので歌稽古も大人数なのです。

歌唱指導はもちろん右近健一さん。歌が巧い人ばかりではないこの集団を上手に操り、素晴らしいハーモニーへとまとめ上げて下さいます。

各パートごとにまとまって順番に練習するのですが、右近さんの指導が具体的に気持ちや顔を指定したりするので、みんなそれぞれ面白い顔になっていたりするのです。

歌っている人、笑っている人、呆れている人、人それぞれ。これでもみんな本気で歌稽古しているんですよ。そして最終的には素敵な合唱になるんです。

クロサワ風の本格時代劇なのに歌も踊りもあるお芝居。要するに堅苦しいお話じゃぁないってコトですよ。もちろんチャンバラもあるよ! お楽しみに!

/けむり/アワブロ06「劇団員とコハマちゃん」

前回は河野くんとさとみさんをご紹介しましたね。今回も劇団員近辺からお届けしましょう。大丈夫、なんだか個性的な人々はまだまだいっぱいいますから。

そんなおかしな劇団員の中で、唯一大阪に住んでいるのが村木よし子さん。東京での稽古や公演中はウィークリーマンション暮らしです。一人淋しく単身赴任。そんなよし子さんを癒してくれるのが愛鳥であるインコのコハマちゃん。

この日は稽古終わりで大阪に帰る用事があったので、稽古場に連れてきてくれました。稽古場前室での皆のアイドルになっていましたよ。

続いては劇団員最年長、この夏に還暦を迎える逆木圭一郎さん。還暦ですよ、還暦。暦が一周して60歳ってコトですよ。ちなみに逆木さんといのうえさんは小学校からの同級生なので、いのうえさんも今年度で還暦です。うわあ、劇団が39周年ってコトはこういうコトなのですねぇ。

まもなく還暦の逆木さんが何かの台の上で足をブラブラさせながら大喜びですよ。横では成志さんも笑っていますし、奥では菜名さんも微笑んでいます。なにやら楽しいシーンなのでしょう。還暦だけど。

続いてはダンスシーンです。今作は本格時代劇と銘打っておりますが、なぜだか数曲ダンスシーンがあります。いや、そんなバリバリのダンスシーンではありませんよ。農民が稲を刈りながら豊作を願う踊りのようなシーンです。

そんな稲刈りダンスシーンから、保坂エマさんが弾けて光り輝く瞬間をご覧下さい。

弾けてるね! 光り輝いているね! あまりの眩しさに周りの人々も驚いています。保坂エマ、46歳。職業、劇団員。今後のご多幸を祈っております。

ダンスシーン繋がりでこちらも。稽古場の隣には控え室があって、セリフを確認したり打ち合わせをしたりできるのですが、ある日は劇団員たちがダンスの自主練をしていました。

楽しそう! なんだか楽しそう! なんか振りはバラバラだけど。前列手前から、インディくん、よし子さん、エマさん。ちょっと見えにくいけど後列では武田さんと礒野くんも練習していますよ。隙間時間に自主練をするのも大事な稽古なんです。

最後は村木仁さん特集を。厳密に言えば仁さんは劇団員ではないんです。でも、我々と同じ事務所に所属する俳優さんで、もうかれこれ20年ほど本公演に出演し続けて頂いているので、まあほぼ劇団員です。かつてはアンケートに「もうあいつの食欲には興味がない!」とまで書かれていた仁さんですが、今では欠かせないメンバーとして広く受け入れられています。「お腹が空いた〜」的なセリフも無くなっていますしね。

そんな仁さんには今回は何役も演じて頂きます。セリフのない役も含めると五役。大忙しです。そんな中で、一番目立つのがこの役。

まあなんか親分的な役柄なのですが、侍らせているよし子さんに乳首を責められながらの恫喝ですよ。あまりにお二人の表情が素晴らしいので思わずGIFアニメにしてしまいました。

乳首を責められた後は十兵衛に詰め寄ります。その詰め寄り方がなんともカワイイのでぜひご覧下さい。

なに、このおじさんたち。これでも命の掛かったやりとりなんですが、全然そんな風には見えませんね。手を縛られて抵抗できない十兵衛に詰め寄ったあげく、なにやら論破されてこの表情。

なんだこれ。まあ、こういうのが仁さんの得意技。顔芸じゃねえかと思われるかもしれませんが大丈夫。大劇場では表情までは見えませんが、空気感は伝わるもんですよ。

劇団員も準劇団員も、おばさんもおじさんも、なんだかいっぱい出てくる「けむりの軍団」。楽しく苦しみながら順調に稽古は進んでおります。今年の夏秋は、けむってみませんか? けむっちゃいますか? 是非けむっていきましょう!

