/けむり/ヴィジュアル撮影 レポート 高田聖子篇

「カッコイイ!」「強そう!」「悪そう!」「お歯黒!」「怖い!」と、高田聖子さんが準備を終えて控室から出てきた途端、なぜかみんな短い言葉で感想を叫ぶスタッフたち。今回、高田さんが演じる嵐蔵院は位の高い役だとはいえ、立場的には悪役のポジション。眉毛を潰し、白塗りに近い顔色に、口元はお歯黒のインパクトが強烈です。衣裳スタッフに聞くと、この金糸と銀糸が入った打掛は織ったあとに色を染めているそうで、すごく手が込んでいるものなのだとか。

すると「第三の目として、ホクロをつけたい!」という、アートディレクター・河野さんの急なリクエストに、ヘアメイク・宮内宏明さんがすぐさま“つけボクロ”を用意。早速、高田さんの額の真ん中に装着すると、今度は「目がみっつ!」「威力ある!」「悪いことしかしなさそう!」と、またまた盛り上がるスタッフ陣。

嵐蔵院用に準備してある小道具は、懐剣と扇。まずは8種類並べた扇の中から、河野さんがセレクトしたのは地は金色でゴージャスな花々が描かれた一本。それとは別に自分用にも手に取り、それを持ちながらポーズを指示していきます。カメラマンの相澤心也さんが、青い照明が髪や飾りに当たるように機材の位置を微妙に修正していると、ちょうど自分の真正面に姿見の鏡が用意され、ここで改めて自らのヴィジュアルをまじまじと見た高田さん。「ハハッ!」と思わず自分でも笑ってしまっています。

また、河野さんから「老獪さが滲み出るように、手をもっとカサカサした感じにしたい。爪も死んだ爪みたいにして」と言われた宮内さん、高田さんの手の甲に血管を目立たせるような老けメイクを追加。さらにマニキュアではなく、アイライナーを使って爪の付け根部分だけを黒く縁取るように塗っていきます。撮影が始まると、高田さんは重心を後ろにして身体を反ったり、左右にねじってみたりしてポーズを微妙に変えていきます。手に持った扇子もスッと前に差し出したり、逆向きに持ってみたり、半分だけ閉じて掲げたり、といろいろ工夫して動いていると「さすが聖子さん、うまいなあ」「扇もいろいろな持ち方があるね」とモニター周りで頷くスタッフたち。

相澤さんからの「すごくいい、そのままカメラを冷たい目で強く睨んでください」「俺を殺すつもりで口元はニヤッとしてみてください」「次は、にゅっと首を伸ばす感じで」などという、なんだか妙なリクエストにも「ハイハイ」と言いながら、ニヤーリと不気味な笑みを浮かべたりして応える高田さん。河野さんに「食われそうだ!」なんて言われても、「それ、毎回言われてる気がするなー」と余裕の苦笑いで返しています。

続いて「歯も見せたい」と言われると、「あー!」と口を大きく開けたり、口を開き気味でいかにも悪そうに微笑んだり。「これもいいな!」「眉ナシ、似合うよね」とモニター画面を見ながらチェックしているところに、ちょうど須賀健太さんがスタジオに現れ、この撮影風景を見て「すっげー!」と一言。それに気づいた高田さん、手を振り合う二人……なんだかちょっと不思議な光景です。「笑うとよけい怖いよ」と言われた高田さんも、自らモニター画面を見に行き「これは……妖怪や!」と爆笑。

そんなオモシロ怖い写真の数々を無事に撮り終えた高田さんにも、今回の作品についてや演じる役どころのことなどを伺ってみました。

――今回の舞台の詳しい話を聞いた時は、どう思われましたか。

まず、倉持さんが脚本を書かれるということをお聞きしたので、だったらコメディかなと思ったんですが。特にコメディ……というわけではないようですね(笑)。でもなんとなく、物語のもとになる、根っこになるようなところは落語っぽいような雰囲気を感じました。ちょっと、昔話風というか。倉持さんならではの、ほんのりとしたユーモアみたいなものもありつつ、年老いた新感線らしさもあって。いわゆる冒険活劇ではない、けれどワクワクするような、でもちょっと悲しいような、重いようなものも感じさせつつ。これまで39年間続けてきた、われわれに似合う作品を書いてくださったんだなと思いました。

――『乱鶯』にも出られていた高田さんから見た、新感線と倉持さんの相性は。

相性は、私にはよくわからないけど、でも『乱鶯』の時は劇団員のみんながとても楽しそうだったので、口にするのが楽しいセリフなのかなと思いました。時々、違う感じの言葉をしゃべるというのは、いいものですよ。あの時は古田さんだけが、セリフが多いとブツクサ言うて苦しんでいましたね。

――今回の台本を読んだ感想としては?

