/けむり/アワブロ11<最終回>「さあ!始まるよ!始まっちゃうよ!」

さあ! 始まるよ! 始まっちゃうよ! けむりの軍団! 皆さんも早く見たいよね! 稽古場レポートなんてしてる場合じゃないって!

ええと、そうですね。それどころじゃないですもんね。じゃあ、ま、このアワブロもそろそろ終わりにしましょうか。

もうね、最後だからジャンルにとらわれずに、稽古場で撮れた面白写真を掘り返して、ドンドンご紹介いたしましょう。最後だからいっぱいだよ!

劇団員の中でも、ここまであまりご紹介してこなかったインディ高橋くんと吉田メタルくん。この二人は今回コンビですが、あまり出番がありません。これまた威勢だけはいいが頼りない浪人コンビでして、なんとも情けない感じが漂ってきます。

なんでしょうか、インディ君のこのヘニョッとしたカンジ。水気の少ない干からびた身体と共に切なさがにじみ出してきます。横で話しかけているのが筋肉ムキムキのメタルくんであるのが更に際立たせていますね。あと、後ろで聞いている成志さんも面白い。

この二人の情けなさはこのすぐ後のシーンで最高潮を迎えます。

どう、二人して正座して、なにやら言い訳とかしている姿。いい大人ではありますが、これでも劇団員としては比較的若手の二人です。今回もなかなか良い味出してくれていますよ。

あ、そうだ! 劇団員と言えば右近健一さんの写真がありませんね。ええと、すみません。今回、私と右近さんはコンビの役でして、ということは私と出番が同じというコトでして、つまり写真が撮れないのです。右近さんファンの皆様には申し訳ありませんが、そこは本番のお楽しみに取っておいて下さい。今回ももちろん右近さんには歌い上げて頂きますよ!

まあ、そんなワケで私が出ていないシーンならば稽古の写真が撮れるのですが、特に狙ってないのに面白い写真が撮れてしまう場合があります。まあ偶然ですね。数多くの写真を撮っていると、偶然のシャッターが切り取った、いわゆる「奇跡の一枚」が生まれたりするのです。そう、奇跡の一枚からスターダムを駆け上がったあの橋本環奈さんのように!

では、ウチの橋本環奈さんの奇跡の一枚をご覧下さい!

どう! 奇跡の一枚でしょ! 別に狙って撮ったんじゃないんですよ。普通に稽古風景を撮っていたらたまたま撮れちゃったんです。撮れてしまったんです。これはもう、みなさまにお披露目するしかないでしょ。この一枚を足がかりに是非ともスターダムを駆け上がって欲しいと思います。

この奇跡の一枚を出してしまった後では他の写真も出しにくいのですが、気にせずいきましょう。そうしましょう。ちょっと面白い程度の写真ならたくさんありますから。

例えばこの成志さんと仁ちゃんの写真。

まあね、爆笑とはいきませんが、そこはかとなく面白い写真です。このお二人の顔をじーっと見ていると、ジワジワと可笑しさがこみ上げてきませんか? きませんか。そうですか。

じゃあ、こちらの成志さんとエマさんの写真ならどうですか。

あるシーンでは、エマさんが成志さんに何やら報告した後に、別の人たちの会話が進行します。つまりその間、この二人はオフ芝居で繋がなくてはなりません。

ただ、みんながまだセリフを覚えきっていなかったので、そのオフ芝居がやたらと長くなってしまいました。そうなればもう間を埋めるために二人のアドリブ合戦です。ただただバカな質問とバカな答えのやりとりでしたが、長いシーンをやりきった後なので、汗だくのエマさんが必死になって答えていたのが面白かったんですよ。これまたジワジワくる写真です。

じゃあ、こういうのはどうでしょう。あるシーンでの河野くんの動きが面白かったのでGIFアニメにしてみました。

何かを激しく身振り手振りで主張している河野くん。そしてそれを冷ややかに見ている聖子さん。河野くんが妙に真剣なのも面白いし、Tシャツがカワイイのも気になりますけど、聖子さんの首が微妙に揺れているのも可愛らしいですね。ずっと見ていられるアニメです。

さあて、「けむりの軍団」稽古場レポート・アワブロの最後を飾るのは毎度お騒がせ娘の中谷さとみさんにお願いいたしましょうか。味噌汁泥棒が出たぞー!