/けむり/アワブロ05「河野まさとくんと中谷さとみさん」

さあ、ゲストの方々のご紹介もあらかた終わったことですし、そろそろ皆さんお待ちかね! 劇団員たちのオポンチな姿でもご紹介していきましょうか。ストーリーを運ぶ人々がカッコよかったり渋かったり面白かったりする合間に、劇団員たちがユル可笑しなシーンを紡いでいきます。例によって不思議な人々がたくさん出てきますよ。

そんな中から、今日は河野まさとくんと中谷さとみさんの二人を取り上げたいと思います。

今作では、河野くんとさとみさんはコンビのようにセットで出てきます。ていうかカップルなんです。威勢だけはいいがマザコンでちょっと足りない役の河野くんと、負けん気が強くてちょっとエロい役のさとみさん。変なカップルです。

そんな二人の愛のあるシーンをご覧下さい。

手を広げて近づいていくさとみさんを恐怖の表情で見つめる河野くん。なんでしょうか。襲われているんでしょうか。ええ、襲われているんです。

このシーンを向こう側から見てみましょう。

更にアグレッシブです。アグレッシブに襲っています。勢いが凄すぎて写真もブレまくっていますが仕方がないのです。それくらいアグレッシブだってコトですよ。

そしてこの後、こうなって。

更にこうなって。

最終的にこうなります。

なんかやりきった感が漂っていますが、別にやりきってはいません。画面左端で見守っている舞台監督の芳谷さんも呆れ顔です。

まあ、こんなカンジの二人なのですが、似たもの同士というか、楽をすることに関しては苦労を惜しまないトコロが共通しています。ある場面を作っている時に、出演はしているんだけどもうセリフがない、というシーンになりました。舞台の前の方では何やら真面目な会話が繰り広げられているが、私達はもうセリフがない。そんな稽古中、気がついたらこんなことになっていました。

仲良くセットに腰掛けて、なんだか楽しげに稽古を見ていました。いや、まだシーンは続いていますよ。あなたたちも登場人物ですよ。しかもそこは本来は壁ですから座れませんよ。まあ、いいでしょう。それがあなたたちです。

戦国末期のある国を舞台に、変なカップルだけじゃなくて、戦国大名やお姫様、博徒に盗人、農民に商人にお坊さん。様々な人々が登場し、それぞれが必死に生きていくお話です。痛快娯楽作品になっておりますので、どうぞお楽しみに!

/けむり/アワブロ04「早乙女太一さんと高田聖子さん」

アワブロの四回目は目良家(めらけ)チームのご紹介をいたしましょう。今作の第一勢力となる強大な戦国大名である目良家。その目良家を牛耳るのが現当主の母である嵐蔵院(らんぞういん)さま。演じるのは高田聖子さんです。

戦場なのでしょうか、床机に座ってなにやら書状に目を通しています。その横から覗き込んでいる河野くんの方が気になるかとは思いますが、今は忘れて下さい。

目良家は大国で陣容も厚く、多くの家臣を抱えています。そんな侍たちを束ねる侍大将・飛沢莉左衛門(とびさわりざえもん)を演じて頂くのは、新感線六度目の出演となる早乙女太一さん。