セリフがすごく多い印象です。だけど、会話の楽しさみたいなものはすごく感じました。でも、きっとまた古田先輩が文句を言うんじゃないかなと予想しています(笑)。

――そして今回の高田さんが演じるのは、嵐蔵院という役どころですが。

このとおり、お歯黒です(笑)。しかも、なんと同い年の河野まさとさんの母親役だというね。

――びっくりしますね。

そうなんです、あれ?って。まあ、いいんですけど。あの方、奇跡の51歳なのでね(笑)。

――では、ぜひその奇跡をフルに発揮していただくとして(笑)。嵐蔵院さまのキャラクターとしては、どんなイメージですか。

春日局のイメージなんですかね、女性政治家みたいなところもあるので。だけど女性政治家というよりも、もっと母親の部分とか女の人がちょっとムキになる時の嫌な感じを、堂々と持っているような人じゃないのかなと思いました。

――わかりやすく言うと……いわゆる、ワル役。

そうですね。新感線って、たいていワル役かそうじゃないかという、頭の悪い分け方をする劇団ですから。そういう意味では、ワル役です(笑)。だけど悪役のほうが、わけがわからない分、より愛してあげようと思いますね。みんなから嫌われる役になるだろうから(笑)、せめて私くらいは正当化してあげようと思います。

――今回、特に楽しみにしていることというと?

楽しみねえ、なんでしょうね。今回の客演陣は、なんというか親戚みたいな人ばかりですから。特に新鮮ではないんですけど(笑)、妙な安心感があります。特に“けむりチーム”とは接触しないようにしようと思います……って、嘘です、そんなこともないです(笑)。たぶん、このメンバーなら今回もまたオモシロおかしくやれるでしょうから、悪役としてはそのさだめを背負って、そのオモシロおかしいほうにはあまり引っ張られないように気をつけたいと思います。

――さっき、撮影中にすれ違った須賀さんとは『髑髏城の七人』Season月(上弦)で共演されていたわけですが、今回はまただいぶ立場が変わりますね。

お歯黒を塗った私の姿を見て、「俺の太夫が……!」って言っていましたからね。「あれは、マボロシだよ」と言っておいたから、きっと大丈夫だと思います(笑)。

――清野菜名さんとは共演経験があるそうですが。

劇団チョコレートケーキの公演(劇団チョコレートケーキwithバンダ・ラ・コンチャン『ライン(国境)の向こう』2016年)で共演していまして。あの時は母娘の間柄でした。だから今でもよく「母さん、母さん」と、呼ばれています(笑)。

――今回は大きく関係性が変わりそうですね。

仇というか、本当は近くに置いておきたかったけど思い通りにならなかった女、ということですね。

――早乙女太一さんとは。

もう長いので、すっかり安心しています。なんといっても、彼が17歳の時から知っていますから。親戚の子みたいな感覚ですね。稽古場でジュース飲んでアイス食べていた頃から知っているわけなので。それがもう、お父さんなんですからねえ。

――そして、池田成志さん。

むしろ逆に誰よりも、成志さんが一番心配です。はしゃがないでほしいと思います。でも、いかにもはしゃぎそうな役で。

――しかも、出番が多いみたいですね。

そうなんです。とにかく、ケガをしないでほしいです。みんなが、成志さんの身体を心配しています。

――そして今回は古田さんが、劇団に入って35周年だということですが。

えー、35周年ですか! おめでとうございます。先輩が35周年ということは、私は32周年だか33周年だか、じゃないかと思います。私のことも祝ってください……以上です!(笑)

――劇団39周年にちなんで、高田さんからサンキューコメントをいただけますか。

39年間、私はここにいるわけではないですけれど。39年もこうして生き残らせてくださったみなさんに、感謝しかないですね。ありえないです。借金まみれだった劇団が、まさか1万円以上するチケットを多くの方に買っていただく劇団にまでしてもらって。これも、ちょっとどうかしているみなさまのおかげですよ(笑)。だってそうでしょう、そもそもパンティーとかウンコとかばっかり言っていた劇団ですよ? 忘れているかもしれないですが。

――今回の『けむりの軍団』は、その頃とはすっかり違う方向に?

