7月28日(日)の一般発売に先駆けての特別先行受付です。ぜひご利用ください。
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●受付日時:6月15日(土)12:00 ~ 6月23日(日)23:00
●
●受付券種:S席のみ¥13,800(全席指定・税込)
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SHINKANSEN'S HOTNEWS
さあさあ! 2019年劇団☆新感線39興行・夏秋公演「けむりの軍団」の稽古が始まりましたよ! 一昨年・昨年と豊洲のIHIステージアラウンド東京でしか公演を打っていなかった我々劇団☆新感線が、春公演「偽義経冥界歌」で大阪・金沢・松本と周り、そして夏秋公演「けむりの軍団」では東京・福岡・大阪に参りますよ!
そして! トリドクロ以来、二年振りにアワブロも帰って参りました! いやあ、なんかねえ、色々あって休んでいたのですが、古田くんを始めとする劇団員がほぼ揃う劇団本公演だってんで復活しちゃいました。ちなみに、アワブロってのは「劇団員・粟根による稽古場レポートのブログ」の略ですよ。
チラシだってポスターだって、主要キャストだけじゃなくて出演する劇団員達みんなで飾っていますよ。いかにも劇団公演ってカンジでなんだかとっても良いチラシです。まあ公演の一ヶ月半前に出来上がってきたので、まだご覧になったことがない方もいらっしゃいましょうが、私達だって同じです。顔合わせの日に初めて見ましたから。
そんなワケで、雨森源七役の須賀健太さんも思わず写真を撮っちゃうくらいです。
ツキドクロ以来二度目の出演となる健太くんは、元気一杯だけど頼りない侍・雨森源七を演じて頂きます。かつて上演されたPARCO THE GLOBE TOKYO PRESENT「鉈切り丸」を含めると、いのうえ演出作品は三回目ですから慣れたもんです。千本ノックに慣れたもんです。慣れたカンジでビシビシ千本ノックを受けていますよ。
稽古の初日には「顔合わせ」から「本読み」へと繋がるのが慣例です。顔合わせというのは公演に関係する全キャストと全スタッフが一堂に会する儀式です。このメンバーで頑張っていきましょうという会合ですね。それに続いて、台本を一通り声に出して読むのが本読みです。こうして長期間に渡る稽古が始まるワケですよ。
今回はそんな本読みの風景からレポートをしてみましょう。
まずは本読みの合間に談笑する古田くんと健太くん。
共演するのは初めてとなる二人ですが、髑髏城の稽古や本番を見合ったり食事に行ったりして既に知り合いなんです。特に古田くんは漫画とアニメの「ハイキュー!!」のファンなので、健太くんの出演していた舞台版も見に行ったりしていたのですよ。
古田くん演じる真中十兵衛と、健太くん演じる源七は終始行動を共にするのですが、既に仲良くやっていけそうな雰囲気が漂っていますね。
続いて、今作のヒロインである紗々姫を演じて頂く清野菜名さんと、今回のベテラン枠である美山輝親を演じて頂く池田成志さん。菜名さんはハナドクロ以来の二度目、成志さんに至っては15回目くらいの客演となります。アクションが得意な菜名さんにはもちろんおてんば姫を、嘘と屁理屈が得意な成志さんにはもちろん訳ありげな浪人を演じて頂きますよ。
私の隣は健太くんで、そのお隣が早乙女太一さん。
みんなの読みっぷりに思わず笑ってしまっている健太くんの向こうにいる早乙女太一さんは今回で新感線六回目ですが、古田くんと舞台で共演するのは初めて。もちろん一騎打ちもありますよ。演じて頂く目良家侍大将の飛沢莉左衛門はやたら腕は立つがやたら口べたというピーキーな役柄。今回は強い上に面白いですよ。
そして私の真向かいの席にはこのお二人が。大阪芸大時代から劇団に入っても先輩後輩の高田聖子さんと右近健一くん。相変わらずの仲の良さです。聖子さんが演じる嵐蔵院は目良家の実権を握る女傑ですが、右近さんの役どころはまだヒミツね。
ついでに劇団員のショットも一枚だけ。河野まさと・村木よし子・礒野慎吾の三名です。
なにやら密談げな顔で、でもきっとどうでもいい話をしているであろう河野くんとよし子さんですが、心配なのが右端の礒野くん。どうした、そんな目をして。何があった? 悩みでもあるのか? 心ここにあらずか? いや、まあ偶々だと思うのですが、ちょっと心配です。
そんなこんなで始まりました「けむりの軍団」の稽古です。7/15の東京公演初日から、福岡公演を挟んで大阪公演が終わるのが10/21。夏から秋へ、先の長い旅が始まりました。みんな元気で無事に終わるために、景気づけとして本読みに於ける成志さんの七変化をお楽しみ下さい。
元来、本読みは本を読むだけですから普通に読めばいいのです。みんな大人しく読んでいます。でも、私のはす向かいにいた成志さんを見ていると面白い。どうしても顔も体も動いちゃうんですね。そんな様子を納めてGIFアニメにしてみました。
まあ落ち着きのない! なんでしょうこのせわしなさは。しかし、これでこそ池田成志! この暑苦しさが成志さんなんです。暑い夏に暑苦しい成志さんを浴びる。いかがでしょう。どうぞご期待下さい!