嵐蔵院の信頼も篤い莉左衛門ですから、戦評定でも重要な役割を担います。嵐蔵院さまに何か指図を受けています。しかもやたらに強い。剣を取っては向かうところ敵無しです。

ただね、ちょっと口べたなんですよ。ちょっとっていうか、だいぶ。喋るたんびにいちいち引っかかります。

例えば、こんなカンジでカッコよく登場する莉左衛門がいたと思って下さいよ。

抜き身片手に颯爽と、ニヒルな雰囲気で現れた莉左衛門ですが、その直後にはこんなカンジになっています。

どうしました? 歯を食いしばって苦しそうですが、大丈夫ですか? いえ、大丈夫なんです。こういうのが莉左衛門さんなんです。

いつもはクールだったりニヒルだったりする役が多かった太一くんですが、今回の太一くんは面白いですよ。意外な一面も見られますので、そのあたりもお楽しみに。

目良家には様々な人々がいるのですが、その中からもう一人だけご紹介させて下さい。実は、今公演には劇団員の山本カナコさんも出演する予定でしたが、前十字靱帯断裂の治療のために降板することとなりました。そして、その代役として宮下今日子さんにご出演頂くこととなりました。お忙しいところありがとうございます。

今日子さんには冷静で有能な目良家家臣を演じて頂きます。しかもなにやら曰くありげですよ。

嵐蔵院との関係も複雑なようですね。その種明かしはぜひ本編でご確認下さい。

ちなみに今日子さんの身長は173cm。カナコさんとの身長差は約20cmほどもありますから、随分と印象が違うかもしれません。いや、この役はすでに今日子さんのモノですから気にしなくて良いでしょう。

そんなこんなの目良家の皆様。紗々姫と源七を追い回し、十兵衛と輝親に翻弄される、まあ判りやすくいえば悪者チームですが、それぞれの国にも言い分があり、それぞれの生活があるのです。どうぞ目良家も嫌わないでやって下さいね。

/けむり/アワブロ03「清野菜名さんと須賀健太くん」

前号でご紹介した古田くん演じる十兵衛と成志さん演じる輝親。この二人の珍道中が物語の中心なのですが、それに巻き込まれるというか乗っかってくるのが若い二人の男女です。それが清野菜名さん演じるおてんば姫・紗々姫(ささひめ)と、須賀健太くん演じる忠義だがからっきし弱い侍・雨森源七(あまもりげんしち)。

稽古場前室でのお二人。同い年の24歳。ええと、源七は紗々姫には頭が上がらないのです。

まず今作の背景をご説明いたしますと、戦国末期に争っている二つの国があります。強大な力を持つ「目良(めら)家」と、その隣国である「厚見(あつみ)家」。かつては敵対していましたが現在は同盟を組んでいます。その人質として、厚見家当主の妹である紗々姫が、目良家当主に正室として輿入れしているのです。

ところが! 目良家はその同盟を反故にして厚見領に侵攻を開始しました。驚いたのは紗々姫さん。自分が人質になっていたままでは厚見家も反撃しにくい。という訳で、源七と共に目良家を抜け出したのです。

その脱出行で出逢ったのが十兵衛と輝親の二人。その後、なんだかんだあって四人は行動を共にします。なんとかして目良領を抜けだし、厚見領へと辿り着きたい。作戦会議も開きます。

といっても四人は一枚岩ではありません。それぞれに思惑があり、それぞれに言い分がある。仲良く一緒に逃げ出すという訳にはいきません。

それでも目良家の追っ手は迫ってくるし、何やら謎な勢力も絡んできます。逃げざるを得ないのです。ドタバタしながらも力を合わせて進むことになります。

ここで稽古場レポートらしく、演出風景でもレポートしましょうか。いのうえさんの演出は指定が細かく、ニュアンスを伝えるために自分でやってみせるタイプだというのは有名な話ですね。では、紗々姫と源七に演出を付けている様子をご覧下さい。

はやる紗々姫を源七がなだめているのでしょうか。手を引きながら何やら説得しています。このようにいのうえさんが源七役もやってみせながら動きを決めていっているんですね。

このシーンの続きもお見せしましょう。

説得に掛かる源七を紗々姫がたしなめているようなのですが、え? いのうえさんが今度は紗々姫役を? そうなんです。それぞれの役をその度にやってみせているんですね。そういう演出方法なのです。

ただ、こうして稽古している時はそれぞれ自分の演技をしていますので、当然いのうえさんの方は見ていないのです。でもいのうえさんも動いています。体を動かすタイプの演出家。それがいのうえひでのりさんです。

実は、今回のゲストチームは全員がIHIステージアラウンド東京の経験者。つまりいのうえ演出経験者ですし、劇団員とも旧知の仲です。稽古のやり方も慣れたもの。倉持さんの軽妙なセリフも相まって、稽古中も笑いが絶えずにスムースに進行しております。