いや、パンティー魂、ウンコ魂は、消していません。むしろずっと燃えています……!(笑)本当はそういうのも久しぶりにやりたいんですけどね。今回こそ、サンキュー興行だからそうじゃないかと思っていたのに。もう私たちでは厳しいと思われたのかな、みんな懲りちゃったのかなあ?

――では最後に、お客様に向けてお誘いのメッセージをお願いします。

今回はネタモノではないですけれど、台本を読む限り本当にとても面白いです。その面白さに負けないようにがんばりますので、みなさま、楽しみにお待ちください。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

/けむり/アワブロ02「古田新太くんと池田成志さん」

どーも! 粟根まことです。アワブロの第二回ですよ。稽古は順調に進んでおりますが、芝居に加えて歌にダンスに立ち回りにと、例によってやることが一杯でして、なかなかに忙しい稽古場です。そんな稽古場からのレポート始めは、やはりこの二人から始めなくてはなりますまい。

古田新太くん演じる今作の主役である元軍配士・真中十兵衛(まなかじゅうべえ)と、池田成志さん演じる口先だけは達者な謎の素浪人・美山輝親(みやまてるちか)。このおじさん二人を中心に話は展開していきます。ええと、成志さんのお腹に何か刺さっていますが、今は気にしないで下さい。

物語の冒頭はこうです。古寺の賭場でもめ事を起こした輝親に巻き込まれ、子分三人と共に闘うハメになった十兵衛。

さすがは軍配士。四人の見事なフォーメーションですが、まあすぐに大乱闘になっちゃいます。

輝親もなにやら箱を持って暴れ回ります。

挙げ句の果ては仲間割れ。子分役の加藤学くんをいたぶる十兵衛。このいたぶりは、芝居を越えて半ばリアルいたぶりです。手加減してあげて下さい。

敵前で仲間割れなんか起こしていたら勝てるわけはありません。子分たちを人質に取られ、逃亡した輝親を探し出すハメになります。ここから物語が始まるのです。

まあ、実際はすぐに見つけ出して連れ帰る旅に出るのですが、ことあるごとに輝親が逃げようとするんですよ。その度にとっ捕まえてはボコボコですよ。

すぐケンカするんだけど、息は合っています。仲がいいんだか悪いんだか。トムとジェリー、仲良くケンカしな。とにかくドタバタ珍道中です。今作はある意味、珍道中を描く道中記やロードムービーでもあるんです。

今作のモチーフとしては、製作発表やインタビュー記事などで話されている通り「隠し砦の三悪人」と「走れメロス」なのです。なのですが、台本を読んだ時に私の頭に浮かんだのはロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンの傑作ロードムービー「ミッドナイト・ラン」でした。賞金稼ぎが証人を護送しながらアメリカ大陸を大横断するコミカルなロードムービーなのですが、なんか似ているんですよね。映画としてもとても面白いので是非ご覧下さい。

それはともかく、十兵衛と輝親、この50オーバーのおじさん二人が繰り広げる素敵で無敵な珍道中。登場人物はみんながみんなこの二人に振り回されるコトになります。50を過ぎてなお元気な二人の活躍をお楽しみに!

