/無頼街/粟根まことタイムカプセル館 最終回:大活躍の二人

タイムカプセル館 最終回:大活躍の二人

いよいよ東京公演が始まりましたぜ「神州無頼街」! 大阪から静岡へと東海道五十七次(京街道を含む方ね)を東進してきて、いよいよのいよ、ありよりのあり、東京建物 Brillia HALLです。
そして初日、二日目が終わって今日は休演日。新感線の公演にありがちな「初日が開いてすぐに休演日があるのって変じゃない?」という疑問ですが、新感線の仕込み(舞台設営)と舞台稽古ってとにかく長いのよ。一週間以上掛かるのよ。俳優部はともかく、特にスタッフさんは休み無く働いていらっしゃるのよ。だから初日すぐの休演日は「すぐ」じゃなくて「やっと」の休みだってコトを、ココに改めて周知していきたいと思う所存であります。

まあ、そんな私の思惑とは関係なく、こちらもいよいよ最終回となったタイムカプセル館ですよ。最終回ですよ! これで終わりってコトですよ!
二年前に公演延期が決まった「神州無頼街」で、台本を読まずに自分の役柄を勝手に予想してもらったタイムカプセルですよ。本人だって何を書いたか覚えちゃぁいません。なんたって二年前だからね。
公演延期というネガティブな事実を、役柄を予想しながら楽しく待つというポジティブなイベントにするための企画ではありますが、忘れちゃったんじゃあ仕方がない。でも、タイムカプセルってのはそういうもんです。何が入っているか判らないから驚きがあるんです。劇団員たちも二年前の自分からのプレゼントを驚きながら受け取っていましたよ。

さて、最終回は劇団の古株であるお二人の出番です。村木よし子さんとインディ高橋くんにご登場頂きましょう。実は「神州無頼街」ではこのお二人が大活躍なんです。それぞれの得意技を披露しての活躍ですから印象深いと思います。
しかも、お二人の予想図がかなり良い! 役柄の設定も凝っていて読み応えがあります。さすが古株。どうぞ期待しながらページをスクロールして下さいな!


ええと、読者のハードルを上げながらの開封。緊張で震える指を押さえつつ、村木よし子さんのカプセルから開けてみましょう。よし子さんは毎週この企画を楽しみにしていて下さいましたよ。
よし子さんといえばパワフルな役どころとパワフルな歌声が魅力。もちろん今回もパワフルに歌って頂きますよ。よし子さんの本当の役名は「棺桶屋のお銑(かんおけやのおせん)」でして、つまり棺桶屋さんです。丈夫な棺桶を作って売っている、無頼街のヌシのような存在です。
ヌシもヌシ、まるで無頼街の影のフィクサーのような存在感で、宮野真守さんとのデュエットを二曲も歌っちゃいます。歌っちゃうんですよ!

さて、そんなよし子さんはご自分の役どころをどのように予想したのでしょうか。最近は韓流ドラマにハマっていますからね。なんか影響を受けていなければ良いのですが。

そうそう、村木よし子さんといえば、今年の7月1日〜3日に大阪のABCホールで上演されるslatstick(スラステ)「Love in Smoke」に出演するんですって! スラステのメンバーである中村なる美さんといえば元・新感線劇団員ですし、作・演出の村角太洋さんといえば緻密なのにユルいという絶妙なコメディに定評のある作家さんです。期待も高まるってもんでしょ。
大阪公演しかないのが残念ですが、これは注目の公演ですよ! よろしければ、ゼヒ!


