/けむり/アワブロ07「アクションメンズとダンサーズ」

豪華なゲスト、おかしな劇団員、そして屈強なアクションメンズとしなやかなダンサーズ。総勢37人の出演者でお送りいたします「けむりの軍団」。我々の間では、すでに「けむり」と略されています。

本格時代劇ですから大人数が入り乱れるシーンも数多くあります。侍、町人、農民、僧侶。もうとにかく膨大な登場人物が入り乱れます。要するに、みんな着替えて着替えて出たり入ったり。

特にアクションメンズとダンサーズはずっと出番と着替えの連続です。大車輪の大活躍です。そんなみなさんの活躍の一部をご紹介いたしましょう。

まずはこちらの躍動感ある写真をご覧下さい。

男たちがたくさん雪崩れ込んできていますね。なんかそんなシーンなのですが、この勢いがいいんですよね。男臭さ満載でお送りいたします。

こんな男たちは雪崩れ込んだ後にどうするか。もちろんご飯の時間です。

なんか美味しそうに食べるんですよね。ガツガツと。これぞ男の食事です。そんな男たちの食事を運んでいる様子がこちらです。

なにやら大皿を捧げ持って、たくさんの女中さんが走っております。舞台を上手から下手へ、何度も何度も往復します。しかも、シーンを作るためには試行錯誤しますから、何度も何度もやり直しさせられます。この日、彼女たちが一体どれほどの距離を走らされたのか、気の毒になるほどでした。

このように、今回も大人数のシーンが多いんです。あっちの勢力、こっちの勢力、そして街の人々。様々な人間模様が交錯して重層的な物語を組み上げます。これも着替えて着替えてのお陰です。アンサンブルに加えて劇団員たちも大忙しなの。大変なの。

そうして大人数が揃うと睨み合いが始まります。大勢が一方向を睨んでいる写真ってなんか面白いんですよね。まずは一枚。

なにやら悔しげに叫んでいますよ。悪者たちが「あの野郎!」的な悪態を叫んでいますよ。みなさん、実に良い顔をしています。

かと思うと農具を片手になにやら威嚇している人たちもいます。

クワや鎌を持って闘う気まんまんです。みんな良い顔なんですが、中でもセンターのエマさんが素晴らしいですね。決意と敵意を感じる表情です。ここがエマさんの見せ場なのです。出番も少ないのでお見逃し無く。

最後はみんなで歌の稽古をしている所をご紹介しておきましょうか。今作でも数曲だけ歌があるのですが、ソロで歌い上げるというよりも、みんなで群唱するカンジですね。なので歌稽古も大人数なのです。

歌唱指導はもちろん右近健一さん。歌が巧い人ばかりではないこの集団を上手に操り、素晴らしいハーモニーへとまとめ上げて下さいます。

各パートごとにまとまって順番に練習するのですが、右近さんの指導が具体的に気持ちや顔を指定したりするので、みんなそれぞれ面白い顔になっていたりするのです。

歌っている人、笑っている人、呆れている人、人それぞれ。これでもみんな本気で歌稽古しているんですよ。そして最終的には素敵な合唱になるんです。

クロサワ風の本格時代劇なのに歌も踊りもあるお芝居。要するに堅苦しいお話じゃぁないってコトですよ。もちろんチャンバラもあるよ! お楽しみに!

/けむり/アワブロ06「劇団員とコハマちゃん」

前回は河野くんとさとみさんをご紹介しましたね。今回も劇団員近辺からお届けしましょう。大丈夫、なんだか個性的な人々はまだまだいっぱいいますから。

そんなおかしな劇団員の中で、唯一大阪に住んでいるのが村木よし子さん。東京での稽古や公演中はウィークリーマンション暮らしです。一人淋しく単身赴任。そんなよし子さんを癒してくれるのが愛鳥であるインコのコハマちゃん。