/けむり/ヴィジュアル撮影 レポート 須賀健太篇

「髪型のせいなのか、なんだか美少女剣士に見えちゃうね」と、その可愛さ、凛々しさが大好評だった須賀健太さんの侍姿。2017~2018年の『髑髏城の七人』Season月に続き、劇団☆新感線にはこれが二度目の出演となります。『髑髏城~』で演じていた兵庫役の時は同じ時代劇とはいえ、かなりワイルドな印象でしたが、それに比べると今回は正統派。破れ菱の模様が入った麻の直垂(ひたたれ)は辛子色で、意外に大人っぽさも感じさせます。小手と、額に巻いた“陣鉢(じんぱち)”で戦闘態勢を表現しているものの、良く見れば腰には御守りが何個も下がっていて、そんなところからも須賀さん演じる雨森源七というキャラクターがなんとなく予想されます。

アートディレクターの河野真一さんのリクエストを受け、カメラマンの相澤心也さんがライティングの色味のバランスを微調整し、ヘアメイクの宮内宏明さんが髪をしばる位置をより高く修正すると、いよいよ撮影開始です。河野さんは自ら、刀を構えて須賀さんにポーズを指示。「源七は弱っちい侍なんだけど、必死でお姫様を守ってる」「汗をダラーってかきながら、マジーマジー?って言いながらもなんとか踏ん張ってる、という感じで」と言われ、須賀さんは「はい! わかりました!!」とキリリと元気よく反応。

その真剣な表情を見て、シャッターを切っていた相澤さんは「今の、ゴクっと生唾のみ込む感じがいいっすね」。すると河野さんからは「次は、もっとヤケクソ感があってもいいな。わーっと叫んでいるような」と言われ、須賀さんは困り顔で「ウワーッ」と叫んだり、悔しそうに歯を食いしばったり。ちなみにこの撮影でも“風”係を兼任している宮内さん、須賀さんのくくった髪の束をタイミング良く下から吹き上げるため、床に横になって最も低い位置からブロワーで絶妙な風を起こしています。背後で実はそんな妙な姿勢になっていた宮内さんにふと気づき、ついつい笑ってしまう須賀さん。

照明にうまく反射するようにと、構えた刀身の位置や傾き加減をミリ単位で調整しながらの撮影はいつもならピリッとした緊張感を伴うものですが、二度目の参加ということと須賀さんの明るさ、懐っこさもあって、スタジオ内の空気はすっかりリラックスモード。何カットか撮るたびに、スタッフみんなでモニターを賑やかにチェックしては「おお~、かっこいいじゃん、かっこいいじゃん!」と、テンションは上がる一方。

動きのあるショットの撮影ではジリジリと寄って来るカメラに追い詰められ、相澤さんからワッ!と脅かすように叫ばれると、ヒャッと本気で驚く須賀さんの顔がモニターに。その表情のリアリティには、見守るスタッフたちの間に思わずクスクス笑いが広がります。「刀を合わせた相手は(早乙女)太一くんだと想像して」と河野さんが設定を提案すると、「絶対勝てない……」と呟く須賀さんに「その、めっちゃ怯えてる感がいい!」と相澤さんはニコニコしながらさらにシャッターを切っていきます。他にも両手両足を広げてダイナミックにジャンプしたり、キックしたりと身体能力をめいっぱい駆使した撮影となりました。撮影の合間を縫って時間をいただき、須賀さんに二度目の新感線参加のこと、作品への意気込みなどを語っていただきました。

――劇団☆新感線には二度目の出演ですね。このお話が来た時はどう思われましたか。

めちゃめちゃうれしくて、ありがとうございます!って感じでした。前回『髑髏城の七人』Season月に出させていただきましたが、作品も、兵庫というキャラクターも大好きだったので本当に幸せでした。だけどあれは、Seasonが複数あって出演者が多かったからこそ、キャスティングが僕までたどり着いたってところもあったんじゃないかな、なんてちょっと思ったりもしていて。そういう意味では、今回は僕の代わりはいないというか、シリーズの中の1本でもないですしね。新作で自分の役があるというこの状態で、再び新感線に出させていただけるなんて、ちょっと夢みたいです。その上、共演させていただきたかった方々ばかりですしね。劇団員の方たちも多いし、そしてやっぱり、“太夫”もいますし。僕にとって聖子さんは、まだ“太夫”なんですよ(笑)。

――でも、そうやって“俺の太夫”だったはずなのに、今回のヴィジュアル写真では。

いや~さっき聖子さんの写真を見せてもらったら、もうビックリしました。歯、黒いな!って(笑)。ま、もちろんストーリーも、関係性も全然違いますから、また新しく楽しんでやれたらなと思います。