2017年の『髑髏城の七人』Season花以来、劇団☆新感線にはこれが二度目の出演となる清野菜名さん。『髑髏城~』では沙霧役で激しいアクションを軽々とこなしていた清野さんでしたが、今回の『けむりの軍団』では紗々姫というお姫様の役を演じます。花の髪飾りをつけた姫カットのヘアスタイルに、朱色の織り入りの打掛姿がゴージャス。これに旅装束風に、“市女笠(いちめがさ)”と呼ばれる笠や杖などが小道具として用意されています。清野さんが準備を整えて姿を現すと、すぐさま「かわいい~!」と歓声を上げるスタッフたち。加えてちょうどスタジオに来ていた、いのうえひでのりさんも一緒になって「おっ、かわいいな」などと言いながら、ニコニコ見守っています。
アートディレクターの河野真一さんから「このお姫様の場合、おてんば感もほしいんだよね」との追加注文を受けたヘアメイクの宮内宏明さん。その場でチークを少し重ねて、より健康的な雰囲気をプラス。さらに、サイドの姫カットのラインの角度が「ちょっと重く見える気がしない?」と言われた宮内さん、「じゃ、ちょっと切ってみようか」とハサミを取り出し、ミリ単位でカット。「うん、このくらいスクエアに、ぱつん!としているほうがいいと思う」と、頷く河野さん。
清野さんには「早く、早く!って感じで扇子を振ってみて」「ちょっとウインクしてみようか」「須賀(健太)くんが演じる源七に、行くわよ~!って言ってる感じで」などなど、河野さんから具体的なリクエストが与えられ、パアッと明るい笑顔を振りまいたり、「源七っ、行くわよ!」と元気よく叫んだり。また、この明朗快活なお姫様の笑顔から、一転してキリッとした凛々しい顔になったり、くるくると表情が変わるところもかわいく、「イエ~イ!」と扇子を振っていると、それに合わせるようにカメラマンの相澤心也さんも「イエ~イ! いい感じ!!」とノリノリでシャッターを切っています。
セットチェンジなどのちょっとした空き時間には、扇子を開いたり閉じたり、振ったりしてみている清野さん。そこに河野さんから「よし! 次は裾をたくしあげてみようか」との声がかかり、衣裳スタッフの指導で清野さんが自ら着物の裾を持って今にも走り出しそうな前傾姿勢に。よくよく見ると、清野さんの履いている草履の鼻緒もきちんと着物に合わせた色合いと柄になっていて、細かいところにもすべて行き届いているスタッフの心遣いを感じます。
さらに、おすまし気味、ちょっと優しげに微笑んだり、憂いのある表情をしたりと、一度おとなしめのショットを押さえてから、再び今度は豪華な打掛は脱ぎ、白のたすき掛け姿になって飛び跳ねたりと、動きのあるポーズの撮影に移行。河野さんから「須賀くんに、行けーっ!て命令する感じで」と言われた清野さん、カメラのレンズに向かって指差しながら「源七、行けーっ!!」。その勢いには、相澤さんが「行った、行った、飛んでったね」、河野さんも「須賀くんならどこまででも行きそうだな」と返して、スタジオ内は一同爆笑。
清野さんには撮影の合間に時間をいただき、再び参加する新感線の舞台への想い、意気込みなどを聞いてみました。
――劇団☆新感線には『髑髏城の七人』Season花に続いての出演ですね。今回の『けむりの軍団』へのオファーの話を聞いた時は、どう思われましたか。
とてもうれしかったです。新感線の舞台に、もう一度呼んでいただけるなんて。前回、一生懸命がんばってよかったな、と思いました。
――やはり、初参加の時は大変でしたか。
大変でした(笑)。とにかく、動く量がものすごく多かったので。もう、がむしゃらにやりましたね。でも、常に全力で走る気持ちで毎日いたんですけど、最後までしっかりやり遂げるためにはその気持ちも大事にしつつ、もうちょっとうまくセーブできるところも自分で見つけて、それが上手にできるようになれたらいいなという風にも思うようになりました。
――一番大変だったのは、やはり体力的なことですか?