この日は稽古終わりで大阪に帰る用事があったので、稽古場に連れてきてくれました。稽古場前室での皆のアイドルになっていましたよ。

続いては劇団員最年長、この夏に還暦を迎える逆木圭一郎さん。還暦ですよ、還暦。暦が一周して60歳ってコトですよ。ちなみに逆木さんといのうえさんは小学校からの同級生なので、いのうえさんも今年度で還暦です。うわあ、劇団が39周年ってコトはこういうコトなのですねぇ。

まもなく還暦の逆木さんが何かの台の上で足をブラブラさせながら大喜びですよ。横では成志さんも笑っていますし、奥では菜名さんも微笑んでいます。なにやら楽しいシーンなのでしょう。還暦だけど。

続いてはダンスシーンです。今作は本格時代劇と銘打っておりますが、なぜだか数曲ダンスシーンがあります。いや、そんなバリバリのダンスシーンではありませんよ。農民が稲を刈りながら豊作を願う踊りのようなシーンです。

そんな稲刈りダンスシーンから、保坂エマさんが弾けて光り輝く瞬間をご覧下さい。

弾けてるね! 光り輝いているね! あまりの眩しさに周りの人々も驚いています。保坂エマ、46歳。職業、劇団員。今後のご多幸を祈っております。

ダンスシーン繋がりでこちらも。稽古場の隣には控え室があって、セリフを確認したり打ち合わせをしたりできるのですが、ある日は劇団員たちがダンスの自主練をしていました。

楽しそう! なんだか楽しそう! なんか振りはバラバラだけど。前列手前から、インディくん、よし子さん、エマさん。ちょっと見えにくいけど後列では武田さんと礒野くんも練習していますよ。隙間時間に自主練をするのも大事な稽古なんです。

最後は村木仁さん特集を。厳密に言えば仁さんは劇団員ではないんです。でも、我々と同じ事務所に所属する俳優さんで、もうかれこれ20年ほど本公演に出演し続けて頂いているので、まあほぼ劇団員です。かつてはアンケートに「もうあいつの食欲には興味がない!」とまで書かれていた仁さんですが、今では欠かせないメンバーとして広く受け入れられています。「お腹が空いた〜」的なセリフも無くなっていますしね。

そんな仁さんには今回は何役も演じて頂きます。セリフのない役も含めると五役。大忙しです。そんな中で、一番目立つのがこの役。

まあなんか親分的な役柄なのですが、侍らせているよし子さんに乳首を責められながらの恫喝ですよ。あまりにお二人の表情が素晴らしいので思わずGIFアニメにしてしまいました。

乳首を責められた後は十兵衛に詰め寄ります。その詰め寄り方がなんともカワイイのでぜひご覧下さい。

なに、このおじさんたち。これでも命の掛かったやりとりなんですが、全然そんな風には見えませんね。手を縛られて抵抗できない十兵衛に詰め寄ったあげく、なにやら論破されてこの表情。

なんだこれ。まあ、こういうのが仁さんの得意技。顔芸じゃねえかと思われるかもしれませんが大丈夫。大劇場では表情までは見えませんが、空気感は伝わるもんですよ。

劇団員も準劇団員も、おばさんもおじさんも、なんだかいっぱい出てくる「けむりの軍団」。楽しく苦しみながら順調に稽古は進んでおります。今年の夏秋は、けむってみませんか? けむっちゃいますか? 是非けむっていきましょう!

/けむり/ヴィジュアル撮影 レポート 池田成志篇

衣裳をつけメイクを終えてフロアに出てきた池田成志さんのいでたちを見た途端、「まるで台本から飛び出てきたみたい」「ホンモノの美山さん、キター!」と、スタジオには拍手と共に早くも爆笑が巻き起こっています。劇団☆新感線39興行・夏秋公演の『けむりの軍団』で謎の浪人、美山輝親役に扮する池田さんは、なんとこれが新感線には13回目の参加。もはやスタッフ陣も、ほとんどが馴染みの顔だらけの模様で、アートディレクターの河野真一さんも今回のヴィジュアル撮影のコンセプトについて「説明します……っていうか、改めて説明なんていらないか?」とニヤニヤ。「うん、別にいいよ、こんな感じでしょ?」と笑顔で逃げるポーズをとる池田さん。

