/偽義経/ 【金沢公演】当日券販売のご案内

【金沢公演】当日券販売のご案内です。

◎販売方法

【1】電話予約による受付

各公演日前日の正午(12:00)より、先着にて電話予約を受付いたします。
受付席種・枚数は日によって異なり、事前の受付席種案内はございません。また、お席の場所はお客様ではお選びいただけませんので、予めご了承ください。
受付席種は、S席・A席のいずれかになります。
チケット料金は前売り料金と同額です。
お一人様1通話につき2枚までとなります。
予定枚数に達し次第、受付は終了となります。ご了承ください。
お引き取り方法は、お申し込み公演の開場時間1時間前から30分前まで、会場の当日券売場にて当日精算(現金精算のみ)となります。 
時間内にお引き取りにならないものは、キャンセルとなりますのでご注意ください。

当日券予約受付先 サンライズプロモーション北陸
TEL (新潟)025-246-3939 (12:00〜18:00)



【2】公演会場・窓口での販売

各公演の開場時間30分前から当日券売場にて販売したします。
販売席種・枚数は公演によって異なり、事前の受付席種案内はございません。当日窓口にてご確認ください。
予定枚数に達し次第、終了となります。ご了承ください。
現金のみの取り扱いとなります。
お席の場所はお客様ではお選び頂けませんので、予めご了承ください。


金沢公演情報は公式サイトにて!

お問合せ
サンライズプロモーション北陸
TEL (新潟)025-246-3939 (12:00-18:00 )

/偽義経/大阪公演開幕! いのうえひでのり&生田斗真コメント、舞台写真、公演レポートが到着!

1月上旬より稽古を重ねてまいりました2019年劇団☆新感線39興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』が大阪・フェスティバルホールにて本日3月8日(金)にいよいよ開幕します!

大阪公演開幕に先駆け、劇団☆新感線主宰・演出いのうえひでのり、主演の生田斗真のコメント、 舞台写真、公演レポートが届きました!

劇団☆新感線主宰・演出:いのうえひでのりコメント

『偽義経冥界歌』は劇団☆新感線史上最大といえるほど立ち回りの多い公演です。立ち回りがダンスのようにお芝居として複雑に入り込んでいて、キャストの動きにうまく馴染まないと台詞とのリズムが悪くなり、物語のうねりが客席に伝わらなくなってしまうので、開幕までにしっかり間に合わせて良い形でお届けしたいと思っています。

生田斗真くんは、今では弟キャラではなく、すっかり立派な俳優さん。新感線のことも良く分かってくれていて、差し引き、駆け引き、気遣いすべてにおいて任せられる主役です。

大阪公演は3年ぶり。豊洲(IHIステージアラウンド東京)にずっといたので、一つの場所から解放されるエネルギー、そして劇団員が揃う楽しさもある公演です。ぜひご期待ください。

源九郎義経役:生田斗真コメント

前作『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(2016年)は大阪フェスティバルホールにて大千秋楽を迎えました。あれから3年近く時が経ち、また同じ場所からスタート出来る事に喜びを感じています。かなり大きな会場ですが、最前列から、2階席、3階席の1番後ろのお客様まで、誰一人置いていかない、お芝居にしたいと思っています。

 稽古中は橋本さとし先輩の天然ぶりに終始翻弄された稽古場でした。久しぶりに本公演に参加する、さとしさんと、それを心から喜んでいる劇団員の皆さん。素晴らしい連帯感と幸せに満ちた稽古場でした。

 『偽義経冥界歌』は久しぶりの劇団☆新感線の新作!とにかく役者が駆け回る!闘う!歌う!少年漫画のようでありながら、誰もが楽しめるスペクタクル作品です。難しい事は考えず、僕らが創り上げる劇空間にお付き合い下さい。

劇団☆新感線版アベンジャーズ×ハムレット×リメンバー・ミー!さぁ訳が分からなくなってきただろう?楽しみになってきただろう?自信あり!そして当日券も数枚あり!劇場にて、、、否!冥界にて待つ!