自分はまだまだがんばれる気持ちがあるんですけど、身体がだんだんついてこなくなってしまうんです。寝ても寝ても毎日筋肉が重たく感じて、それがなかなか復活しなくて。でもやり切った!という達成感はものすごくありました。カーテンコールのたびに毎回、自分はこのためにがんばったんだという想いを噛みしめていましたね。今日も最後までがんばれてよかった、無事に終われてよかった、って毎日毎日思っていました。
――初めて新感線の舞台に立ったことへの感想はいかがでしたか。
不思議な気持ちでしたね。私、過去に新感線のオーディションを受けたことがあったんですよ。その時は受からなかったんですけどね。それなのにあんな360度の大きい舞台に自分が立てているということが信じられなかったし、そこで新感線のみなさんと一緒に挑んでいるんだということも、なんだか夢みたいでした。
――あれから2年が経ち、前回の沙霧役とも全然違う、お姫様の役を演じることについてはいかがですか。
台本の第1稿を読ませていただいた段階では、実は前回に比べるとちょっと物足りない気がしてしまって(笑)。沙霧は本当にずっと動いていたので、今回の紗々姫ももうちょっと動きたいという希望を、いのうえさんにお伝えしてみたところです。だって、せっかく新感線に出られるのにと思ってしまうじゃないですか。なかなか身体全部を使える挑戦ができるところって他にないですから。
――舞台でアクションできることは、やっぱり楽しい。
楽しいです。ぜひ、またあの感覚を体験したいんですけどね。しかも今回は、早乙女(太一)さんも出演されるじゃないですか。『髑髏城の七人』に出られていたのを、私も観させていただいたんですけど、ものすごく動きが速いし、刀さばきが華麗で美しくて。そういうすごい方の技術を今回はナマで自分の目の前で見られるんですから。稽古が今から楽しみです。
――須賀健太さんとは舞台共演は初めてとはいえ、映像作品では何度も共演されているとか。
そうなんです。同い年で、10代の頃から結構な頻度でご一緒させていただけているので、こういう違った場所でまた一緒に立てるのは、とてもうれしいですね。
――そして今回、主役は古田新太さんです。『髑髏城~』に続いて、また共演することに関しては。
古田さんは、お酒好きじゃないですか。また今回もいろいろなお店に連れていっていただけるのかと思うと、ワクワクします(笑)。『髑髏城~』の時は、東京公演しかなかったのでいつも同じ店だったんですけど、『けむりの軍団』は地方公演もありますからね。今度一緒にできる時に地方公演があったら、美味しい店をいろいろ知ってるから行こうねって言ってくれていたんですよ。あの時の話がこんなに早く実現するとは。ホント、今からワクワクですよ! 古田さんってなんだかもう、頼りがいのあるお父ちゃん、みたいな感じなんです(笑)。
――池田成志さんと初共演することに関しては、いかがですか。
『髑髏城の七人』Season鳥でも観させていただきましたけど、本当にパワフルで面白くて。あの、いい空気を私が一緒にいることで変に壊しちゃったらどうしようっていう心配もありますが、なんとかしてあの成志さんの世界を崩さないようにしたいですね。私、コメディーとか、今まであまり経験がないので、そういうパートが来ちゃったら怖いなと思っていて。
――沙霧には、そういうシーンはなかったですし。
そうなんですよ。みなさんは普通にやってのける方ばかりですけど、でもそれって簡単なことじゃないですから。本当にすごいなって、毎回新感線を観るたびに思っています。間とか、言い方とか教えていただいて、なんとかついていけるようにがんばりたいです。
――そして、義理のお母さん役が高田聖子さんです。
さっき、今回用の写真を見させていただいたら、ものすごく怖かったんですけど(笑)。聖子さんとは、以前舞台でご一緒させていただいていて(劇団チョコレートケーキwithバンダ・ラ・コンチャン『ライン(国境)の向こう』2016年)。あの時は、優しいお母さん役だったんですけどね。今回は、一体どうなるんだろう(笑)。
――粟根まことさんとは初共演ですね。