小返し稽古直前に、いのうえさんが何やら面白いことでも言ったのでしょうね。スタンバイしたお三人も手を止めて聞いています。ちなみに、その後ろで後ろ向きに手を広げているのは舞監補佐の浜崎さん。別に好きでここに居るのではなくて、ここに幕がありますよという係です。ここから後ろには行けませんよという印です。

十兵衛、輝親、紗々姫、源七、この四人のドタバタ脱出行を中心に、小粋な会話のやりとりもあれば大人数の大乱闘もある『けむりの軍団』。意外と近いぞ東京公演。先は長いぞ福岡・大阪公演。この夏、この秋、一緒に戦国時代を旅しませんか? ご来場をお待ちしております。

/けむり/アワブロ02「古田新太くんと池田成志さん」

どーも! 粟根まことです。アワブロの第二回ですよ。稽古は順調に進んでおりますが、芝居に加えて歌にダンスに立ち回りにと、例によってやることが一杯でして、なかなかに忙しい稽古場です。そんな稽古場からのレポート始めは、やはりこの二人から始めなくてはなりますまい。

古田新太くん演じる今作の主役である元軍配士・真中十兵衛(まなかじゅうべえ)と、池田成志さん演じる口先だけは達者な謎の素浪人・美山輝親(みやまてるちか)。このおじさん二人を中心に話は展開していきます。ええと、成志さんのお腹に何か刺さっていますが、今は気にしないで下さい。

物語の冒頭はこうです。古寺の賭場でもめ事を起こした輝親に巻き込まれ、子分三人と共に闘うハメになった十兵衛。

さすがは軍配士。四人の見事なフォーメーションですが、まあすぐに大乱闘になっちゃいます。

輝親もなにやら箱を持って暴れ回ります。

挙げ句の果ては仲間割れ。子分役の加藤学くんをいたぶる十兵衛。このいたぶりは、芝居を越えて半ばリアルいたぶりです。手加減してあげて下さい。

敵前で仲間割れなんか起こしていたら勝てるわけはありません。子分たちを人質に取られ、逃亡した輝親を探し出すハメになります。ここから物語が始まるのです。

まあ、実際はすぐに見つけ出して連れ帰る旅に出るのですが、ことあるごとに輝親が逃げようとするんですよ。その度にとっ捕まえてはボコボコですよ。

すぐケンカするんだけど、息は合っています。仲がいいんだか悪いんだか。トムとジェリー、仲良くケンカしな。とにかくドタバタ珍道中です。今作はある意味、珍道中を描く道中記やロードムービーでもあるんです。

今作のモチーフとしては、製作発表やインタビュー記事などで話されている通り「隠し砦の三悪人」と「走れメロス」なのです。なのですが、台本を読んだ時に私の頭に浮かんだのはロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンの傑作ロードムービー「ミッドナイト・ラン」でした。賞金稼ぎが証人を護送しながらアメリカ大陸を大横断するコミカルなロードムービーなのですが、なんか似ているんですよね。映画としてもとても面白いので是非ご覧下さい。

それはともかく、十兵衛と輝親、この50オーバーのおじさん二人が繰り広げる素敵で無敵な珍道中。登場人物はみんながみんなこの二人に振り回されるコトになります。50を過ぎてなお元気な二人の活躍をお楽しみに!

/けむり/アワブロ01「さあさあ! 稽古が始まりましたよ!」

さあさあ! 2019年劇団☆新感線39興行・夏秋公演「けむりの軍団」の稽古が始まりましたよ! 一昨年・昨年と豊洲のIHIステージアラウンド東京でしか公演を打っていなかった我々劇団☆新感線が、春公演「偽義経冥界歌」で大阪・金沢・松本と周り、そして夏秋公演「けむりの軍団」では東京・福岡・大阪に参りますよ!

