/無頼街/粟根まことタイムカプセル館 第四回:家族の二人

タイムカプセル館 第四回:家族の二人

大阪公演を終え、大盛り上がりだった静岡公演も無事に幕を下ろした「神州無頼街」。いよいよ東京公演に向けて、我々俳優部はしばしの休息ですが、スタッフの皆さんはそろそろ仕込み(舞台設営)に入る頃です。
ここまでで既に20ステージを終えた今公演ですが、東京では34ステージもありますからね。まだまだ気の抜けない状態ではあります。ますます気を引き締めて進んでいきたいと思います。

富士市での公演は舞台が地元と言うコトもあり、実に盛り上がりました。富士山の裾野の話を富士山の裾野で行う。なんだか聖地巡礼みたいで良いですよね。私のスマホの写真ファイルも富士山で一杯です。
劇場近くの富士市市役所の屋上には「ふじさんてらすMierura」という展望テラスがありまして、一般に無料開放されています(開庁日のみ)。こちらからの眺望がまた素晴らしい。ビル11階にあたる屋上テラスから見る富士山は迫力満点ですよ。

ちなみにMierura(ミエルラ)という言葉は、「見えるでしょ」という言葉の地元の方言だというのがまた可愛らしい。見えるら〜。

さて、今回タイムカプセルを開けますのは礒野慎吾くんと吉田メタルくんの家族の二人です。家族? ええ、あまり詳しくは書けませんが、この二人は家族です。もっと言いますと、先週ご紹介した河野まさとくんと山本カナコさん夫婦の家族です。
これがどういう家族構成なのかは見てのお楽しみなのですが、とにかくこの家族は集団で活動しています。常に一緒です。なんだかうるさい集団です。
最初から最後まで、チョコチョコと出てくるこの家族が、段々と愛おしくなっていくこと間違い無しです。


まずは礒野慎吾くんのカプセルから開けてみましょうか。礒野くんの本当の役名は「鍬殺しの又介(くわごろしのまたすけ)」でして、なんとも物騒な名前ですが、正直言いまして全然強くありません。とりあえず、鎌とか鍬は似合いますけどね。今回は鎌を持つのか鍬を持つのか。いや、だから鍬殺しって言ってるじゃないですか!
礒野くんは自分の役柄をどのように予想したのでしょうか。まさか鍬を持つとは思っていないでしょうね。

ちなみに、礒野くんの文中に出てくる「バイト」というのは「本役ではないチョイ役」の新感線用語でして、本役が死んでしまった後などにこっそりチョイ役を演じたりするコトです。


次にカプセルを開けるのは吉田メタルくんです。劇団いちの身長、劇団いちの筋肉。パワー型なら一番です。
メタルくんの今回の役名は「情無用の高壱(なさけむようのたかいち)」でして、名前からしてパワー型の高さ壱番です。そのまんまだな。
パワーはありますが、実はそんなに強くないというのが今回の役どころ。でも家族のまとめ役として頑張っていますよ。


今回の二人の予想は大ハズレというワケでは無く、なんとなくニュアンスは合っています。いい感じに情けない役回りというのは合っています。ただ、今回は二人とも死にません。ていうか、とにかくしぶといです。しぶとく生き残ります。しぶとさだけが頼りです。
そんな生命力に溢れた人々の営みこそがこの物語の主題の一つでもあると思います。時代が変わろうとも、支配者が変わろうとも、逞しく生きる人々。どうぞ、生命力を浴びに劇場にお越し下さいませ!

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