そう、初めてなんです。他の方には真似できない、素敵な個性を持っていらっしゃる方だし、私、粟根さんが出てくるといつも「新感線の舞台が始まった!」って気持ちになるんです。今回、ようやくご一緒できるので、とてもうれしいです。それにしても新感線の劇団員のみなさんは、本当に面白いですし、稽古場でも「ああ、凄いなー!」って毎回思うんですよ。若い人たちに負けない、あのパワフルさ。みなさんの姿を見ていると「私もこんなところでくじけていてはダメだ、疲れたなんて言っていられない!」って元気づけられます。
――今回は“サンキュー興行”なので、それに絡めて、清野さんにとっての“サンキュー”を教えてください。今、サンキューを言いたい人とか。
マネージャーさんですかね。1からみんなでがんばってきたので。信じてもらえなかったら、ここまでやって来られなかったと思うし、こうして新感線に出られたことも含め、事務所の方に「サンキュー」です(笑)。
――そして、今年は古田さんが芸能生活35周年にもあたるそうなので、お祝いコメントをいただけますか。
前回『髑髏城~』を一緒にやらせていただいた時、立ち回りを褒めていただいて、次に機会があったら一緒にやりたいと言ってくださったことを今でもすごく覚えています。今回は戦う場面がなさそうですけど、どこかでまた一緒に立ち回りができたら、自分の夢がまたひとつ叶うなと思っていますので、今後もずーっと舞台を続けてください!
――続いて、お客様へもお誘いのメッセージをいただけますか。
今回、再び新感線に出演させていただくことになりました。とってもとっても、ワクワクしております(笑)。また立ち回りもありますので、さらにパワーアップした私を見せられるようにがんばります。ぜひみなさん、劇場に足を運んでください。『けむりの軍団』、よろしくお願いします!
TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀
本日、『けむりの軍団』のキャンペーンで大阪に来ています。
朝からラジオやテレビの生出演や収録をし、さきほど合同取材会 (登壇:古田新太、清野菜名、須賀健太)も行い、今回の舞台の見どころや意気込みなど語りました!
このあとまだまだ3名で生放送に出演します! 是非お聴きください。
17:20~ FMCOCOLO 「THE MAGNIFICENT FRIDAY 」
19:20~ FM802 「AWESOME FRIDAYS」
劇団☆新感線には、この『けむりの軍団』でなんと6回目の出演となる、もはや誰もが認める“準劇団員”の早乙女太一さん。今回の飛沢莉左衛門役は剣の腕は確かながらも“口下手”という、ひとひねりある役柄。このキャラクター設定を早乙女さんがどう演じるか、早くも興味津々です。ヴィジュアル撮影用に用意された衣裳は、竹菱の柄が入った麻袴に袖なしの羽織。これが様々な彩度の青色で統一されていて、凛々しさも倍増! 黒髪のロングヘアを後ろで紐でくくるスタイルも、お似合いです。
撮影開始と同時に、早速ブロワーを使って後ろから髪を吹き上げたいということになり、早乙女さんの背後にはヘアメイク担当の宮内さんがスタンバイ。緑と青のフィルムを装着したライティングも、ちょっと風変わりな面白い効果を生み出しそうです。髪が緑のライトに照らされている様子をモニターを通して見てみると、自分の目で見た時よりも妖艶な雰囲気が増幅しているようにも見えます。
アートディレクターの河野真一さんが「刀を抜いて、構えてみて」と声をかけると、「はい!」と答えてスッと刀を構える早乙女さん。続いてカメラマンの相澤心也さんの指示で、抜いた刀を顔の前で光に反射させることに。そこに赤い色も加えたいということで、赤いフィルムの付いたライトも追加で用意されました。「正面の顔のほうが、このキャラクターの不器用さが出ていいかもね」という河野さんの意見に合わせ、しばらく正面を向いた状態でシャッターが多く切られていきます。