【公演レポート】

生田斗真が新たなる英雄として覚醒する!正真正銘のモンスター級超大作。

「くぅぅうーーー!」。観劇中、何度声にならない歓声を発したことか。豪華絢爛、疾風怒濤、目に入るすべてが名場面。「物凄い瞬間を目にしている…」という感動と興奮が加速度的に高まっていく。正真正銘、過去最強のクオリティで贈る、劇団39年の歴史と進化が詰まったモンスター級超大作だ。

物語は冒頭から、能天気な場面と互いの刃が喉元を掠めるような、緊張と緩和が交互に押し寄せる、心臓ドキバクの展開に。登場人物らは笑顔の裏で「使命を忘れるな」と表情を引き締めるから、いよいよ何が真実で誰が味方か分からない。そんな状況にも、ワケあり偽義経がお構い無しに出陣の狼煙をあげる。均衡を破り運命の歯車が動き出す、最高にワクワクする幕開けだ。

劇空間に巨大な岩窟や海原を出現させる美術や映像、笑いや激情を増幅させる照明や音楽、機能美を備えた華麗な衣裳まで。洗練されたスタッフワークが作品に一層の深みと芸術性を与える。ステージは舞台の一番奥の方から舞台面まで階段状に伸び、戦闘場面では兵士が客席前方にまで飛び出すような迫力に圧倒される。

切り込み隊長の早乙女友貴が華麗な剣術で物語に弾みをつけると、主演の生田斗真が快活に登場。場違いな状況でダブルピースを連打するほどには無邪気だが、思わぬ機転の良さでピンチをしのぐ只者らしからぬ片鱗もチラリ。漏れなくイケメン要素も盛り込まれ、多彩な表情に首ったけ。弟役の中山優馬は、怖いくらいの従順さがかえって後の豹変ぶりに期待を持たせる。母親で巫女頭でもあるりょうは瞬時に仏と鬼の形相を入れ替え、粟根まことは鋭い眼光そのままに、チュッチュとラブに呆ける姿が新境地。そして、居並んだときの迫力と安心感が半端ない、橋本じゅん、橋本さとし、山内圭哉の渋メン手練れトリオだ。彼らが否応なく主人公を修羅場へと導いていく。やがて、藤原さくらの甘く切ない歌声が冥界の扉を開けるとき、生田斗真が覚醒するーー。血と義の狭間で偽義経は何を思うのか、しかと見届けたい。

公演レポート取材・文:石橋法子 / 撮影:田中亜紀


■【大阪公演】当日券販売のご案内

■会場で販売するオリジナルグッズをご紹介!

■上演時間のお知らせ

/偽義経/ヴィジュアル撮影 レポート 橋本さとし篇

『偽義経冥界歌』のヴィジュアル撮影レポートの、ラストを飾るのは橋本さとしさんです。2018年の『メタルマクベス』disc1で劇団☆新感線の舞台に、なんと21年ぶりに復活を果たしたさとしさん、今回は奥華一族の当主で、生田斗真演じる“偽義経”こと玄久郎の実父である<奥華秀衡・おうがのひでひら>を演じます。

一族の長ということもあり、貴族風の衣裳に口髭という貫禄あるいでたちに「なんだか新鮮!」と周囲のスタッフ陣。烏帽子は2種類用意してあり、まずは長めのものから装着してみると、あちこちから「長いなあ~!」との声が。すると早速「顔が?」と自ら反応するさとしさんに、「顔も!!」と間髪入れずに即答するスタッフたち。

アートディレクターの東學さんは「これも、面白いっすけどねー」とニヤリとしつつも、他のキャストとのバランスも考えて結局は短めバージョンの烏帽子を被ることに。「長いほうが僕の顔の長さをカバーできると思ったのに!」とボヤくさとしさんに、「いや、こっちのほうがホッとする長さやから!」と、東さんは苦笑い。

立ち位置でスタンバイすると、衣裳スタッフが左右のバランスを見ながら、袖の張り具合を確認。その間、メイクスタッフは口髭の流れを丁寧に整えています。カメラマンの渞( さんずいに首=みなもと )忠之さんから「ちょっと偉そうにしてみてください」と言われたさとしさんが早速グッと胸を張り、ポーズを決めると撮影開始。