以前にも書きましたが、稽古場には大量のお菓子があるのですが、先輩たちの差し入れなどでカップラーメンやカップ焼きそばも結構あるんです。

ある日、そんな差し入れの一番手前にカップ味噌汁があるのを見つけたさとみさん。「コレ、誰かが作ろうとして置いたんかなぁ」とか言いながら、ちょっとだけ周りを見回し、気を使う振りだけして、スグに作り始めてしまいました。

丁度食べているところに稽古を終えた宮下今日子さんが戻ってきて一言「それ、あたしの〜」。そのお味噌汁は今日子さんのだったのです。今日子さんが作ろうと思って持ってきて、出番が始まるから置いていったモノだったのです。

おにぎりに合うから丁度良いと思って、とはさとみさんの言い訳。日本語としては正しいのに、まったく意味が判りません。それはただの味噌汁泥棒です。翌日、今日子さんのためにお詫びとしてカップ味噌汁を三つ買ってきたさとみさんでした。

あ! ここに右近さんがいたね。

味噌汁泥棒だけではなく、様々な人々が入り乱れる「けむりの軍団」。戦国末期、目良家と厚見家。一向宗勢力と謎のけむりの軍団。ヤクザと博徒、農民と町人。様々な人々が複雑に絡み合い、嘘とハッタリ、空約束と泣き落としとが乱れ飛ぶ、クロサワ映画っぽかったり落語っぽかったりする話。十兵衛と輝親、紗々姫と源七、四人のドタバタ珍道中と、それに巻き込まれる大勢の可笑しな物語をお楽しみ下さいませ!

/けむり/アワブロ10「楽しかった稽古場での思い出」

初日も目前となりまして、稽古場レポートもそろそろ大詰めでしょうか。我々も劇場に入って舞台稽古をしている頃でしょう。どれほど稽古場でみっちりと稽古をしても、実際の舞台に上げてみると色々と修正点が出てくるもんなんです。みっちりと舞台稽古をしていきましょう。

今日はそんな楽しかった稽古場での思い出をまとめる意味で、オフショットを中心にご紹介しましょうか。

稽古場前室で休憩している時とか、稽古の合間のちょっとした空き時間とか、それぞれが思い思いに過ごしている瞬間ってなかなか面白いんですよね。色々とおかしなコトとかちょっとした事件とかが起こっているのですが、運良く写真に納められたものをいくつかお届けいたしましょう。

まずは小返し稽古直前にスタンバイ中の菜名さん。

このシーンは成志さんが寝ているところから始まるんですが、なかなか始まらないのでちょっと記念撮影。さすがは次期CM女王との噂もある菜名さん。百点満点の笑顔ですが、フトンで寝ている成志さんも良い顔です。

続いては稽古場前室での四コマ漫画。稽古場には何故だかたくさんのお菓子があるんです。制作部が用意したスナックもあれば、出演者からのお土産や事務所の方々からの差し入れなど、様々なお菓子や食べ物が揃っています。ありがとうございます。

ある休憩時間、美味しそうなクッキーを食べようとしていた健太くん。

それを、ちょっと見せてと太一くんが取り、何やら悪さをし始めました。

どうやらパキパキと割っているようです。美味しそうなクッキーが粉々に! サクサクだったクッキーがモロモロに!

慌てて取り返す健太くん。

「クッキーはほとんどが食感なんだぞ!」とか言いながら取り返しました。

イタズラが成功してご満悦の太一くん。

新感線に初めて出演して頂いたのが十年前。あの頃は無口だった太一くんが今ではすっかり打ち解けて、こんなに素敵な笑顔になりました。こんなコトやってますけど、太一くんと健太くんは仲良しなんです。楽しそうですね。

楽しそうなのは若い人達ばかりではありません。おじさんたちも楽しくやっています。

出演者が、自分の本来の役ではない「ガヤ」的な役柄で出演することがあり、それを我々は「バイト」と呼んでいます。いえ、もちろん正式な舞台用語ではありませんが、まあそんな風に呼んでるってコトです。

大人数が必要なあるシーン。太一くん直属の配下である目良家臣として劇団員四人がバイトに狩り出されました。逆木さんとインディくんと礒野くんと仁ちゃん。大して闘わないのになんか偉そうにしているから「目良四天王」とか「目良フォー」とか呼ばれるようになりました。