「表情は基本、クールで。だんだん口元に表情をつけてくれる? まずは怒りを表現してみて」と言われた早乙女さん。すぐさま眉間に皺を入れ、歯を食いしばったかと思うと、レンズに向かって鋭い目線を送ります。「よし! すげー、カッコイイ!」と、シャッターを押しながらもなんだかとてもうれしそうな相澤さん。「その角度いい! 風、もっとください!!」という相澤さんの注文には、早乙女さんの背後からブロワーが2台がかりで風を噴射。そのコンビネーションがこれまた絶妙で、いい塩梅に黒髪が空中に舞い、ドラマティックなショットがどんどん取れている模様です。
セットチェンジの合間には、屈伸運動をしてみたり、刀を振り回してみたり、肩にかついだりする早乙女さん。モニターを確認する際には周囲のスタッフと楽しげに談笑したりもしていて、さすが準劇団員、すっかりリラックスした雰囲気が漂っています。
さらに、この場にはいない須賀健太さんと戦っているという仮の設定で、スタッフが構える手前の刀と早乙女さんの刀をクロスさせながらのポーズを撮ることに。刀に当たる光の反射具合、それが顔にかかる位置など、いろいろと試行錯誤をしながら丁寧に微調整を繰り返します。河野さんが自ら刀を持ち、須賀さん役として刀を重ねて細かく指示をしていると、スタッフからは「戦うデザイナーだね!」との声が。フフッと微笑む早乙女さんですが、河野さんから「じゃ、次は般若のような顔で」とのリクエストが入ると、次の瞬間にはギラッと強い目力を発揮、口を開いた迫力ある表情に豹変。「いいじゃん、いいじゃん!」「すごいね、めちゃめちゃカッコイイぜ!!」と、スタッフたちからも称賛の反応が飛び交います。
早乙女さんにも撮影終了後、今回の作品に対する印象や意気込みなどを語っていただきました。
――新感線には6回目の出演になるわけですが、今回の『けむりの軍団』への出演のお話を聞いた時は、どう思われましたか。
まず古田(新太)さんと共演できるということを聞き、そのあとで脚本は倉持(裕)さんだと知ったんですが、僕は(中島)かずきさん以外の脚本で新感線に出るのはこれが初めてなんですよね。きっと、いつも味わっている感じとはちょっと違う新感線になるんじゃないかな、と思いました。でもとにかく、やっと古田さんと舞台で初めて共演できるので。僕にとって今回はもう、それがすべてです(笑)。
――以前から、ぜひご一緒したいんだとおっしゃっていましたよね。
はい。『髑髏城の七人』Season月の公演中の時だったかな、一緒に飲んだ時にも古田さんに「ちょっともう、いつ死んじゃうかわからないんだから(笑)、早めにお願いしますよ!」って頼んではいたんです。だってそろそろ本当に急がないと、古田さんが動けなくなっちゃってからではイヤだから、動けるうちに戦わせてください!と(笑)。でも、それがまさかこんなにすぐ叶うとは思っていなかったですけどね。
――そして今回は、これまで新感線で演じて来られたキャラクターとは一味違う印象の役柄のようですが、台本を読まれてどんな印象を持たれましたか。
一幕は、比較的ラクそうだなと思いました(笑)。新感線の台本を読む時は他の舞台のものとは違って、いつキツい場面が出てくるかを気にしながら読むので、すごくドキドキするんですよ。でも今回、一幕は意外と僕自身が戦う場面は少ないみたいだったので。キャラクター的には、それほどひねくれていないというか。今までは新感線に出る時って謎な部分が多い人物だったりしていたんですが、今回はまっすぐな人のようだということはすごく感じましたね。
――倉持さんの脚本ならではの、会話の妙もありそうですね。
そうですね。そういう意味では、うまくできなくていろいろ怒られそうだな、とも思いました。間が難しそうな気もするので、そこに関してもいっぱい教えてもらおうと思っています。
――池田成志さんと『髑髏城の七人』Season鳥に続いて再び共演できることも、楽しみのひとつかと思いますが。
はい、それも今回ものすごく大きいポイントです。もともと成志さんも古田さんも大好きだったし。好きな人が大勢いるのは、やっぱりうれしいですね。『鳥髑髏』の時もいろいろなことを教えてもらったり、しょっちゅう一緒に遊んでもらったりしていたので。
――今回は共演者に『髑髏城~』経験者が多いんですよね。須賀健太さんとも共演されていますし。
はい、『月髑髏』で同じチームでした。でも、それに関しては別にどうでもいいです(笑)。