「少し顎を上げて、真面目な顔で」「次はちょっとだけ優しい顔で」「今度は穏やかな表情で」など、繰り出されるさまざまな注文に応えていくさとしさん。衣裳担当の竹田団吾さんが「ちょっと神秘的な感じ、雅な感じもいいねえ」と笑顔で見守っていると、さとしさん本人は「神秘的? そうかなあ??」と複雑な表情。東さんから「どうしても悪い人に見えるな」と言われると、「俺、基本は悪顔(ワルガオ)やからねー」と笑っています。

「お、今の、いけてんちゃう?」とモニター映像を確認した東さん、納得いくカットが撮れたようで「OK!」との声が出るや否や、速攻で「ありがとうございます!」とモニター前に足を運ぶさとしさん。撮影済みの粟根さんの写真と、今のOKカットが並べて映し出されている画面を目にすると「粟根さんとのツーショットも、めっちゃうれしいですよ!」と、満足げにニッコリ。

撮影後、さとしさんにも今作『偽義経冥界歌』への想いと共に、改めて劇団☆新感線の舞台に再び出演することについてを語っていただきました。

――『メタルマクベス』disc1で復活を遂げてから、こんなに早く、またしても新感線の舞台に立たれるとは。

なんだか、肩透かししたみたいなスピードですよね(笑)。「21年ぶりに『メタルマクベス』で、さとしが劇団☆新感線に復帰!」と言われ「これは貴重だ!」と思われていた方もいらっしゃったと思いますが、今年もまた観れます(笑)。といっても、今回は僕の中ではちょっと意味合いが違うんですよ。『メタルマクベス』の時は、disc1に出ていた劇団員は(橋本)じゅんさん、粟根(まこと)さん、(山本)カナコ、いそちゃん(礒野慎吾)、吉田メタル、村木仁だけでしたが、今回は劇団員ほぼフルメンバーの中で一緒にできるので。そして中島かずきさんが書き下ろす、いのうえ歌舞伎という意味では僕としては『野獣郎見参!』(1996年)以来ですからね。そういう意味では今回は、より新感線時代の自分に帰れるような気もします。それでいて役柄は、イケイケキャラが多かった当時とはだいぶ違うキャラクターですからね。

――中島さんが、現在のさとしさんに合わせて書いたわけですね。

はい。かずきさんが、今、さとしにこういう役をさせたら面白いんじゃないかというところを狙ってあて書きしてくださったんだろうと思います。当初は、立ち回りのことを心配されていたみたいなんですけどね、もう50歳も越えていますから。でも『メタルマクベス』をかずきさんが観に来た初日に「まだまだイケるね!」とおっしゃっていたので、どうやら自分が予想した以上に立ち回りが多くなりそうです。僕は現役の頃は“肉体労働班”で、身体を動かしてナンボだったんですよ。今もその点は相変わらずということになりそうなので、また体力を作り直して参加しようと思っています。

――そして今回の39興行は、ちょっと珍しい公演形態ですね。2年にわたる長丁場になりそうですが。

ホントですよね。でも僕にはこのスケジュール、有難いんです。『メタルマクベス』は東京公演しかできなかったので。やっぱり劇団☆新感線は大阪出身の劇団でもあるし、僕自身も大阪出身だから、その大阪から始められるというのは、本当にうれしいし。そして長丁場な分、それだけ長く新感線にいられるわけですからね(笑)。

――『偽義経~』というこの物語の内容に関しては、いかがですか。

やっぱり今回も、かずきさんワールドだな!と思いましたね。それぞれのキャラクターが本当にイキイキと描かれているので、この世界観の中に自分も入れるということがとてもうれしいです。かずきさん自身も嬉々として書かれているんだろうなということが伝わってきました。リアリティのある嘘に、ケレン味とエンターテインメント性がふんだんに盛り込まれていて、時代背景もしっかり描かれている中にフィクションとノンフィクションがうまくミックスされている。かずきさんとはこの間、再演になりますけど『戯伝写楽』(2018年)という作品でも久しぶりに一緒にやらせていただいているんです。その時も数々の江戸時代の有名人たちが物語に登場し、やはり嘘と真実が絶妙に混ざり合った物語になっていて。お客様に「もしかしたら、こういうことだったのかもしれない」と思わせる説得力があるんですよね。