「それにしても想像通りに汚してもらったなあ!」「これって、史上最高の汚さじゃない?」「いや、さすがに、がめ吉(『蜉蝣峠』で梶原善さんが演じたキャラクター)には負けるかも」などなど、スタッフたちが口々に語るように、今回の池田さんは見事なほどにあっちもこっちもボロボロ、髪もボサボサ。しかし意外にもこのボロボロの衣裳、よく見ると桔梗や椿など花の柄が入っていて、衣裳スタッフに聞いてみたところによると 実は高級な“辻が花染め”の生地からできているのだとか。

自分の立ち位置の正面に用意された姿見を見て、自らポーズと表情を作る池田さん。中腰で片足を上げ走るような体勢にして「こういう感じ?」と聞くと、河野さんが「やっぱり、わかってるねえ!」とOKサイン。が、数分で「これ、俺だけがキツいポーズなんじゃない?」「古田なんか座ってるだけでラクそうだったぞ」「俺、もう軽く汗かいてるし!」とネガティブなコメントが徐々に漏れ出てきました。実際、腰を落として片足を上げてキープするのはかなりキツそう。そこで、カメラマンの相澤心也さんが「じゃ、成志さんが足を上げるタイミングに合わせます!」と提案。それ以降は「せーの、ハイ!」の掛け声に合わせて、シャッターが切られていきます。

あっという間に汗だくになってしまった池田さん、「いつも新感線の撮影ってキツイんだよなー!」とボヤきが止まりません。とはいえ、「もっとカッコイイ顔で撮りたいんだけど、できない?」という河野さんの注文には「黙っててもらっていい?」と即答。早速、キリっと表情を引き締めて撮影に臨むのですが……しばらくすると、おどけた表情になり、目を見開いたり、舌を出したり……。「だから、顔……。どうしてもやりたいんだな。俺はカッコイイのが撮りたいのに」と河野さんからツッコまれると「わかってるって! 身体がキツくなると、ついこうなっちゃうの!!」との言い訳に、思わず吹き出すスタッフたち。

小道具の笠をかぶったり、木箱の上に足を載せてポーズをとったりと、さまざまなカットを撮影していく中で、河野さんが「首まわりにヒラヒラする布がほしい」と言うと「ちょうどいいの、ありますよ!」と小道具スタッフが言い、古田新太さんの撮影時に小道具の一部として使用した布を再利用して使うことに。それを整えて首に巻いていると「ああして、じーっとスタンバイしている最中は本当にカッコイイのにねえ」と呟くスタッフ陣に、「サービスでふざけてやってるんだよ!」と叫ぶ池田さん。

その後も「ふゅー、えー、うわ、よっ、やるねー、ぐっ、ふふっ、ニヤリ、コー!」などなど謎の声を発しながら、二枚目風、三枚目風、どちらのカットにも全力で取り組む池田さんの姿に、スタジオ内の笑いは絶えないのでした。撮影終了後、池田さんにも『けむりの軍団』のこと、劇団☆新感線のことなど、語っていただきました。

――この劇団☆新感線の39興行・夏秋公演に出ることになった時、まずどう思われましたか。

サンキュー興行がどうというより、最初はこれが古田新太の35周年記念公演でもあるという話を聞いたので「また古田か!」と思いました(笑)。いや、ありがたい話だし僕自身はうれしいですけれども、果たして観てくださるみなさんは喜んでくれるんだろうかと。「また出るのかアイツ」と思われないかと、そのへんが心配です。がんばりますんで、よろしくお願いします。