さあ、この企画もいよいよ最後のタイムカプセルはインディ高橋くんです。インディくんの今回の本当の役どころは侠客の親分でして、役名は「犬吠貫太・頓太・鎮太(いぬぼえかんた・とんた・ちんた)」でして、なぜ役名が三つもあるかと言えば、それはもちろん三兄弟だからです。我々は裏で「チェブラーシカ」と呼んでいますが、その理由は舞台上でご確認下さい。
インディくんといえば、情けない死に方をさせれば右に出るものはいないという、なんか羨ましいような羨ましくないような得意技を持っているのですが、今回はもう思う存分に死んでもらいます。あ、死ぬって言っちゃった。いや、でもその死にっぷりをたっぷりと堪能して頂きたいのですよ。

そんなインディ君が、手先の器用なインディ君が、イラストの得意なインディくんが、文章は苦手なインディ君が、とにかく素敵な予想をしてくれたので、ぜひご覧下さいませ。


いかがでしたでしょうか。二年前のタイムカプセルを次々と開けてきたこの企画。お楽しみ頂けましたでしょうか。
公演延期が決まった時にはどうなることかと思ったものでしたが、まあこうしてちゃんと上演できているのですから、このタイムカプセルも良い想い出と言えるのではないでしょうか。なんとか最後まで無事に完走できればと思っております。

劇団員の皆さんもそれぞれ趣向を凝らした予想をしてくれましたし、ぶつくさ言いながら味のあるイラストも描いてくれました。
しかし当然と言えば当然なのですが、自分の役柄を予想してもらうと、これまでの作品(特に中島かずき作品)でやらされてきた役柄を基本として予想してしまうんですね。そりゃそうだ。何しろアテ書きの劇団ですから。

これからも劇団員一同、予想通りだったり予想外だったりする役柄を演じていくのでしょう。いつまで続くのかは判りませんが、これからも劇団☆新感線をどうぞよろしくお願い致します。

/無頼街/粟根まことタイムカプセル館 第五回:よく似た二人

タイムカプセル館 第五回:よく似た二人

「神州無頼街」もいよいよ東京に帰って参りました。大阪で桜と出会い、静岡で富士山と出会い、東京では「いけふくろう」と出会うことでしょう。
雲に隠れた富士、雲のかかった富士、晴れた日の富士。富士市滞在中にいろんな富士山を見てきた我々ですが、一番多く見たのはこちらの富士かもしれません。劇場横の川縁から見た富士です。

タイトルは「市川家具と富士」。富士山が良く見えて良いのですが、いかんせん市川家具のインパクトがありすぎます。

さて、残り二回となったタイムカプセル。今回はよく似た二人をご紹介いたしましょう。逆木圭一郎さんと村木仁さんです。いえ、顔が似ているのではありません。まあ、顔だって似ていなくはないのですが、何と言っても体型がそっくりなんです。体型というか、シルエットが良く似ているので、後ろから見たりすると間違えたりします。新感線の「ザ・たっち」です。
まあ、稽古場や楽屋ではトレーニングウェアや髪型で区別が付くのですが、衣裳を着てカツラを被ってしまうと、ほらもう判らない。もちろん、その衣裳に見慣れれば簡単に区別が付けられるのですが、舞台稽古に入ったばかりの頃は見慣れていないから間違えちゃうんだよね~。そして間違えて話しかけちゃうんだよね~。

まあ、そんなことはいいのです。早速よく似た二人のカプセルを開けてみようじゃないですか。


まずは村木仁さんのカプセルから開けてみたいのですが、ここで衝撃の事実をお伝えしなくてはなりません。なんと、村木仁さんは劇団☆新感線の劇団員ではないのです!
ええと、知っていましたか。そうですか。確かに、ここ20年ほどの新感線作品のほとんどには出演しておりますが、厳密には劇団員ではないのです。所属事務所がヴィレッヂという劇団と同じ制作会社なので、新感線作品には欠かせない俳優として出演して頂いております。
そんな仁さんの本当の役名は「鍋振り三兵衛(なべふりさんべえ)」なのですが、実は元々の台本では「賽投げ三兵衛」でした。無頼街でサイコロ賭博をしているという設定だったのですが、いのうえさんが思いついた「チャーかハンか! チャーハン!」というギャグを言うためだけに、中華鍋でチャーハンを炒める人になったのです。役名が変わったのは稽古最終日。印刷直前だったパンフレットの原稿を差し替えたりして大変だったんですよ。
さて、仁さんはそんな紆余曲折のあった役柄をどのように予想していたのでしょうか。