――今回もきっとそんな感じになりそうですよね。嘘とまことが入り組んで。

そうですね。タイトル自体から“偽”って字が入っていますし。『~写楽』の時も“戯伝”でしたけど(笑)。

――史実を知っていると、より面白いのかもしれません。

そう思います。正直、この時代のものって馴染みがそれほどないので、僕も稽古に入る前の準備として、時代背景に関することを自分なりに研究してから物語世界に入ろうかと思っています。

――そして今回の主演は、生田斗真さんです。

僕、ずっと一緒にやってみたいなと思っていたんです。しかも今回、僕は斗真くんのお父さんなんですよね。あ、そうか、いよいよ自分もそういう年代になってきたかとしみじみ思いました(笑)。僕の中で、お父さん役はもちろん、雅で、権力者だという役回りって初めてなんですよ。そこはやっぱり、かずきさんが今の自分にあてて書いてくださったキャラクターだと思うので。それにたとえ自分の持つ器の中にデータがなかったとしても、いのうえさんが引きずり出してくれるはずですからね。ここはもう絶対的な信頼関係の下で、いのうえさんをひたすら信じて役を広げていこうかなと思っています。

――また、稽古場でいのうえさんの演出が受けられることに関しては。

楽しみですね。いのうえさんの前では自分の持っているものすべてが発揮できるんです。正直、不安はあったんですよ、『メタルマクベス』の時。21年ぶりのいのうえさんの演出に、自分はちゃんとついていけるだろうか、と。そして案の定、いのうえさんの演出は今でも、20代の頃の僕へのリクエストとほとんど変わらなかった。「空中で一回止まれ!」って、まだ言わはるんや!と思いました(笑)。「マジですか!?」って内心思うんですが、そこで僕も素直に「ハイ」って返事するので。できないことでも、気合さえ入ればできるような気になってしまう(笑)。だけど、その変わらなさ加減が本当にうれしかったです。いのうえさんの中にいる、橋本さとしは昔のままのさとしで、僕の中でのいのうえさんは今もずっと絶対的な存在で。いのうえさんの言うことに関して、僕が決して首を横に振ることはないのでね。

――では今回もその関係性のままで稽古に臨む、と。

はい、そうですね。自分が劇団を抜けてから以降、いろいろなゲストが出演されるようになってから主演を張られてきた方々の中でも、最も劇団☆新感線っぽい雰囲気を持つ方と言えそうな生田斗真くんを主演に迎え、そこに橋本じゅんさんや昔からずっとやり続けている先輩、後輩たちと一緒に僕もこの中で演じられることが本当にうれしい。かつてサンシャイン劇場やシアターアプル、大阪で言えばシアタードラマシティや近鉄劇場でやっていた頃の新感線の懐かしい匂いをぜひ、お客様にも感じていただきたいです。新旧のメンバーがずらりと揃って、ここ最近で一番劇団☆新感線っぽい作品が作れたらいいなと思っています。劇場で、お待ちしています!

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

/偽義経/【大阪公演】当日券販売のご案内

【大阪公演】当日券販売のご案内です。

◎販売方法

【1】電話予約による受付

各公演日前日の正午(12:00)より、先着にて電話予約を受付いたします。
受付席種・枚数は日によって異なり、基本事前の受付席種案内は致しません。また、席番はお客様ではお選びいただけませんので、予めご了承下さい。
但し、バルコニー席に関しては、事前に案内をさせて頂き、バルコニー席の特性をご了承頂ける方のみの販売とさせて頂きます。
受付席種は、S席・A席・B席・サイドS席・バルコニーS席・バルコニーA席のいずれかとなります。
サイドS席は端寄りのお席のため、見えないシーンが出るお席です。予めご了承下さい。
バルコニー席は座席の配置上、2枚単位でのお申し込みとなります。
座席は高所となり、ステージ上の映像・舞台・出演者の一部が見えないシーンが出るお席となりますので、予めご了承下さい。
チケット料金は前売料金と同額です。
お一人様1通話につき2枚まで、予定枚数終了次第、締め切らせていただきます。
お引き取り方法は、お申し込み公演日時の開演1時間前から開演30分前まで、会場の当日券売場にて当日精算(現金精算のみ)となります。
時間内にお引き取りにならないものは、キャンセルとさせていただきます。

当日券予約 TEL 06-6485-8380(正午12:00~18:00)


【2】公演会場・窓口での販売

各公演の開演時間の25分前から当日券売場にて販売いたします。
お一人様2枚までの購入とさせていただきます。


大阪公演情報は公式サイトにて!