――倉持裕さんが新感線に脚本を書くのは『乱鶯』に続き、これが二本目です。倉持さんと新感線の相性は、池田さんから見ていかがですか。

『乱鶯』を観た時、ちょっと大げさかもしれないですけど、僕は池波正太郎さんや藤沢周平さんが大好きなんですけれどもそちらに寄せたいのかな、と思ったんですよね。ちょっとビターな匂いのする、いい感じの劇でした、古田くんもシブくてね。だから今回もそういうムードでいくのかと思いきや、意外と黒澤明作品の『隠し砦の三悪人』とか、あのへんの活劇を意識したような台本になっているなあ、なかなかこれは大変だぞ、と思いました。しかも僕は冒頭からなんだかボロ雑巾のように殴られますからね。もはや本当に身体だけが心配ですよ。そんなに殴るの?っていうくらいに殴られまくりますから(笑)。古田くんとも共演経験は長いですけど、僕が古田を殴ったシーンなんて一回もないですよ。あいつから蹴られ、殴られ、簀巻きにされ、ビンタされ。今回も、これ、なにハラスメントだよ?って公演になるんじゃないでしょうか。サマーハラスメントですよ!

――サマーハラスメント、ですか?(笑)

サマーハラスメント、夏の暴力です! この夏、流行らせたいと思います。

――古田さんを殴ってみたかったですか?(笑)

いいえ。倍返しが怖いので。僕は極力、暴力はふるいません。されるだけです。サマーハラスメント!

――(笑)、しかも、その古田さんと一緒のシーンがとても多そうですが。

そうですね。いつもは敵対するキャラクターのほうが多いんですけれども。『秋味』(劇団☆新感線20th Anniversary豊年漫作チャンピオン祭り・秋味R『古田新太之丞・東海道五十三次地獄旅~踊れ!いんど屋敷』2000年)以来じゃないですか、こういう腐れ縁コンビみたいな役どころは。

――美山輝親という役柄については、いかがですか。

倉持くんの脚本だからちょっといい感じのお話になっているところもありますが、それを匂わせつつやるのか、まったく匂わせないでやるのか。どういうアプローチでいこうかというのは、今はまだちょっとわからないです。たぶん、いのうえさんが最終的にはめちゃくちゃにしそうな気もしますが。今のところは虚心坦懐というか、何も考えずに臨もうかなと思っています。(※インタビューは稽古前)

――ちょっと今回は、池田さんがこれまで新感線で演じてきた役柄とは一味違うキャラクターのようにも思いましたが。

だいたいはかき乱して、ふざけてんのか?って役が多うございますからね。でも、本当に『秋味』を思い出したんですよ。あれもムチャクチャなんだけど、意外にいい話だったし。あれは古田くんの役とは昔からの知り合いみたいな役だったけど、今回は出会ってから、だんだん関係が変わっていくみたいな話なので。ただ、お話がちゃんとしているだけあって、また長くなっちゃうんですかねえ。暑いのに、長いとイヤですよねえ。これもサマーハラスメントです!(笑) 活劇ではあるんで、なるべくシンプルに。そして二転三転するような話でもあるから、さらにスピードを上げてやりたいものです。

――改めて、新感線という劇団のどういうところに魅力を感じているのでしょうか。

魅力というよりもですね。結局、あいつはどう使っても文句をそんなに言わねえんだろうと思われている節があると思うんですね。ここ最近、さすがにケガ、病気、身体のメンテが非常に問題になってきたんですけれども、だいたい悪くなる契機になるのがいのうえひでのり演出への参加なんですよ。だからなおさら気をつけていこうと今、思っています。いや、楽しいんですよ、楽しいからやっちゃうんだけど。やっちゃったその先には、骨が曲がっただとか、腰が痛いだとか、どうもだるいだとか。ホント、今年の夏はあまり暑くなければいいな……。

――キャストのみなさんも、口々に心配されていましたよ。

でも、そんなこと言ってる連中のほうもヤバイですよ! だって劇団員と言っても、どこぞの若手劇団ではないんですから。結構、ロートル揃いですから。お互いに、身体に気をつけながらやっていくんじゃないかと思いますね。もう決して、博多に行ってもはしゃがず、騒がず、飲まずってことになるんじゃないでしょうか。きっと、毎晩騒いでいるのは古田くんくらいですよ。