次に逆木圭一郎さんのカプセルを開けたいところなのですが、おや? 逆木さんのカプセルがありませんよ?
そうなんです。実は逆木さんにだけ原稿をお願いするのを忘れていたのです。えぇ? 忘れてた、だとぅ?
逆木さんは劇団員ではありますが、実は個人事務所でしてヴィレッヂ所属ではないのです。そして、逆木さん以外の企画参加者は全員ヴィレッヂ所属なんですよ。二年前、私が気軽に「この企画を全員に回して原稿集めておいて」とヴィレッヂさんにお願いしてしまいましたが、まさかこんな落とし穴があったとは!
逆木さんの原稿がないと気がついた時には「今からでもお願いして書いてもらおうかな」とか思ったのですが、既に稽古は始まっているし、逆木さんも台本を読んでいます。ううむ。ここでウソついちゃうのも悔しいですからね。潔くNO IMAGEで行くことにしました。すみません。
ちなみに逆木さんの本当の役名は「お陀仏留蔵(おだぶつとめぞう)」です。予想してもらってないので当たってるも何もありませんが、これは当たらなかったと思います。特に年齢設定はね。


劇団員のカプセルがなくて、劇団員じゃない人のカプセルはある。という何とも不思議な状況になってしまいました。全くもって申し訳ありません。

さて、次回は最終回。こんなコトになってしまって尻すぼみ感もあるかもしれませんが、イヤイヤ! 大丈夫です! 次回は力作を書いてもらったあの二人にご登場頂きたいと思います。どうぞお楽しみに!

/無頼街/粟根まことタイムカプセル館 第四回:家族の二人

タイムカプセル館 第四回:家族の二人

大阪公演を終え、大盛り上がりだった静岡公演も無事に幕を下ろした「神州無頼街」。いよいよ東京公演に向けて、我々俳優部はしばしの休息ですが、スタッフの皆さんはそろそろ仕込み(舞台設営)に入る頃です。
ここまでで既に20ステージを終えた今公演ですが、東京では34ステージもありますからね。まだまだ気の抜けない状態ではあります。ますます気を引き締めて進んでいきたいと思います。

富士市での公演は舞台が地元と言うコトもあり、実に盛り上がりました。富士山の裾野の話を富士山の裾野で行う。なんだか聖地巡礼みたいで良いですよね。私のスマホの写真ファイルも富士山で一杯です。
劇場近くの富士市市役所の屋上には「ふじさんてらすMierura」という展望テラスがありまして、一般に無料開放されています(開庁日のみ)。こちらからの眺望がまた素晴らしい。ビル11階にあたる屋上テラスから見る富士山は迫力満点ですよ。

ちなみにMierura(ミエルラ)という言葉は、「見えるでしょ」という言葉の地元の方言だというのがまた可愛らしい。見えるら〜。

さて、今回タイムカプセルを開けますのは礒野慎吾くんと吉田メタルくんの家族の二人です。家族? ええ、あまり詳しくは書けませんが、この二人は家族です。もっと言いますと、先週ご紹介した河野まさとくんと山本カナコさん夫婦の家族です。
これがどういう家族構成なのかは見てのお楽しみなのですが、とにかくこの家族は集団で活動しています。常に一緒です。なんだかうるさい集団です。
最初から最後まで、チョコチョコと出てくるこの家族が、段々と愛おしくなっていくこと間違い無しです。


まずは礒野慎吾くんのカプセルから開けてみましょうか。礒野くんの本当の役名は「鍬殺しの又介(くわごろしのまたすけ)」でして、なんとも物騒な名前ですが、正直言いまして全然強くありません。とりあえず、鎌とか鍬は似合いますけどね。今回は鎌を持つのか鍬を持つのか。いや、だから鍬殺しって言ってるじゃないですか!
礒野くんは自分の役柄をどのように予想したのでしょうか。まさか鍬を持つとは思っていないでしょうね。

ちなみに、礒野くんの文中に出てくる「バイト」というのは「本役ではないチョイ役」の新感線用語でして、本役が死んでしまった後などにこっそりチョイ役を演じたりするコトです。