お問合せ
キョードーインフォメーション
0570-200-888(10:00~18:00)

/偽義経/ヴィジュアル撮影 レポート 三宅弘城篇

『偽義経冥界歌』には2020年版の東京公演、福岡公演にのみ出演する予定の三宅弘城さん。2019年版で橋本じゅんさん演じる<弁慶>の、ダブルキャストとしての登場となります。劇団☆新感線にはこれで6度目の出演となる、誰もが認める“準劇団員”の三宅さん、じゅんさんと同じく天狗の団扇の柄が入った山伏の衣裳を着けて現れるなり「可愛い! なんでも着こなしはる!!」と旧知のスタッフたちから大好評。

モニター画面でテスト撮影をチェックしていたアートディレクターの東學さんが、衣裳の竹田団吾さんに「ぼんぼりが、ちょっとだけズレてない?」と声をかけると、早速竹田さんたち衣裳スタッフ陣が山伏のトレードマークとも言えそうな丸いフワフワした“梵天”を手で上から押さえたりして、左右の高さを微調整。加えて白い襟の部分も、左右がぴったり同じ幅になるようにミリ単位で整えていきます。

その間、仁王立ちでじっと立っている三宅さんの姿に「カッコイイ! コンパクトだけどめっちゃ強そう!!」と声がかかると、ニコニコしながら「そうかなあ?」。その柔らかい笑顔が、いざ撮影がスタートした途端に一瞬でキリっと引き締まった凛々しい表情に変わります。

東さんから「もっと顎を引いて」と言われ、ぐっと力を入れて顎を引くと今度は「引き過ぎかな?」と言われてしまって、苦笑いする三宅さん。ちょうどいい位置を探って、くるくると顎を回してから角度をちょっとずつ変えていきます。「ハイ、そこ!」と言われ、ピタッと停止。「これ、ええなあ!」と、モニター前の東さんは早速、手応えを感じた様子です。

カメラマンの渞( さんずいに首=みなもと )忠之さんが「目ヂカラ、ください」とリクエストすると、さらに目を開いてレンズを睨むようにする三宅さん。モニター周辺のスタッフ陣からは「カァー!」「フォー!!」などなど、不思議な掛け声も聞こえてくると、「ホラホラ、来た!」と東さんのOKサインが出て、撮影は終了。

撮影後、三宅さんにこの日の撮影の感想や、新感線の舞台に出演することに関してなどを伺ってみました。

――ヴィジュアル写真は先に撮ったものの、三宅さんが実際に稽古に参加するのはまだ少し先の話になりますね。

本当に。その頃、生きてるかどうかもわからないですよねえ(笑)。

――この『偽義経~』へのオファーを聞いた時は、どう思われましたか。

それはやっぱり、あの公演を思い出しましたよね。

――あの公演? (降板した橋本じゅんの代役として三宅が出演した)『鋼鉄番長』(2010年)ですか?

それしかないじゃないですか(笑)。

――橋本じゅんさんと、ダブルキャストでと言われたら。

ええ。そうなると、もう直結ですよね。でも、今回はもちろん条件が違いますから。そう考えるとあの時は代役として出ただけでホメられましたけど、今回は否が応でも比較されるでしょうからね。そういう恐怖は、少しありますよ。だって、じゅんさんにはじゅんさんにしかできないキャラであり、面白さがありますから。そこに僕が同じ役で入るとどうなってしまうんだろうと、正直怖いですよ。

――三宅さんには三宅さんにしかできない弁慶が。

いや、そこの自信があまりないんですよね。

――弁慶役を演じる、ということに関してはどう思われましたか。

「えっ、俺が弁慶か!」って思いましたよ。

――じゅんさんも「そうか、弁慶か!と思った」とおっしゃっていました(笑)。じゅんさんもですが、また三宅さんも三宅さんでいわゆる弁慶のイメージとはちょっと違うような。