――新感線の39興行ということにちなんで、あなたのサンキューを教えてください。

ありきたりですけど、基本的にずっと感謝しているのは家族ですね。それ以外だと、芝居を作っている演出家とか作家さんとか。大学生の頃から折々に出会った人が、非常に優秀な方ばかりで。もちろん、いのうえさんを始め、それぞれに影響を与えてくれる方が多かったんです。その関係がいまだに続いているわけなので、その方たちにはすごく感謝していますね。だから、この先もまた、これまで全然接点がなかった作り手の人たちとも会って感謝したいなと思います。

――そして、古田さんの新感線入団35周年ということについてもお祝いコメントをいただけますか。

おう、古田、おめでとう。身体が心配だから、もうあまり飲み過ぎないように。身体をいたわって、がんばってくれよ。以上です。

――では最後に、お客様へもお誘いのメッセージをお願いします。

古田くんにはこう言いましたけれど、35年、それも真ん中でやり続けるというのもなかなか珍しいとは思っているんですよ。みなさんも、われわれを老人になったと思っているでしょうが。まあ、悪い癖で切羽詰まるとついつい、やっちゃうんですよ。でも決して、舞台をヒヤヒヤしながら観ないでほしいんです。こいつらは絶対ケガなんかしないんだと思いこんでいただいて、それで暑い夏を一緒に乗り切りましょう! ぜひとも、よろしくお願いいたします。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

/けむり/アワブロ05「河野まさとくんと中谷さとみさん」

さあ、ゲストの方々のご紹介もあらかた終わったことですし、そろそろ皆さんお待ちかね! 劇団員たちのオポンチな姿でもご紹介していきましょうか。ストーリーを運ぶ人々がカッコよかったり渋かったり面白かったりする合間に、劇団員たちがユル可笑しなシーンを紡いでいきます。例によって不思議な人々がたくさん出てきますよ。

そんな中から、今日は河野まさとくんと中谷さとみさんの二人を取り上げたいと思います。

今作では、河野くんとさとみさんはコンビのようにセットで出てきます。ていうかカップルなんです。威勢だけはいいがマザコンでちょっと足りない役の河野くんと、負けん気が強くてちょっとエロい役のさとみさん。変なカップルです。

そんな二人の愛のあるシーンをご覧下さい。

手を広げて近づいていくさとみさんを恐怖の表情で見つめる河野くん。なんでしょうか。襲われているんでしょうか。ええ、襲われているんです。

このシーンを向こう側から見てみましょう。

更にアグレッシブです。アグレッシブに襲っています。勢いが凄すぎて写真もブレまくっていますが仕方がないのです。それくらいアグレッシブだってコトですよ。

そしてこの後、こうなって。

更にこうなって。

最終的にこうなります。

なんかやりきった感が漂っていますが、別にやりきってはいません。画面左端で見守っている舞台監督の芳谷さんも呆れ顔です。

まあ、こんなカンジの二人なのですが、似たもの同士というか、楽をすることに関しては苦労を惜しまないトコロが共通しています。ある場面を作っている時に、出演はしているんだけどもうセリフがない、というシーンになりました。舞台の前の方では何やら真面目な会話が繰り広げられているが、私達はもうセリフがない。そんな稽古中、気がついたらこんなことになっていました。

仲良くセットに腰掛けて、なんだか楽しげに稽古を見ていました。いや、まだシーンは続いていますよ。あなたたちも登場人物ですよ。しかもそこは本来は壁ですから座れませんよ。まあ、いいでしょう。それがあなたたちです。

戦国末期のある国を舞台に、変なカップルだけじゃなくて、戦国大名やお姫様、博徒に盗人、農民に商人にお坊さん。様々な人々が登場し、それぞれが必死に生きていくお話です。痛快娯楽作品になっておりますので、どうぞお楽しみに!