次にカプセルを開けるのは吉田メタルくんです。劇団いちの身長、劇団いちの筋肉。パワー型なら一番です。
メタルくんの今回の役名は「情無用の高壱(なさけむようのたかいち)」でして、名前からしてパワー型の高さ壱番です。そのまんまだな。
パワーはありますが、実はそんなに強くないというのが今回の役どころ。でも家族のまとめ役として頑張っていますよ。


今回の二人の予想は大ハズレというワケでは無く、なんとなくニュアンスは合っています。いい感じに情けない役回りというのは合っています。ただ、今回は二人とも死にません。ていうか、とにかくしぶといです。しぶとく生き残ります。しぶとさだけが頼りです。
そんな生命力に溢れた人々の営みこそがこの物語の主題の一つでもあると思います。時代が変わろうとも、支配者が変わろうとも、逞しく生きる人々。どうぞ、生命力を浴びに劇場にお越し下さいませ!

/無頼街/粟根まことタイムカプセル館 第三回:夫婦の二人

タイムカプセル館 第三回:夫婦の二人

「神州無頼街」も大阪公演が終わり、次は静岡公演。劇団初めての富士市での公演です。公演も初めてだし、個人的には来るのだって初めてです、富士市。ええと、富士山、田子の浦、富士川の戦い、でしたっけ? そしてもちろん忘れちゃいけないのがロゼシアターですよ。
ロゼシアターからはドドーンと富士山が見える、はずなのですが、なんだか天気の悪い日々が続いておりまして、あんまりハッキリとは見えておりません。残念です。皆様がいらっしゃる頃には晴れると良いのですが。
劇場は綺麗で広くて申し分ありません。初めての劇場ってなんだかワクワクしますよね。JR富士駅、JR新富士駅からバスが出ておりますが、少しややこしいので劇場のHPから調べてみて下さい。タクシーの方が楽かもしれませんよ。

まだ富士山は見られていませんが、その替わりって訳ではないでしょうが雨上がりの虹を見ることができました。しかも両端がちゃんと地面に付いています。なんとなく幸先が良くて嬉しいよね、虹って。

ええと、ここらで劇場裏話でもしましょうか。大阪公演での裏話を募集したところ、カナコさんからタレコミがありました。凶介手下役の藤家剛さんが小道具の集金袋を忘れ、前にいた保坂エマさんの銭袋を奪い取って集金袋としていたそうです。その袋で顔を隠しながら。恥ずかしがる位なら小道具を忘れないで下さい。

さあ、そんなこんなで今回もタイムカプセルを開けていきましょうか。今回は河野まさとくんと、タレコミをしてくれた山本カナコさんの夫婦の二人です。ええ、夫婦なのですよ。つきあいも長いお二人ですが、このお二人が夫婦役なのは珍しい。多分初めてですよ。


まずは河野まさとくんのカプセルを。実はもう54歳なのですが、そうは見えないほどの若々しさ。劇団内では《奇跡の54歳》と呼ばれております。
そんな河野くんが今回演じるのは「薄影の卯之吉(うすかげのうのきち)」という役でして、影が薄いです。いや、それほど薄い訳ではないのですが、他の家族が濃すぎて目立ちにくいのですかね。まあとにかく、大家族で集団行動をしています。
そんな河野くんは自分の役柄をどのように予想したのでしょうか。カパッとタイムカプセルを開けてみましょう。


続いてカプセルを開けるのは山本カナコさんです。今作では歌が多く、もうミュージカルと言ってしまってもいいんじゃないかとすら思えるほどなのですが、もちろんカナコさんにも歌って頂きますよ。たくさんってほどではありませんが、特に一幕では印象深いかもしれません。
そんなカナコさんに演じて頂くのは「はらぼてお梅(はらぼておうめ)」でして、名前の通りに妊婦さんです。河野くん演じる卯之吉と夫婦なのですが、とにかくパワフルなんです。母は強しといったところでしょうか。
カナコさんが予想した役柄はどんな感じでしょう。河野くんは暖簾でしたし、先週の二人は動物でしたからね。カナコさんにはゼヒ人間を描いてもらいたいものです。


もちろんお二人とも予想は外れてしまいましたが、今回は劇団員が大活躍です。いつもワンポイントリリーフ的にインパクトは強いが出番が短いとか、その他大勢に紛れるような役回りとかも多いのですが、今回は劇団員たちにも出番がたくさんありますぜ。特にこの夫婦と家族は最初から最後までチョコチョコと出続けますので、どうぞお楽しみに!