そうでしょう? 僕、チビじゃないですか。だいたい弁慶というと、実際にそうだったのかどうかは別としても、どうしても大きい人というイメージがあるから。どっちかというと僕は、新感線に出させていただく時は特にちょこまかした役が多いですしね。ちょこまかしているか、うつけの役が圧倒的ですから。むしろ、そうじゃない役柄を演じるのは今回が初めて。一体、どういう風になるんでしょうね。まあ、そのへんはいのうえさんの演出次第ですし、そこには全幅の信頼を寄せているのですべてお任せしようと思っています。

――どういう弁慶になるか、楽しみです。

そうですね。具体的にどう作っていくかは、稽古をやりながらだと思うんですけど。でも2020年版のための稽古はダブルキャストで入る二人、僕と(山本)カナコさんのための稽古になるんでしょうね、おそらく。

――改めて、新感線に出る時の面白さというと。

それはやはり、他の場所ではできないダイナミックさがあるところ。あと、他ではできない殺陣ですね。せっかく新感線に出るからにはたくさん動きたい、という気持ちになるんですよ。たとえばナイロン100℃では逆に、KERA(ケラリーノ・サンドロヴィッチ)さんから動くことを封印されたりしますから。

――今回は特に弁慶役ですから、たくさん動くことになりそうですね。

そうですね。あと、これは観ている側でも感じることだと思いますが、カタルシスがあるところ。

――舞台に立っている時も感じるものですか。

そりゃあ、感じますよ。あと、カーテンコールが終わったあととか、衣裳を脱いでいる時とか、かつらをはずしてる時とか、すごく気持ちがいいんです。

――やりきってスッキリする。スポーツのあとのような?

ああ、まさにそういう気分かもしれません。その両方があるから、新感線は楽しいんです。

――両方?

スポーツのようなやりきった感と、いのうえさんの演出の細かいニュアンスとか、いわゆるお芝居ならではの繊細な部分と。その両方が味わえるというのが大きな楽しみであり、これってとても贅沢なことだとも思います。

――そして今回は本格的な時代劇でもあるわけですが、三宅さんはここのところ映像作品でも時代劇づいていますね。

時代劇は、大好きです。ある意味、コスプレ的な楽しさもありますしね。

――今日の撮影は山伏スタイルでした。

はい。ああいう衣裳は、着たことがなかったです。初めてです。やっぱりあの、山伏ならではの丸いポンポンがいいですよね(笑)。テンションが上がって、なんだか強くなった気持ちになりました。これに錫杖とか、長い武器を持つわけでしょう。僕、長い武器での殺陣はやったことがないので。

――刀を使う殺陣ともまた、全然違うアクションになりそうですね。

はい。だから苦労するかもしれないですけど、ここでまた新たなことに挑めるというのはワクワクします。50歳になってから新しいことができるって、そんなにないじゃないですか。とても、幸せなことだと思いますね。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

/偽義経/ヴィジュアル撮影 レポート 橋本じゅん篇

『偽義経冥界歌』では、2019年版の大阪公演、金沢公演、松本公演にのみ出演することになっている、橋本じゅんさん。今回の物語では、史実同様に義経とは深い関わりを持つ人物である弁慶役を演じます。ヴィジュアルとしては山伏姿で、明るい橙色系の鈴懸衣と袴にはヤツデの葉っぱ、天狗の葉団扇の模様が入っています。この柄入りのところが「なんだか、カワイイ……」となかなか好評の模様。頭には金色と黒の布を巻き、ちょっとゴージャス。その頭巾の形を丁寧に整えたら、撮影スタートです。

「よろしくお願いします!」と、まずは勢いよく挨拶をしてからフロア中央にスタンバイするじゅんさん。その姿には、アートディレクターの東學さん、カメラマンの渞( さんずいに首=みなもと )忠之さんだけでなく、スタッフ一同が基本、みんな終始笑顔で見守っています。「まずは厳しい顔から、少しずつ悪い顔に」「レンズを睨んでみて」「何か、企んでいるような表情で」などの注文に、じゅんさんがひとつひとつ反応するたびにクスクスと、あちこちで笑い声がこぼれます。

「新感線の撮影でじゅんさんが、あまりしてこなかった格好かもね」と古参のスタッフが言うように、じゅんさんのこの山伏スタイル、決して濃くはしていないメイク、シリアスな表情……、いずれもが確かに新鮮なヴィジュアルです。手をグーに握った力強い立ち姿には、シャッター音に合わせてポーズを決めるごとに「カッコイイ!」との声が。いまだかつてないイメージの、一風変わった弁慶がここに誕生!