どう、このいかにも弱そうな感じ。偉そうにしているのに弱そうというあたりがさすがの劇団員。なにやらカッコよく八相に構えていますが、どうみても弱い。目良フォーメンバーである礒野くんまで笑ってしまっています。

ところが! この役に立たなさそうな感じがカワイイと大人気! 稽古場のアイドルとしてみんなに愛されているんです。その愛されっぷりを更に増したくて、何やら提案をする高田聖子さん。

この目良フォーは四人固まっている方が更に弱そうだからとかなんとか、なんか色々と悪知恵を付けていますが、そもそも弱そうである必要はないんですけどね。

みなさんも是非、舞台上で目良フォーを探してみて下さい。鎧もカラフルで華やかですよ。平均年齢の高い目良フォー、決めゼリフは「お見事!」です。

まあ、目良フォーはどうでも良いとしても、大人数シーンでは劇団員たちも大活躍。ていうか大忙し。色んな人が混じっています。隅々までお楽しみ下さいませ!

/けむり/アワブロ09「太一きゅんファンお待たせ! チャンバラ特集」

だんだん見えてきた東京公演。どんどん近づく初日。皆さん、間もなく「けむりの軍団」の幕が開きますよ。今春の「偽義経〜」には東京公演がありませんでしたから、久しぶりに東京の皆様にお目見えするってワケですね。昨年末の『メタルマクベス』disc3以来ですから約半年振りです。

「けむりの軍団」は時代劇。戦国末期が舞台です。となれば当然殺陣もあるワケです。ま、新感線ですからなんやかんやアクションはあるんですけど、特に今回は早乙女太一さんがご出演ですからね。そりゃあ闘ってもらうでしょ。

というワケで、太一きゅんファンお待たせ! 今回はチャンバラ特集といきましょうか。

まずはアクション監督である川原さんと闘っている太一くん。

どう! お二人の綺麗な太刀筋! 太一くんの重心の低さ! そして監督の顔! 立ち回りの頂上対決です。今作のハイライトの一つですよ。どうぞお楽しみに。

次は太一くんと菜名さんが闘っている写真を。まず、莉左衛門と紗々姫の関係をご説明しておきましょうか。紗々姫は厚見家当主の妹ですが、人質として目良家に嫁入りしているのです。目良家家臣である莉左衛門にとっては主君の正室ですから「奥方さま」です。紗々姫が逃げ出したので、莉左衛門は追いかけて連れ戻そうとするのです。

追う莉左衛門、逃げる紗々姫。出逢ってしまえばお姫様とはいえ闘うのです。

菜名さんはアクションもお手の物。「ハナドクロ」の沙霧もそうでしたね。莉左衛門に対して写真がブレるほどのスピードで攻め込みます。莉左衛門もガードするしかありません。さすがです。

菜名さんの素晴らしいアクションをもう一枚。

宙に浮いていますよ! これは旋風脚という回転飛び回し蹴りですね。お姫様にしては強すぎるような気もしますが、それにしても綺麗なフォームです。そして奥には古田くんがまるで出来をチェックする殺陣師みたいに偉そうに写り込んでいますが、これは単に出番を待っているだけです。気にしないで下さい。

続いては健太くん。健太くん演じる源七は厚見家家臣で、姫様である紗々姫を守りながら脱出するのですが、その前には莉左衛門が立ちふさがるのです。

おっ! いいアングル! すっ飛ばされた源七ナメの莉左衛門と紗々姫。威勢だけはいいが実は弱い源七ですから、こういう事態になるんですね。そしてラッパ屋のTシャツ。

そんな源七とはいえ、弱いなりにも闘います。紗々姫を守って莉左衛門と闘ったりもしますよ。

倒れながらも蹴り攻撃。レバー↓+強K。まあ、莉左衛門には全然敵わないんですけどね。キッチリ受け止めている太一くんも綺麗。

こんな感じでカッコイイ殺陣シーンも多い今作。もちろん皆さんお待ちかねの十兵衛と莉左衛門の一騎打ちもありますけど、あえてここでは見せません。ちゃんと写真も撮ったけど見せません。そりゃあもちろん本番のお楽しみです。

替わりと言ってはなんですが、ズバーッと斬り殺された後の仁さんでもご覧頂きましょう。

はい、死んでますね。舞台上でのシーンの邪魔にならないように、舞台の端っこで死んでますね。殺されるのも仕事です。お見事!