――古田さんとは、これが初共演なんですね。

初、ですね。『髑髏城~』の時に稽古場に来てくださってご挨拶させていただき、一緒にごはんに行ったんですけど。その時もいろいろといいお話を聞かせていただいたので、今回ご一緒できるのがすごくうれしくて。キャラクター的にも、近くにいる時間が長そうですし、それは成志さんもそうなんですけど、先輩たちから学べることがたくさんありそうなのでそのことも楽しみです。ただ、個人的には千本ノックの気配しかしないんですけど……(笑)。

――前回は、いのうえさんからの千本ノックをたくさん受けたんですか。

そうですね、キャラクター的にも動きが多くて、セリフのテンポ感みたいなところをひたすら言われていました。今回はちょっと笑いの要素もあるので、そういうテンポ感や間について、たぶん厳しく言われそうですし、ぜひ言っていただきたいなという思いもすごくあります。

――池田成志さんとも初顔合わせなんだとか。

はい、でも『月髑髏』を観に来てくださいましたし、古田さんも成志さんも僕が出ていた『ハイキュー!』という舞台を観に来てくださって。お二人とも実はユニフォームを着て稽古場で写真撮られていたくらいに『ハイキュー!』がお好きなんだそうです、なんだか面白いですよね(笑)。初めて共演してみたらこんなもんかと思われないように、がんばるつもりです。僕は『髑髏城~』のSeason鳥を客席で観た時に腹抱えて笑いましたし、今回の台本にはものすごく楽しみな場面がたくさんあったので。近くで見られるだけ見てやろうという気持ちは強いです。

――清野菜名さんとは映像で共演済み。

ドラマや映画などでは何度もご一緒していて、結構前から知っているので。そういう意味ではすごくコミュニケーションは取りやすそうですね。しかも今回すごく密な関係の役でもありますので、その二人の関係性をしっかり伝えていければいいなと思います。

――清野さん演じるお姫様を守らなければいけない役です。

いや、でもご本人はものすごくアクションもできるし動けるし、強いからなあ(笑)。守りきれなくてもいいのかも、そんな頼りなさでやっていこうかと思っています。

――その頼りないかもしれない源七さんを現時点では、どう演じたいと思われていますか。

なるべく人間臭く、泥臭くやりたいなというのもありますし。ヌケてるところもあるので、そういうところは嫌味に見えないようにやりたいですね。息抜きできる存在というか、戦いの中でもコイツが出てくるとちょっとホッとできる、みたいな印象を持ってくれたらうれしいです。これまではどちらかというと元気な人物を演じることが多かったんですが、そことはまたベクトルがちょっと違うので。別に元気じゃないわけではないんですけど、空回っているというかね(笑)。それって、僕の中でも新しい引き出しになりそうなので、存分に空回りたいなと思いますね。

――ここで改めて、新感線の好きなところや面白いところとは。

壮大で、カッコいいいところです。純粋にカッコよくするって、めちゃめちゃエネルギーがいることなんだなあって僕は思っていて。客席で観ていると、毛細血管がうわー!ってなるんです(笑)。僕は小さい頃からチャンバラもヒーローものも大好きなので、新感線の活劇度合いってもうたまらないんですよ。キャラクターもすごく魅力的で、いろいろな人がいて面白い。そういえば今回、僕が演じる源七っていうのも新感線の舞台には欠かせないポジションの役だと思うんですよね。かつ、すごく責任のある立場でもあるのでそこを任せていただけるというのも光栄です。そう、観ている時はただただ楽しいんですよ、新感線は。でも、やるとなるとめっちゃ大変なんです(笑)。

――『月髑髏』で一緒だった早乙女太一さんとは、ふだんから仲が良いそうですね。

前回で本当に仲良くなって、今でも週1で会うくらいです。だからもう、結構いろいろバレてるんですよ。僕が稽古中にすぐチラッといのうえさんのことを見るって話をさんざん言われていますし、あと「すぐおまえはお客さんに媚を売る」って言うんですが、違う、違う、媚は売ってないから!って。ま、どうせ今回もいじめられるんでしょう(笑)。

