どーも! 粟根まことです。アワブロの第二回ですよ。稽古は順調に進んでおりますが、芝居に加えて歌にダンスに立ち回りにと、例によってやることが一杯でして、なかなかに忙しい稽古場です。そんな稽古場からのレポート始めは、やはりこの二人から始めなくてはなりますまい。
古田新太くん演じる今作の主役である元軍配士・真中十兵衛(まなかじゅうべえ)と、池田成志さん演じる口先だけは達者な謎の素浪人・美山輝親(みやまてるちか)。このおじさん二人を中心に話は展開していきます。ええと、成志さんのお腹に何か刺さっていますが、今は気にしないで下さい。
物語の冒頭はこうです。古寺の賭場でもめ事を起こした輝親に巻き込まれ、子分三人と共に闘うハメになった十兵衛。
さすがは軍配士。四人の見事なフォーメーションですが、まあすぐに大乱闘になっちゃいます。
輝親もなにやら箱を持って暴れ回ります。
挙げ句の果ては仲間割れ。子分役の加藤学くんをいたぶる十兵衛。このいたぶりは、芝居を越えて半ばリアルいたぶりです。手加減してあげて下さい。
敵前で仲間割れなんか起こしていたら勝てるわけはありません。子分たちを人質に取られ、逃亡した輝親を探し出すハメになります。ここから物語が始まるのです。
まあ、実際はすぐに見つけ出して連れ帰る旅に出るのですが、ことあるごとに輝親が逃げようとするんですよ。その度にとっ捕まえてはボコボコですよ。
すぐケンカするんだけど、息は合っています。仲がいいんだか悪いんだか。トムとジェリー、仲良くケンカしな。とにかくドタバタ珍道中です。今作はある意味、珍道中を描く道中記やロードムービーでもあるんです。
今作のモチーフとしては、製作発表やインタビュー記事などで話されている通り「隠し砦の三悪人」と「走れメロス」なのです。なのですが、台本を読んだ時に私の頭に浮かんだのはロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンの傑作ロードムービー「ミッドナイト・ラン」でした。賞金稼ぎが証人を護送しながらアメリカ大陸を大横断するコミカルなロードムービーなのですが、なんか似ているんですよね。映画としてもとても面白いので是非ご覧下さい。
それはともかく、十兵衛と輝親、この50オーバーのおじさん二人が繰り広げる素敵で無敵な珍道中。登場人物はみんながみんなこの二人に振り回されるコトになります。50を過ぎてなお元気な二人の活躍をお楽しみに!