念のために言っておきますが、今作はチャンバラばかりではありませんよ。どちらかといえば会話劇です。それぞれの陣営がそれぞれのイデオロギーを持って戦国末期を生き抜く話。とりあえず、目良家と厚見家が争っているコトだけ覚えておいて頂ければ大丈夫。気楽にお越し下さいませ。

/けむり/アワブロ08「古田くんと成志さん特集」

気がつけばもう七月。梅雨というよりも既に夏を感じさせる暑さですが、稽古場はもっと暑いです。暑苦しいです。特に成志さんが。十月の大阪までこの暑苦しさを保って頂きたいと思います。

今日はそんな暑苦しい成志さんが古田くんに殴られているショットをまとめてお送りいたしましょう。特に注釈も付けずに。だってただ殴られているだけだから。それでは六枚続けてどうぞ。

ええと、二人がまだ台本を持っていることからも判る通り、まだ段取りが決まり切っていない頃でしたので、殴り方も割と適当です。顔だったり腹だったり目つぶしだったり。即興でやっているのに成志さんの殴られが見事ですね。

なんかこれだけでは稽古場レポートっぽくないですか。ま、そうでしょうね。ただ殴られているだけの写真ですから。なので、稽古場で撮れたお二人のちょっと面白い写真などでもご紹介いたしましょうか。

まずは成志さんの暑苦しさが遺憾なく発揮されている写真を。

なにこれ。まあ切腹シーンですね。嘘とその場しのぎが得意な輝親ですから、もちろん本気ではありません。でもちょっと刺さっています。刺さって痛いんです。なのでこの暑苦しい表情なんですね。

成志さんでもう一枚。あるシーンで敵を怯えさせる必要が生じました。その時に成志さんが取った行動がこれ。

謎のダンス。ふしぎなおどりをおどった! MPがさがった! いやMPは下がりませんが、なにやら威嚇しているようです。輝親が威嚇したとて効果は無さそうですが、とりあえず尻馬には乗る人なんですね。

お次は古田くん。なんでそんな顔をしているの?

源七を睨んで「なんだその目は」と言い返される時の顔。あ、それ、睨んでいたんですね。目、開いてないように見えるんですけど。まあ、なんだその目はとは言いやすいですけどね。隣で成志さんも笑っています。

最後も古田くんで。なんだかんだあって、後ろから急にゾンビっぽい人々が現れた時の驚き。

まあそうなるよね。まずもって、時代劇でゾンビっぽい人々が突然出てくるというのも予想外ですからね。そりゃ驚きもしますでしょ。なんか漫画みたいな構図で面白さもひとしおです。ちなみにゾンビは黒Tが加藤学さん、赤Tが山崎翔太さん、あと手だけ写っているのがあきつ来野良さんの三人ですよ。

こうして何度もこのお二人の特集を組んでしまうほど、二人が面白いんです。出番も多いしセリフも多いし、なんだか汗だくになりながら面白い稽古をしていますよ。がんばれおじさんたち!

/けむり/アワブロ07「アクションメンズとダンサーズ」

豪華なゲスト、おかしな劇団員、そして屈強なアクションメンズとしなやかなダンサーズ。総勢37人の出演者でお送りいたします「けむりの軍団」。我々の間では、すでに「けむり」と略されています。

本格時代劇ですから大人数が入り乱れるシーンも数多くあります。侍、町人、農民、僧侶。もうとにかく膨大な登場人物が入り乱れます。要するに、みんな着替えて着替えて出たり入ったり。

特にアクションメンズとダンサーズはずっと出番と着替えの連続です。大車輪の大活躍です。そんなみなさんの活躍の一部をご紹介いたしましょう。

まずはこちらの躍動感ある写真をご覧下さい。

男たちがたくさん雪崩れ込んできていますね。なんかそんなシーンなのですが、この勢いがいいんですよね。男臭さ満載でお送りいたします。

こんな男たちは雪崩れ込んだ後にどうするか。もちろんご飯の時間です。

なんか美味しそうに食べるんですよね。ガツガツと。これぞ男の食事です。そんな男たちの食事を運んでいる様子がこちらです。

なにやら大皿を捧げ持って、たくさんの女中さんが走っております。舞台を上手から下手へ、何度も何度も往復します。しかも、シーンを作るためには試行錯誤しますから、何度も何度もやり直しさせられます。この日、彼女たちが一体どれほどの距離を走らされたのか、気の毒になるほどでした。