そして! トリドクロ以来、二年振りにアワブロも帰って参りました! いやあ、なんかねえ、色々あって休んでいたのですが、古田くんを始めとする劇団員がほぼ揃う劇団本公演だってんで復活しちゃいました。ちなみに、アワブロってのは「劇団員・粟根による稽古場レポートのブログ」の略ですよ。

チラシだってポスターだって、主要キャストだけじゃなくて出演する劇団員達みんなで飾っていますよ。いかにも劇団公演ってカンジでなんだかとっても良いチラシです。まあ公演の一ヶ月半前に出来上がってきたので、まだご覧になったことがない方もいらっしゃいましょうが、私達だって同じです。顔合わせの日に初めて見ましたから。

そんなワケで、雨森源七役の須賀健太さんも思わず写真を撮っちゃうくらいです。

ツキドクロ以来二度目の出演となる健太くんは、元気一杯だけど頼りない侍・雨森源七を演じて頂きます。かつて上演されたPARCO THE GLOBE TOKYO PRESENT「鉈切り丸」を含めると、いのうえ演出作品は三回目ですから慣れたもんです。千本ノックに慣れたもんです。慣れたカンジでビシビシ千本ノックを受けていますよ。

稽古の初日には「顔合わせ」から「本読み」へと繋がるのが慣例です。顔合わせというのは公演に関係する全キャストと全スタッフが一堂に会する儀式です。このメンバーで頑張っていきましょうという会合ですね。それに続いて、台本を一通り声に出して読むのが本読みです。こうして長期間に渡る稽古が始まるワケですよ。

今回はそんな本読みの風景からレポートをしてみましょう。

まずは本読みの合間に談笑する古田くんと健太くん。

共演するのは初めてとなる二人ですが、髑髏城の稽古や本番を見合ったり食事に行ったりして既に知り合いなんです。特に古田くんは漫画とアニメの「ハイキュー!!」のファンなので、健太くんの出演していた舞台版も見に行ったりしていたのですよ。

古田くん演じる真中十兵衛と、健太くん演じる源七は終始行動を共にするのですが、既に仲良くやっていけそうな雰囲気が漂っていますね。

続いて、今作のヒロインである紗々姫を演じて頂く清野菜名さんと、今回のベテラン枠である美山輝親を演じて頂く池田成志さん。菜名さんはハナドクロ以来の二度目、成志さんに至っては15回目くらいの客演となります。アクションが得意な菜名さんにはもちろんおてんば姫を、嘘と屁理屈が得意な成志さんにはもちろん訳ありげな浪人を演じて頂きますよ。

私の隣は健太くんで、そのお隣が早乙女太一さん。

みんなの読みっぷりに思わず笑ってしまっている健太くんの向こうにいる早乙女太一さんは今回で新感線六回目ですが、古田くんと舞台で共演するのは初めて。もちろん一騎打ちもありますよ。演じて頂く目良家侍大将の飛沢莉左衛門はやたら腕は立つがやたら口べたというピーキーな役柄。今回は強い上に面白いですよ。

そして私の真向かいの席にはこのお二人が。大阪芸大時代から劇団に入っても先輩後輩の高田聖子さんと右近健一くん。相変わらずの仲の良さです。聖子さんが演じる嵐蔵院は目良家の実権を握る女傑ですが、右近さんの役どころはまだヒミツね。

ついでに劇団員のショットも一枚だけ。河野まさと・村木よし子・礒野慎吾の三名です。

なにやら密談げな顔で、でもきっとどうでもいい話をしているであろう河野くんとよし子さんですが、心配なのが右端の礒野くん。どうした、そんな目をして。何があった? 悩みでもあるのか? 心ここにあらずか? いや、まあ偶々だと思うのですが、ちょっと心配です。

そんなこんなで始まりました「けむりの軍団」の稽古です。7/15の東京公演初日から、福岡公演を挟んで大阪公演が終わるのが10/21。夏から秋へ、先の長い旅が始まりました。みんな元気で無事に終わるために、景気づけとして本読みに於ける成志さんの七変化をお楽しみ下さい。

元来、本読みは本を読むだけですから普通に読めばいいのです。みんな大人しく読んでいます。でも、私のはす向かいにいた成志さんを見ていると面白い。どうしても顔も体も動いちゃうんですね。そんな様子を納めてGIFアニメにしてみました。

まあ落ち着きのない! なんでしょうこのせわしなさは。しかし、これでこそ池田成志! この暑苦しさが成志さんなんです。暑い夏に暑苦しい成志さんを浴びる。いかがでしょう。どうぞご期待下さい!