――それはつまり、ふだんから仲がいいということですね(笑)。
ケンちゃんは、今回もまたちょっといじめてやろうと思っているので。いつも、ホントうるさいんですよ(笑)。
――『花髑髏』に出ていた清野菜名さんとは。
ご一緒するのは、今回が初めてです。とにかく動けて、エネルギーがすごい方だなと。『髑髏城~』はもちろん、映像作品でも拝見していますが、光をパーン!と放っているようなエネルギッシュな雰囲気があって。声もいいし、とてもパワーを感じます。僕がやってきたアクションとは毛色が違って、清野さんはボディアクションがすごいですよね、僕は足がまったく上にあがらないほうなので(笑)。まあ、今回はそっち系のアクションで戦うことはなさそうだけど、機会があればいろいろ教えてもらいたいです。
――これだけ何度も参加されていて、新感線の劇団としての魅力はどう映っていますか。
新感線の舞台といっても、作品によって毎回違うっちゃ違うんです。新しく参加する人がいたりすると、雰囲気が結構変わりますからね。特に、前回の『月髑髏』の時は初めて参加する方が多かったから、僕としては全然、新感線の舞台に出ている感覚ではなかったし。だけど、むしろ僕は古田さんが出ていない作品にしか参加していなかったから、今回ようやく新感線の軸である公演に参加できるんだという思いもあります。
――古田さんに感じている、役者としての魅力はどういう部分ですか。
そんな、おそれ多くて一言では言えないですけど。とにかく、殺陣の見せ方がすごくカッコイイ。今回やっと一緒に殺陣ができるのが本当にうれしいんですけど、そもそも僕、古田さんの殺陣の見せ方のマネをしていましたから。あの柔らかさと、力強さと、抜き加減。そして決めるところは決める、というところがカッコイイんです。それは舞台でも映像でもそうで、僕もずいぶん勉強させてもらっていました。
――では今回、直接戦えることで、また新たに教わることがあるかもしれないですね。
いや、今回はぜひボコボコにしたいなと思っているんですよ(笑)。
――ボコボコにしたいんですか?(笑)
今まで教えてもらった蓄積がこっちにはいっぱいあるから、それをすべてぶつける覚悟です。古田さんの周囲を僕が必死で動きながら、ボコボコにします(笑)。
――その古田さんが芸能生活35周年だそうなので、お祝いコメントをいただけますか。
35周年、おめでとうございます。僕が生まれる前からやられていたのかと思うと、感慨深いです(笑)。僕は人生で初めて感動した舞台が新感線でした。その最初に感動をもらった新感線の舞台で、今回やっと古田さんと共演ができることを、ものすごくうれしく思っております。これからも、元気でいてください!
――39興行にからめて、あなたの“サンキュー”を教えてください。
今回、ホントこればっかりになっちゃうんですが(笑)、古田さんにサンキューです。だって僕、もしかしたら一生共演はないのかな、嫌われてるのかなと思っていたくらいだったので。まさか共演NGなのかな、とまで思ったりしていましたからね(笑)。
――では、お客様へもメッセージをいただけますか。
やっと、やっとです。僕は17歳で初めて新感線に出させていただいて、それから10年が経ち、今回ようやく古田さんと同じ作品に出られることになりました。存分に戦いたいなと思いますし、たぶん今までとはまた違う経験ができそうですし、とにかくがんばります! ぜひ観に来てください、よろしくお願いします。
TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀
劇団☆新感線公演の大人気コーナー「アワブロ by 粟根まこと」が久しぶりに始まります。楽しみになさって下さい!
アワブロ 、始まるよ!
劇団☆新感線が2019年後半に向けて感謝の気持ちたっぷりにお贈りする“39(サンキュー)興行”の夏秋公演、『けむりの軍団』。チラシやパンフレット用のヴィジュアル写真の撮影は春頃から早々に行われておりました! ここではその様子をひとりずつ、当日に敢行したミニ・インタビューも含め、レポートしていきます。まずは主人公、真中十兵衛を演じる古田新太さん篇からスタート!