このように、今回も大人数のシーンが多いんです。あっちの勢力、こっちの勢力、そして街の人々。様々な人間模様が交錯して重層的な物語を組み上げます。これも着替えて着替えてのお陰です。アンサンブルに加えて劇団員たちも大忙しなの。大変なの。

そうして大人数が揃うと睨み合いが始まります。大勢が一方向を睨んでいる写真ってなんか面白いんですよね。まずは一枚。

なにやら悔しげに叫んでいますよ。悪者たちが「あの野郎!」的な悪態を叫んでいますよ。みなさん、実に良い顔をしています。

かと思うと農具を片手になにやら威嚇している人たちもいます。

クワや鎌を持って闘う気まんまんです。みんな良い顔なんですが、中でもセンターのエマさんが素晴らしいですね。決意と敵意を感じる表情です。ここがエマさんの見せ場なのです。出番も少ないのでお見逃し無く。

最後はみんなで歌の稽古をしている所をご紹介しておきましょうか。今作でも数曲だけ歌があるのですが、ソロで歌い上げるというよりも、みんなで群唱するカンジですね。なので歌稽古も大人数なのです。

歌唱指導はもちろん右近健一さん。歌が巧い人ばかりではないこの集団を上手に操り、素晴らしいハーモニーへとまとめ上げて下さいます。

各パートごとにまとまって順番に練習するのですが、右近さんの指導が具体的に気持ちや顔を指定したりするので、みんなそれぞれ面白い顔になっていたりするのです。

歌っている人、笑っている人、呆れている人、人それぞれ。これでもみんな本気で歌稽古しているんですよ。そして最終的には素敵な合唱になるんです。

クロサワ風の本格時代劇なのに歌も踊りもあるお芝居。要するに堅苦しいお話じゃぁないってコトですよ。もちろんチャンバラもあるよ! お楽しみに!

/けむり/アワブロ06「劇団員とコハマちゃん」

前回は河野くんとさとみさんをご紹介しましたね。今回も劇団員近辺からお届けしましょう。大丈夫、なんだか個性的な人々はまだまだいっぱいいますから。

そんなおかしな劇団員の中で、唯一大阪に住んでいるのが村木よし子さん。東京での稽古や公演中はウィークリーマンション暮らしです。一人淋しく単身赴任。そんなよし子さんを癒してくれるのが愛鳥であるインコのコハマちゃん。

この日は稽古終わりで大阪に帰る用事があったので、稽古場に連れてきてくれました。稽古場前室での皆のアイドルになっていましたよ。

続いては劇団員最年長、この夏に還暦を迎える逆木圭一郎さん。還暦ですよ、還暦。暦が一周して60歳ってコトですよ。ちなみに逆木さんといのうえさんは小学校からの同級生なので、いのうえさんも今年度で還暦です。うわあ、劇団が39周年ってコトはこういうコトなのですねぇ。

まもなく還暦の逆木さんが何かの台の上で足をブラブラさせながら大喜びですよ。横では成志さんも笑っていますし、奥では菜名さんも微笑んでいます。なにやら楽しいシーンなのでしょう。還暦だけど。

続いてはダンスシーンです。今作は本格時代劇と銘打っておりますが、なぜだか数曲ダンスシーンがあります。いや、そんなバリバリのダンスシーンではありませんよ。農民が稲を刈りながら豊作を願う踊りのようなシーンです。

そんな稲刈りダンスシーンから、保坂エマさんが弾けて光り輝く瞬間をご覧下さい。

弾けてるね! 光り輝いているね! あまりの眩しさに周りの人々も驚いています。保坂エマ、46歳。職業、劇団員。今後のご多幸を祈っております。

ダンスシーン繋がりでこちらも。稽古場の隣には控え室があって、セリフを確認したり打ち合わせをしたりできるのですが、ある日は劇団員たちがダンスの自主練をしていました。

楽しそう! なんだか楽しそう! なんか振りはバラバラだけど。前列手前から、インディくん、よし子さん、エマさん。ちょっと見えにくいけど後列では武田さんと礒野くんも練習していますよ。隙間時間に自主練をするのも大事な稽古なんです。