撮影途中に、決められた立ち位置から「一歩、下がって」と東さんから指示が飛ぶと、すかさず「顔の大きさの関係?」との鋭いツッコミが入ります。みんなでひとしきり笑ってから、「そうやなくて、あくまでも単に全体とのバランスの問題です!」と、東さん。キャストの顔写真を同じサイズで並べるデザインになるため、それで単に微調整が必要だった模様です。

そんな調子で笑い声が絶えないまま、順調にすべてのカットが撮影終了。早速、橋本じゅんさんにこの日の撮影のこと、この新作への想いなどを語っていただきました。

――今日の撮影の感想としては、いかがでしたか。

新感線のヴィジュアル撮影の日は長時間にわたることが多いので、いつもちょっと覚悟してくるんですけど。今日は、珍しくあっという間に撮り終わっていましたね。なんだか、まるで免許の証明写真を撮りに来たくらいの感覚ですぐに終了したので驚きました。

――今回の『偽義経冥界歌』では、弁慶役をと言われた時はどう思われましたか。

今までやったことがない役なので。そうか、弁慶か!と思いました。

――この物語の中では、いわゆる“弁慶”と言われて思い浮かべるイメージとはずいぶん違いますし、とても面白そうな立ち位置のようにも見えますね。

そうですね。しかも三宅(弘城)くんと僕がダブルキャストなんですから、光栄なことだと思います。三宅くんと二人で弁慶を分かち合いたいと思います。

――主演は生田斗真さんです。生田さんと再び共演することに関しては、いかがでしょうか。

『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(2016年、以下『VBB』)以来、になりますね。また今度も、美しい斗真くんがきっと見られるんだろうな。そう思うと非常に、楽しみです。

――美しいだけでなく、オモシロもたっぷりありそうなキャラですし。

彼の芝居の振り幅もどんどん広がってきている気がします。“かっこいい”から、“真面目”から、“面白い”から。本当に、いい役者さんだなって思います。今回も『VBB』の時とは全然違う役柄ではありますが、真ん中にいてくれるととっても安心できる人でもあるので。今回も、一緒に思いっきり暴れたいです。

――橋本さとしさんと、一緒に舞台に立たれている姿がまたもや見られるのもうれしいです。

はい。だけど、さとしくんがいると僕、ついつい楽しくなっちゃうんですよね。いや本当に。この間の『メタルマクベス』disc1の時も、あれだけ「気をつけような」って言ってたのに、袖で楽しくしゃべっていたら、さとしを一瞬出トチリさせちゃって。今回は決してそんなことがないように、気をつけなきゃいけないなと思っています。

――では、お客様へお誘いのメッセージをいただけますか。

久しぶりに普通に上手と下手があるプロセニアムの劇場でやれるということが、まず、感慨深いところです。でも反面「あれ? 普通の劇場ってどうだったっけ?」みたいな感覚になってしまってもいるので、今はワクワクとドキドキが一緒にある感じはしますね。まあ、これは普通の劇場では当たり前のことではあるんですが、演じるこちら側とお客様とがお互いに“もたれかかっている”ような状態で一緒に力を合わせて作品を作っている気がするんです。でもここ1年半近くは劇場機構の関係で、そのお互いに“もたれかかる”感覚ではなく、“正対”している状態で。こちらが一方的に出力し、お客様が回りながらそれを受け止めていく感覚だったように思えるんです。もちろん、それはそれでエンターテインメント性としては非常に高かったですし、新感線にしか、あの劇場でしか、できない表現もたくさん実現できたとは思っているんですけどね。でもやはりプロセニアムの劇場の場合はその点で、演じる側とお客様と、両者の熱がいい意味でこもりやすいというか。今回はそこに戻れる、という感覚がありますね。お客様にそういう形で久しぶりに観ていただける、というのも楽しみのひとつだと思います。

――まずは大阪公演からの開幕というのも、劇団としては。

今回、それも大きいですよね。なんだか既に懐かしいです。特に大阪公演からのスタートというのは。僕としても、とてもうれしく思っています。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