――今回は“39興行”ということなので、須賀さんにとっての“サンキュー”を教えてください。

家族にはやっぱり感謝してもしきれないものがあります。生んでくれてありがとう! そしてみなさんにもサンキューです。僕自身も、一応今年で芸能活動20周年なんですよ。今までいろいろな作品をやらせていただけて、それらに関わってくださった方みなさんに感謝です。

――そして古田さんも劇団に入って35周年とのことなので、お祝いコメントをいただけますか。

35周年、おめでとうございます。そんな節目にご一緒させていただけるなんて、本当になによりうれしく存じます。まだまだ僕、古田さんの前では緊張気味なので。もっともっと仲良くさせていただければと思います。

――最後に、お客様へもメッセージをいただけますか。

今回は初挑戦の部分がたくさんある役柄なんですが、この挑戦がうまくできればきっとみなさまに愛していただけるキャラクターになると思います。台本を読むと、これをどう舞台化するんだろうという不思議なシーンだらけなので、そういう意味では僕自身もまだまだ楽しみにしているところが多い作品でもあります。みなさん、ぜひとも劇場に足を運んでください、よろしくお願いします!

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

/けむり/【東京公演】追加席販売決定!6/15(土)10:00から

この度、『けむりの軍団』ステージプラン決定につき、追加席の販売が決定しました!
現在、完売している日程も販売しますので、是非この機会にご利用ください!
★8/15(木)昼夜公演ともに客席内に収録用カメラが入る予定です。予めご了承ください。

【公演日】7/15(月祝)~8/24(土) ※全46ステージ
【会 場】TBS赤坂ACTシアター
【入場料】S席¥13,800 A席¥10,500(全席指定・税込)

【追加席発売日】6/15(土)AM10:00~

【発売窓口】
●サンライズオンライン
http://sunrisetokyo.com
●チケットぴあ
http://w.pia.jp/t/kemurinogundan/
0570-02-9999(Pコード:492-954)
●イ-プラス
https://eplus.jp/kemurinogundan/
●ローソンチケット
https://l-tike.com/kemurinogundan/
0570-084-003(Lコード:39390)
●ACTオンラインチケット
https://www.tbs-act.com/
●セブン-イレブン、チケットぴあ店舗、ファミリーマート店内(Famiポート)、ローソン、ミニストップ店内Loppiでも販売致します。

39(サンキュー)興行にちなんで『けむりの軍団』の特製壁紙画像をみなさまにプレゼントいたします。
ご自身で楽しむもよし、お友達にプレゼントするもよし、是非お手持ちのスマホやPCで『けむりの軍団』の世界をお楽しみください!





/けむり/【大阪公演】公式サイト特別先行のお知らせ6/15(土)正午から

『けむりの軍団』大阪公演の公式サイト特別先行が決定しました!
7月28日(日)の一般発売に先駆けての特別先行受付です。ぜひご利用ください。

<公式サイト特別先行予約・受付詳細>

受付日時:6月15日(土)12:00 ~ 6月23日(日)23:00

受付URL:お 申 し 込 み は コ チ ラ →

受付券種:S席のみ¥13,800(全席指定・税込)

枚数制限:お一人様4枚まで

先着順ではなく、抽選となります。

大阪公演情報は公式サイトにて!

◎お問い合わせ
キョードーインフォメーション
TEL 0570-200-888(10:00~18:00)

/けむり/アワブロ01「さあさあ! 稽古が始まりましたよ!」

さあさあ! 2019年劇団☆新感線39興行・夏秋公演「けむりの軍団」の稽古が始まりましたよ! 一昨年・昨年と豊洲のIHIステージアラウンド東京でしか公演を打っていなかった我々劇団☆新感線が、春公演「偽義経冥界歌」で大阪・金沢・松本と周り、そして夏秋公演「けむりの軍団」では東京・福岡・大阪に参りますよ!