最後は村木仁さん特集を。厳密に言えば仁さんは劇団員ではないんです。でも、我々と同じ事務所に所属する俳優さんで、もうかれこれ20年ほど本公演に出演し続けて頂いているので、まあほぼ劇団員です。かつてはアンケートに「もうあいつの食欲には興味がない!」とまで書かれていた仁さんですが、今では欠かせないメンバーとして広く受け入れられています。「お腹が空いた〜」的なセリフも無くなっていますしね。

そんな仁さんには今回は何役も演じて頂きます。セリフのない役も含めると五役。大忙しです。そんな中で、一番目立つのがこの役。

まあなんか親分的な役柄なのですが、侍らせているよし子さんに乳首を責められながらの恫喝ですよ。あまりにお二人の表情が素晴らしいので思わずGIFアニメにしてしまいました。

乳首を責められた後は十兵衛に詰め寄ります。その詰め寄り方がなんともカワイイのでぜひご覧下さい。

なに、このおじさんたち。これでも命の掛かったやりとりなんですが、全然そんな風には見えませんね。手を縛られて抵抗できない十兵衛に詰め寄ったあげく、なにやら論破されてこの表情。

なんだこれ。まあ、こういうのが仁さんの得意技。顔芸じゃねえかと思われるかもしれませんが大丈夫。大劇場では表情までは見えませんが、空気感は伝わるもんですよ。

劇団員も準劇団員も、おばさんもおじさんも、なんだかいっぱい出てくる「けむりの軍団」。楽しく苦しみながら順調に稽古は進んでおります。今年の夏秋は、けむってみませんか? けむっちゃいますか? 是非けむっていきましょう!

/けむり/アワブロ05「河野まさとくんと中谷さとみさん」

さあ、ゲストの方々のご紹介もあらかた終わったことですし、そろそろ皆さんお待ちかね! 劇団員たちのオポンチな姿でもご紹介していきましょうか。ストーリーを運ぶ人々がカッコよかったり渋かったり面白かったりする合間に、劇団員たちがユル可笑しなシーンを紡いでいきます。例によって不思議な人々がたくさん出てきますよ。

そんな中から、今日は河野まさとくんと中谷さとみさんの二人を取り上げたいと思います。

今作では、河野くんとさとみさんはコンビのようにセットで出てきます。ていうかカップルなんです。威勢だけはいいがマザコンでちょっと足りない役の河野くんと、負けん気が強くてちょっとエロい役のさとみさん。変なカップルです。

そんな二人の愛のあるシーンをご覧下さい。

手を広げて近づいていくさとみさんを恐怖の表情で見つめる河野くん。なんでしょうか。襲われているんでしょうか。ええ、襲われているんです。

このシーンを向こう側から見てみましょう。

更にアグレッシブです。アグレッシブに襲っています。勢いが凄すぎて写真もブレまくっていますが仕方がないのです。それくらいアグレッシブだってコトですよ。

そしてこの後、こうなって。

更にこうなって。

最終的にこうなります。

なんかやりきった感が漂っていますが、別にやりきってはいません。画面左端で見守っている舞台監督の芳谷さんも呆れ顔です。

まあ、こんなカンジの二人なのですが、似たもの同士というか、楽をすることに関しては苦労を惜しまないトコロが共通しています。ある場面を作っている時に、出演はしているんだけどもうセリフがない、というシーンになりました。舞台の前の方では何やら真面目な会話が繰り広げられているが、私達はもうセリフがない。そんな稽古中、気がついたらこんなことになっていました。

仲良くセットに腰掛けて、なんだか楽しげに稽古を見ていました。いや、まだシーンは続いていますよ。あなたたちも登場人物ですよ。しかもそこは本来は壁ですから座れませんよ。まあ、いいでしょう。それがあなたたちです。

戦国末期のある国を舞台に、変なカップルだけじゃなくて、戦国大名やお姫様、博徒に盗人、農民に商人にお坊さん。様々な人々が登場し、それぞれが必死に生きていくお話です。痛快娯楽作品になっておりますので、どうぞお楽しみに!