メイクや着付けを終えてスタジオに現れるやいなや、アートディレクターの河野真一さんから、今回のヴィジュアルの狙いやどんな表情をしてもらいたいかなどの説明を聞く古田さん。改めてその周囲をよく見ると照明用のライトには事前にピンクや青や黄色などのフィルムが装着されており、どうやらこの仕掛けでカラフルかつ陰影の濃い写真が撮れる模様。撮影を行う今回のカメラマンは、相澤心也さんです。
もみあげが印象的で、くせ毛をワイルドに後ろでくくった、十兵衛のヘアスタイル。ヘアメイク担当は宮内宏明さんで、今回もヘアメイクの微調整だけでなく、フロアではブロワーを駆使して絶妙な“風”効果を生み出す係としても活躍されています。衣裳デザイナーは、新感線には『髑髏城の七人』 Season 風 以来の参加となる、前田文子さん。衣裳スタッフによると、今回の古田さんの衣裳は袖なしの長羽織をメインに、ぼろぼろに加工してムラ染めにした布をパッチワークするなど、とても手間がかかったものだとか。マフラー風にぐるっと首元に巻いた布にしろ、腰で縛った太い縄紐にしろ、早くも「雰囲気抜群!」と大好評。
小道具スタッフが用意した刀を腰に差すと、いよいよ撮影開始。早速、木箱に足を載せてポーズをとる古田さんを見たスタッフ陣からは「さすがの迫力!」「カッコイイ!!」との歓声が。さらに河野さんからの注文で、長い楊枝をくわえることになると「シブいねえ~」との声もかかります。
床にあぐらをかいて座るパターンでは、腰に差した刀はいったんはずして立てて持つ形にしたり、足を崩して頬杖をついたり、さまざまなバリエーションでポーズをとっていきます。アップになるため、手や足の汚しメイクをもっと追加することになり、宮内さんとメイクスタッフたちが古田さんを取り囲んで、同時進行で細かいところにまで丁寧かつスピーディーに、見事に汚していきます。
相澤さんから「目線のバリエーションをいくつかください」と言われた古田さんは、苦み走った表情から、ギョロっと目をむいたり、逆に薄目にしたり。それを自らもググっと前に乗り出すような姿勢になってシャッターを切っていく相澤さん。「いいですねえ~」といかにも満足そうな笑顔を見せています。そのレンズには写らない位置をキープしながら、ブロワーを持ったスタッフは背後から寝っ転がった状態で古田さんの後ろ髪を舞い上げています。これがなかなか難しい様子で、シャッター音に合わせてタイミングを見計らいながら風を操っていきます。
河野さんから「にこやかというより豪快にウハハハ!と笑ってみて」と言われた古田さん。あえて声は出さずに「ガハハハ!」という表情を作ってみせると、河野さんと相澤さんは声を揃えて「すげー、カッコイイ!」と叫んでOKサインを交わしています。「なんだか意外な爽やかさもあるんだよねえ」との声には、古田さんもニヤリと余裕の表情。
このあとも刀を抜いて力強く構えたり、それを実際に振ったりと、動きのある撮影なども行い、撮影は順調に終了。一息ついたところで、古田さんに今回の作品への想いを伺ってみました。
――今回の『けむりの軍団』の詳細を聞いた時の印象は、いかがでしたか。
まず、いやな予感がしましたね。“39興行”って言われるとスペシャルな感じがするから、またいのうえさんが張り切っちゃうんじゃないかとか、倉持(裕)君が脚本を書くとなるとオイラの負担がデカくなるんじゃないかという要素がありますし。『乱鶯』の時、倉持君が調子に乗って「だってそういう古田さんが見たいんだもん」と言って長台詞をいっぱい書いてきて、ものすごく長い立ち回りもさせられた苦い思い出があるので(笑)。
――また、そういう流れになるのかと?