そして! トリドクロ以来、二年振りにアワブロも帰って参りました! いやあ、なんかねえ、色々あって休んでいたのですが、古田くんを始めとする劇団員がほぼ揃う劇団本公演だってんで復活しちゃいました。ちなみに、アワブロってのは「劇団員・粟根による稽古場レポートのブログ」の略ですよ。

チラシだってポスターだって、主要キャストだけじゃなくて出演する劇団員達みんなで飾っていますよ。いかにも劇団公演ってカンジでなんだかとっても良いチラシです。まあ公演の一ヶ月半前に出来上がってきたので、まだご覧になったことがない方もいらっしゃいましょうが、私達だって同じです。顔合わせの日に初めて見ましたから。

そんなワケで、雨森源七役の須賀健太さんも思わず写真を撮っちゃうくらいです。

ツキドクロ以来二度目の出演となる健太くんは、元気一杯だけど頼りない侍・雨森源七を演じて頂きます。かつて上演されたPARCO THE GLOBE TOKYO PRESENT「鉈切り丸」を含めると、いのうえ演出作品は三回目ですから慣れたもんです。千本ノックに慣れたもんです。慣れたカンジでビシビシ千本ノックを受けていますよ。

稽古の初日には「顔合わせ」から「本読み」へと繋がるのが慣例です。顔合わせというのは公演に関係する全キャストと全スタッフが一堂に会する儀式です。このメンバーで頑張っていきましょうという会合ですね。それに続いて、台本を一通り声に出して読むのが本読みです。こうして長期間に渡る稽古が始まるワケですよ。

今回はそんな本読みの風景からレポートをしてみましょう。

まずは本読みの合間に談笑する古田くんと健太くん。

共演するのは初めてとなる二人ですが、髑髏城の稽古や本番を見合ったり食事に行ったりして既に知り合いなんです。特に古田くんは漫画とアニメの「ハイキュー!!」のファンなので、健太くんの出演していた舞台版も見に行ったりしていたのですよ。

古田くん演じる真中十兵衛と、健太くん演じる源七は終始行動を共にするのですが、既に仲良くやっていけそうな雰囲気が漂っていますね。

続いて、今作のヒロインである紗々姫を演じて頂く清野菜名さんと、今回のベテラン枠である美山輝親を演じて頂く池田成志さん。菜名さんはハナドクロ以来の二度目、成志さんに至っては15回目くらいの客演となります。アクションが得意な菜名さんにはもちろんおてんば姫を、嘘と屁理屈が得意な成志さんにはもちろん訳ありげな浪人を演じて頂きますよ。

私の隣は健太くんで、そのお隣が早乙女太一さん。

みんなの読みっぷりに思わず笑ってしまっている健太くんの向こうにいる早乙女太一さんは今回で新感線六回目ですが、古田くんと舞台で共演するのは初めて。もちろん一騎打ちもありますよ。演じて頂く目良家侍大将の飛沢莉左衛門はやたら腕は立つがやたら口べたというピーキーな役柄。今回は強い上に面白いですよ。

そして私の真向かいの席にはこのお二人が。大阪芸大時代から劇団に入っても先輩後輩の高田聖子さんと右近健一くん。相変わらずの仲の良さです。聖子さんが演じる嵐蔵院は目良家の実権を握る女傑ですが、右近さんの役どころはまだヒミツね。

ついでに劇団員のショットも一枚だけ。河野まさと・村木よし子・礒野慎吾の三名です。

なにやら密談げな顔で、でもきっとどうでもいい話をしているであろう河野くんとよし子さんですが、心配なのが右端の礒野くん。どうした、そんな目をして。何があった? 悩みでもあるのか? 心ここにあらずか? いや、まあ偶々だと思うのですが、ちょっと心配です。

そんなこんなで始まりました「けむりの軍団」の稽古です。7/15の東京公演初日から、福岡公演を挟んで大阪公演が終わるのが10/21。夏から秋へ、先の長い旅が始まりました。みんな元気で無事に終わるために、景気づけとして本読みに於ける成志さんの七変化をお楽しみ下さい。

元来、本読みは本を読むだけですから普通に読めばいいのです。みんな大人しく読んでいます。でも、私のはす向かいにいた成志さんを見ていると面白い。どうしても顔も体も動いちゃうんですね。そんな様子を納めてGIFアニメにしてみました。

まあ落ち着きのない! なんでしょうこのせわしなさは。しかし、これでこそ池田成志! この暑苦しさが成志さんなんです。暑い夏に暑苦しい成志さんを浴びる。いかがでしょう。どうぞご期待下さい!