/けむり/アワブロ04「早乙女太一さんと高田聖子さん」

アワブロの四回目は目良家(めらけ)チームのご紹介をいたしましょう。今作の第一勢力となる強大な戦国大名である目良家。その目良家を牛耳るのが現当主の母である嵐蔵院(らんぞういん)さま。演じるのは高田聖子さんです。

戦場なのでしょうか、床机に座ってなにやら書状に目を通しています。その横から覗き込んでいる河野くんの方が気になるかとは思いますが、今は忘れて下さい。

目良家は大国で陣容も厚く、多くの家臣を抱えています。そんな侍たちを束ねる侍大将・飛沢莉左衛門(とびさわりざえもん)を演じて頂くのは、新感線六度目の出演となる早乙女太一さん。

嵐蔵院の信頼も篤い莉左衛門ですから、戦評定でも重要な役割を担います。嵐蔵院さまに何か指図を受けています。しかもやたらに強い。剣を取っては向かうところ敵無しです。

ただね、ちょっと口べたなんですよ。ちょっとっていうか、だいぶ。喋るたんびにいちいち引っかかります。

例えば、こんなカンジでカッコよく登場する莉左衛門がいたと思って下さいよ。

抜き身片手に颯爽と、ニヒルな雰囲気で現れた莉左衛門ですが、その直後にはこんなカンジになっています。

どうしました? 歯を食いしばって苦しそうですが、大丈夫ですか? いえ、大丈夫なんです。こういうのが莉左衛門さんなんです。

いつもはクールだったりニヒルだったりする役が多かった太一くんですが、今回の太一くんは面白いですよ。意外な一面も見られますので、そのあたりもお楽しみに。

目良家には様々な人々がいるのですが、その中からもう一人だけご紹介させて下さい。実は、今公演には劇団員の山本カナコさんも出演する予定でしたが、前十字靱帯断裂の治療のために降板することとなりました。そして、その代役として宮下今日子さんにご出演頂くこととなりました。お忙しいところありがとうございます。

今日子さんには冷静で有能な目良家家臣を演じて頂きます。しかもなにやら曰くありげですよ。

嵐蔵院との関係も複雑なようですね。その種明かしはぜひ本編でご確認下さい。

ちなみに今日子さんの身長は173cm。カナコさんとの身長差は約20cmほどもありますから、随分と印象が違うかもしれません。いや、この役はすでに今日子さんのモノですから気にしなくて良いでしょう。

そんなこんなの目良家の皆様。紗々姫と源七を追い回し、十兵衛と輝親に翻弄される、まあ判りやすくいえば悪者チームですが、それぞれの国にも言い分があり、それぞれの生活があるのです。どうぞ目良家も嫌わないでやって下さいね。

/けむり/アワブロ03「清野菜名さんと須賀健太くん」

前号でご紹介した古田くん演じる十兵衛と成志さん演じる輝親。この二人の珍道中が物語の中心なのですが、それに巻き込まれるというか乗っかってくるのが若い二人の男女です。それが清野菜名さん演じるおてんば姫・紗々姫(ささひめ)と、須賀健太くん演じる忠義だがからっきし弱い侍・雨森源七(あまもりげんしち)。

稽古場前室でのお二人。同い年の24歳。ええと、源七は紗々姫には頭が上がらないのです。

まず今作の背景をご説明いたしますと、戦国末期に争っている二つの国があります。強大な力を持つ「目良(めら)家」と、その隣国である「厚見(あつみ)家」。かつては敵対していましたが現在は同盟を組んでいます。その人質として、厚見家当主の妹である紗々姫が、目良家当主に正室として輿入れしているのです。

ところが! 目良家はその同盟を反故にして厚見領に侵攻を開始しました。驚いたのは紗々姫さん。自分が人質になっていたままでは厚見家も反撃しにくい。という訳で、源七と共に目良家を抜け出したのです。

その脱出行で出逢ったのが十兵衛と輝親の二人。その後、なんだかんだあって四人は行動を共にします。なんとかして目良領を抜けだし、厚見領へと辿り着きたい。作戦会議も開きます。

といっても四人は一枚岩ではありません。それぞれに思惑があり、それぞれに言い分がある。仲良く一緒に逃げ出すという訳にはいきません。

それでも目良家の追っ手は迫ってくるし、何やら謎な勢力も絡んできます。逃げざるを得ないのです。ドタバタしながらも力を合わせて進むことになります。

ここで稽古場レポートらしく、演出風景でもレポートしましょうか。いのうえさんの演出は指定が細かく、ニュアンスを伝えるために自分でやってみせるタイプだというのは有名な話ですね。では、紗々姫と源七に演出を付けている様子をご覧下さい。