そんな気もしますが……、いや、今回は強気に出て短い芝居を目指そうと思っています。稽古の段階でいのうえさんに「このセリフはいらないんじゃないか、この場面はいらないんじゃないか」と攻めてみるつもりです。出番もセリフも少なきゃ少ないほうが、身体のためにはいいんですから!。稽古時間も、公演日数も、上演時間も、すべてが長いというのはどうにかせんと、50歳オーバーの劇団員は死んでしまいますよ。公演日数は長くても仕方ないとして、上演時間が短くて怒る人はいませんから。スタッフ、お客さん、キャスト、劇場の人、すべてが平和な気持ちで帰れますからね。
――では、古田さんとしてはそこを目指して。
目指したいと思いますね。だけどきっといのうえさんは「倉持の会話劇が面白いから、短くするのはもったいない」って言うんだろうなあ。
――台本を読んでみての感想は。
既に長い!(笑) これに立ち回りが入るのかと思うとゾッとします。どうせ(早乙女)太一とか(須賀)健太は喜んでいるんでしょうけど。喜んでいるのはおまえらだけだからな、おじさんたちは全然喜んでないからねと言って、阻止してやりますよ。
――その太一さんとは、舞台初共演ですね。
そうなんです。この間、テレビ局の楽屋に太一が顔を出しに来てくれて「夏秋公演、よろしくお願いします」って言ってきたから「イヤです」と即答しておきました。「いやいやいや、がんばりましょうよ」って言っていたけど、太一ががんばればいいんです、オイラはがんばらない。
――立ち回りもありそうですけど。
絶対、あるに決まってるよね。あんなに若くてキレッキレの奴を相手にするなら、こっちはピストルを使わせてほしいくらいですよ(笑)。
――須賀さんとも、初共演ですよね。
『ハイキュー!』の舞台を観に行ったり、ごはんに連れて行ったりしたことはあるけど、共演は初。健太と太一と清野(菜名)、動ける若い人たちがいるんだから、彼らが暴れまくればいいんですよ。それを誇らしく見守る役をやりたいです、オイラとしては。
――そんなことをおっしゃいますが、倉持さんの書かれた台本、すごく面白いですよね。
確かに面白いけど、とにかく長い!(笑) 長さ以外に不満はまったくないんですよ、倉持君が本を書いてくれることも、太一や清野や健太と共演できることもうれしいし、何の文句もない。ただ、短い芝居がやりたいんです。短くても濃密であれば、お客さんはきっと楽しんでくれるはずですから。濃密なものを3時間半も4時間も見せられてごらんなさい、みんな胸やけしちゃうよ!
――古田さんが演じる真中十兵衛は、現時点ではどんな役だと思われていますか。
『弥次さん喜多さん』の弥次さんみたいな役。喜多さんが成志さんでね。だけど、この二人の会話の場面なんて長々といらないんだよ。もう最近じゃ、二人で飲みに行くこともなくなってきたんだから。なんせ30年も付き合ってきたんだから、もはやしゃべることももうないしね。
――でも、二人の場面はガッツリありそうじゃないですか。
そうなの。だから、そこからどんどん切っていこうと思ってる。本読みの段階から、カット候補を提案しておこうかなあ。ファンのみなさんだって、こんなおじさん二人の会話なんてそんなに聞きたくないでしょ。たとえ多少面白かったとしてもね(笑)。
――では今回の稽古、本番で楽しみにしていることは。
楽しみは、清野と飲みに行けることくらいかなあ。まあ、太一と健太もたぶん付き合ってくれるだろうけど。そのためにも、稽古ですべての体力を使い果たすのではなく、余力を残しておきたいわけですよ。
――今回は39興行でもありますが、古田さんご本人も芸能活動35周年の節目にあたる年でもあるそうですね。
35年がどうということより、毎回のように、次を代表作にしようと思ってがんばってきたわけなんですけれども。なので、今回も面白くするためにがんばって努力はしますよ、お客さんに喜んでもらってナンボですから。それはもう35年間ずっと同じように、お客さんが喜んでくれたらいいなとか、逆にお客さんが怒ったらいいのになっていう想いを込めてやっていますから。今回も、賛否両論になるくらいの作品にしたいなと思っております。
――賛否両論あったほうがいい。
そりゃ、そうです。万人受けなんて、まずありえない。全員が面白いものがいいなんていうのは、大間違いですからね。
――そして39興行にからめて、あなたの“サンキュー”を教えてください。
サンキューと言えば、出産休暇のことじゃないですかね。産休。出産休暇をした人達がやる興行。
――何かに感謝をするとしたら?
カミに感謝ですかね。……紙がないとお尻が拭けないから……。
――もう真面目に答える気がなさそうですね(笑)。では最後に、お客様へメッセージをいただけますか。
興味を持って見てくださっているみなさま、劇団☆新感線は末端の人間に至るまで、お客様に楽しんでもらおうという努力だけは一生懸命致します。最後の最後まで悪あがきをしながらでも、とにかく面白いものを今回も作っていきます。とりあえず、わたくし古田が出ているお芝居には絶対にハズレはありませんので、ぜひとも観に来てください。
TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