《緊急追記!》

てなカンジの原稿を書いておりましたが、今日になって素晴らしく綺麗な富士山を拝むことが出来ました! 劇場前にあります歩道橋「ロゼのかけはし」から見た雄大な富士山の勇姿をご覧下さいませ!

ロゼシアターにお越し頂ければこんな素敵な富士をご覧頂けますよ! ただし天気の良い時だけですけどね。

/無頼街/粟根まことタイムカプセル館 第二回:隠密の二人

タイムカプセル館 第二回:隠密の二人

「神州無頼街」の大阪公演が無事に終わりました! たくさんのご来場、誠にありがとうございました。いやあ、開幕の頃は裏では色々とバタバタしておりましたが、なんとか無事に終わってホッとしております。
おおむね好評なようでして、我々としましても嬉しい限りです。ちょっと濃いめでクドめの作品でして、いつもより歌を多めでお届けしておりますが、その辺りもお楽しみ頂いているようでまさに狙い通りです。

そんなカンジでホッとしていたら! なんと5/14のライブビューイングが発表されてしまったじゃないですか! 全国約100館に加えて台湾4館ですって! しかもそれを記念して、福士蒼汰さんと宮野真守さんがそれぞれ主演を飾った「髑髏城の七人」Season月《上弦の月》&《下弦の月》のゲキ×シネ復活上映まであるんですって!
さらに! 劇団☆新感線の秋公演「薔薇とサムライ2ー海賊女王の帰還ー」までもが発表されちゃって! もう情報過多ですよ! 一杯いっぱいですよ! 新感線ファンは心が忙しくてたまりませんよ!

落ち着きましょう。まずは落ち着きましょう。大丈夫。映画館も次回公演も逃げません。どれもこれもまだ先の話です。落ち着いてそれぞれに対処すれば大丈夫です。
ご自分の観たい作品を選んで、あとはスケジュールとか予算とかと相談ですね。相談ではありますが、見ずに後悔するよりは見て後悔しましょう! あ、後悔はするんだね。いえいえ、後悔なんてさせませんよ!

さあ、そんな未来の話よりも過去の話です。過去のタイムカプセルの話をしましょう。今回も淡々と劇団員たちのタイムカプセルを開けていきますよ。


そんなワケでね、今回は隠密のお二人のタイムカプセルを開けてみましょう。隠密? ええ、あまり詳しくは書けませんが、このお二人はいわゆる隠密なんです。しかも二人だけじゃありません。結構な大人数でチームを組んでいます。なんだか忍者っぽいお衣裳です。

まずは中谷さとみさん。さとみさんの本当の役名は「つまぎ」。いかにも隠密ってカンジの名前ですね。いただく感想などではよく「つばき」と勘違いされていますが、正しくは「つまぎ」です。「落としのつまぎ」なんて通称もあったりしますが、何を落とすのかは秘密です。

さて、さとみさんは二年前に自分の役柄をどのように予想していたのでしょうか。


続いては、同じく隠密仲間の保坂エマさんです。本当の役名は「さざれ」。「ささくれ」ではありませんよ。「さざえ」でもありません。「さざれ」です。
パンタロン風の衣裳が印象的でして、初めて見た時は「えっ?」って思いました。いや、似合ってるし可愛いんですけど、何て言うか「えっ?」って思ったんですよ。おんなじコトを二回書きましたけど、何かそんなカンジ。いや、もう見慣れましたけどね。

この、さとみさんとエマさんの二人(を含むチーム)が、役に立つんだか立たないんだか。まあ大して役には立たないんですけどね。でも、結構出番も多いし華やかだし。お衣裳もみんな可愛いしヴァラエティに富んでいて、衣裳デザインの竹田団吾さんの愛を感じました。

さて、エマさんはどんな役柄を予想したのでしょうか。さとみさんがネコでしたからね。エマさんにはまともな役柄を予想してもらいたいものです。


ええと、今回は人間では無い役柄を予想したお二人のタイムカプセルを開けてみました。もちろん全然当たってはいないんですけど、役柄的にはそれほど遠くないような気もしたりしなかったり。そんな隠密チームの活躍をぜひ劇場でお確かめ下さい。

さあ、次は静岡公演、初めての富士市公演です。富士の裾野で富士の裾野の物語を、桜と共にお届けいたします。どうぞお楽しみに!