はやる紗々姫を源七がなだめているのでしょうか。手を引きながら何やら説得しています。このようにいのうえさんが源七役もやってみせながら動きを決めていっているんですね。

このシーンの続きもお見せしましょう。

説得に掛かる源七を紗々姫がたしなめているようなのですが、え? いのうえさんが今度は紗々姫役を? そうなんです。それぞれの役をその度にやってみせているんですね。そういう演出方法なのです。

ただ、こうして稽古している時はそれぞれ自分の演技をしていますので、当然いのうえさんの方は見ていないのです。でもいのうえさんも動いています。体を動かすタイプの演出家。それがいのうえひでのりさんです。

実は、今回のゲストチームは全員がIHIステージアラウンド東京の経験者。つまりいのうえ演出経験者ですし、劇団員とも旧知の仲です。稽古のやり方も慣れたもの。倉持さんの軽妙なセリフも相まって、稽古中も笑いが絶えずにスムースに進行しております。

小返し稽古直前に、いのうえさんが何やら面白いことでも言ったのでしょうね。スタンバイしたお三人も手を止めて聞いています。ちなみに、その後ろで後ろ向きに手を広げているのは舞監補佐の浜崎さん。別に好きでここに居るのではなくて、ここに幕がありますよという係です。ここから後ろには行けませんよという印です。

十兵衛、輝親、紗々姫、源七、この四人のドタバタ脱出行を中心に、小粋な会話のやりとりもあれば大人数の大乱闘もある『けむりの軍団』。意外と近いぞ東京公演。先は長いぞ福岡・大阪公演。この夏、この秋、一緒に戦国時代を旅しませんか? ご来場をお待ちしております。

/けむり/アワブロ02「古田新太くんと池田成志さん」

どーも! 粟根まことです。アワブロの第二回ですよ。稽古は順調に進んでおりますが、芝居に加えて歌にダンスに立ち回りにと、例によってやることが一杯でして、なかなかに忙しい稽古場です。そんな稽古場からのレポート始めは、やはりこの二人から始めなくてはなりますまい。

古田新太くん演じる今作の主役である元軍配士・真中十兵衛(まなかじゅうべえ)と、池田成志さん演じる口先だけは達者な謎の素浪人・美山輝親(みやまてるちか)。このおじさん二人を中心に話は展開していきます。ええと、成志さんのお腹に何か刺さっていますが、今は気にしないで下さい。

物語の冒頭はこうです。古寺の賭場でもめ事を起こした輝親に巻き込まれ、子分三人と共に闘うハメになった十兵衛。

さすがは軍配士。四人の見事なフォーメーションですが、まあすぐに大乱闘になっちゃいます。

輝親もなにやら箱を持って暴れ回ります。

挙げ句の果ては仲間割れ。子分役の加藤学くんをいたぶる十兵衛。このいたぶりは、芝居を越えて半ばリアルいたぶりです。手加減してあげて下さい。

敵前で仲間割れなんか起こしていたら勝てるわけはありません。子分たちを人質に取られ、逃亡した輝親を探し出すハメになります。ここから物語が始まるのです。

まあ、実際はすぐに見つけ出して連れ帰る旅に出るのですが、ことあるごとに輝親が逃げようとするんですよ。その度にとっ捕まえてはボコボコですよ。

すぐケンカするんだけど、息は合っています。仲がいいんだか悪いんだか。トムとジェリー、仲良くケンカしな。とにかくドタバタ珍道中です。今作はある意味、珍道中を描く道中記やロードムービーでもあるんです。

今作のモチーフとしては、製作発表やインタビュー記事などで話されている通り「隠し砦の三悪人」と「走れメロス」なのです。なのですが、台本を読んだ時に私の頭に浮かんだのはロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンの傑作ロードムービー「ミッドナイト・ラン」でした。賞金稼ぎが証人を護送しながらアメリカ大陸を大横断するコミカルなロードムービーなのですが、なんか似ているんですよね。映画としてもとても面白いので是非ご覧下さい。

それはともかく、十兵衛と輝親、この50オーバーのおじさん二人が繰り広げる素敵で無敵な珍道中。登場人物はみんながみんなこの二人に振り回されるコトになります。50を過ぎてなお元気な二人の活躍をお楽しみに!