/無頼街/粟根まことタイムカプセル館 第一回:子分の二人

タイムカプセル館 第一回:子分の二人

皆さん、こんにちは! 劇団☆新感線の粟根まことです。いよいよ「神州無頼街」の大阪公演が開幕致しました。
いよいよです。いよいよいよですよ。大変お待たせ致しました! お待たせしました替わりに、歌あり殺陣あり笑いあり、何でもアリの新感線エッセンスを特濃特盛のお祭り騒ぎでお送りいたしますので、どうぞご期待下さいませ!

しかし、もちろん何の問題もなく公演が準備できた訳ではありません。そもそもこの公演は2020年の秋に上演する予定だったのです。それが新型コロナウイルスの蔓延により残念ながら公演を延期することが決定してしまったのです。稽古が始まるよりも遙か前に。
稽古も始まっておりませんから、台本は出来上がっていても劇団員には配布されていません。あらすじとゲスト陣の配役だけが知らされている状態です。しかし、二年後に上演されることは決まっています。

そこで私は思いました。この状況を利用しない手はない。二年後に延期された作品での、自分の役柄と役名を予想してもらいたい。そして、二年後に答え合わせをしたい。そんなタイムカプセル企画を思いついたのです。思いついちゃったのならば、これはやらずばなりますまい!

そんな訳で、2020年夏の段階で、劇団員の皆さんに「神州無頼街」での「役名」と「役柄」、そしてその想像図をイラストで描いて頂き、その当時の自撮り写真も添えてもらいました。もう一度言いますが、この段階で劇団員の皆さんはあらすじとゲスト陣の配役しか知らないんですよ。
さあ、二年前の皆さんは自分の役柄をどのように予想したのでしょうか。私・粟根まことがこのタイムカプセル館の館長として、皆様をナビゲートしていきたいと思います。最近では稽古場レポートである「アワブロ」もお届けできていませんからね。今回はこのタイムカプセル館を「アワブロ番外編」として、劇場での様子も交えながらお届けしたいと思います。


まず、第一回目は言い出しっぺの私から。私の本当の役名は「風天千之介(ふうてんせんのすけ)」でして、髙嶋政宏さん演じる身堂蛇蝎が率いる身堂一家の子分です。 実を言いますと、宣伝用写真撮影の関係で私は既に台本を読んでおりました。だから役名も役柄も知っていました。知ってしまっていたのです。
とはいえ、この企画を言い出したのは私ですから書かない訳にはいかないでしょう。 という訳で、まずは一旦、自分の役柄を忘れた状態で書いております。つまり私の妄想です。よろしくお願い致します。

粟根まこと

続いては、私が演じる風天千之介とコンビを組みます「雲海百千代(うんかいももちよ)」役の右近健一さんを。コンビですから、百千代さんも身堂一家の子分です。
実はこの千之介と百千代のコンビは、身堂一家で出会ったのではなくて以前から知り合いの関係です。それがどんな関係なのかは本番を見てのお楽しみ。

個人的には勝手に「千百コンビ」と名付けていました。「“千”之介」と「“百”千代」ですからね。ところが、よく考えてみれば「百千代」の中に既に“百”も“千”も入っちゃってるんですよ。うーん。命名失敗です。
さて、右近さんはどのようにご自分の役柄を予想しているのでしょうか。


如何でしたでしょうか。こんなカンジでタイムカプセル館を展開していきますよ。これから毎週木曜日辺りに二人ずつご紹介していく予定です。まだまだ先となる静岡・東京公演までのお楽しみとして、なるべくネタバレをせずにカプセルの蓋を開けて参りますので、どうぞご期待下さいませ!