/けむり/ヴィジュアル撮影 レポート 粟根まこと篇

2019年上半期の劇団☆新感線春公演『偽義経冥界歌』では源頼朝を演じていた粟根まことさんですが、下半期の夏秋公演『けむりの軍団』ではガラッと雰囲気が変わりお寺の住職、残照役を演じます。粟根さんが短髪スタイルなのは珍しいため「すごく新鮮!」「新たな魅力!!」などなど、スタッフたちも撮影が始まる前からなんだかざわついています。

まずはテスト撮影。用意された草履と下駄、両方を試してみて下駄を採用。小道具としては錫杖、そして数珠を持つことに。この数珠、意外に長さがあるので、首にかけたり手に持ったりといろいろなバリエーションで使えそうです。メガネは粟根さん自身がいくつか持参した中から、アートディレクターの河野真一さんが色ツヤがないマットな黒の丸メガネをセレクト。ちなみに、この着物の上に着けているのは“小五条袈裟(こごじょうげさ)”と呼ばれる法衣です。

メインビジュアルの撮影がスタートすると早速、粟根さんは木箱の上に胡坐をかいて座り、合掌ポーズ。その両袖に縫い付けたテグスをスタッフが引っ張ることで、袖がふわっと広がります。河野さんからその袖の広がり具合を「左右対称にしたい」と注文が入り、より正確に持ち上がるようにと、衣裳スタッフはテグスを縫い付ける位置も左右均等になるように袖口からきっちりメジャーで計測。カメラマンの相澤心也さんから「シャッタースピードを遅くするので、粟根さんはじっとしててくださいね」と言われると、見事なほどにピタッと動かない粟根さん。

また「もっとワルに見せたい。人相を悪めにしたい」と河野さんに言われたヘアメイク担当の宮内宏明さんは、粟根さんのメガネをはずし、目の下の涙袋のところにうっすらとラインを入れています。相澤さんが「3、2、1、ハイ!」と号令をかけると、両脇のスタッフがタイミングを合わせて袖を引っ張り、粟根さんもタイミングを合わせて、カッ!と目を見開いたり、大きく口を開けたり、歯を食いしばったり。「眼光鋭い!」「それはもともとだね」「悪い顔だ!」「決して、いい人ではないよね」「落語家にも見える」「今にも怪談噺を始めそう!」などなど、モニター前のスタッフもワイワイと感想を言い合い、いつも以上に楽しそうな様子。

続いて、錫杖(しゃくじょう)を手にした立ち姿のカットを撮るためにスタッフたちが準備をしていると、スタンバイしたままの粟根さんは杖をくるくる回したと思うといきなり、突き!のポーズをしたり、さらにはダイナミックに大きくぐるんぐるん回したり。その動きをスッと自然に止めた時、河野さんが「あっ、そこ!」と叫んで、それを機に撮影再開。相澤さんが「僕のほうに向けて、シャラン!と輪っかを鳴らしてみてください」と言うと、粟根さんは錫杖の先の遊輪(ゆうかん)をレンズの近くギリギリまで寄せて振ってみせます。すると「ハハハ、よかったよ、面白いのが撮れた」と、河野さんも満足げ。

明るいBGMに合わせて足でリズムを刻んだり、首を前後に動かしたりしている姿を見ていると、ちょっとファンキーな破戒僧にも見えてきます。ブロワーで風を当てながらの撮影が始まると、今度は「モーゼみたいだな!」「奇跡が起こりそう!!」とモニター前はさらに賑やかに盛り上がっていくのでした。

実は、このヴィジュアル撮影は『偽義経冥界歌』の休演日に決行されていたのでした。撮影の合間を縫って、粟根さんにも『けむりの軍団』への想いを語っていただきました。

――今回の夏秋公演は倉持裕さん脚本で、と聞いた時、最初はどう思われましたか。

39興行は、二本とも時代劇をもってくるのかーと、まず思いました。春公演は『偽義経冥界歌』という歌舞伎風のタイトルで、中島かずきさんの久しぶりの新作で。こちらは『けむりの軍団』という謎めいたタイトルで、お客様はどういう話なのか想像しにくいかと思いますが、戦国末期の、まだ国同士が戦って領地の取り合いをしているような時代の話です。そこに第三勢力として一向宗の寺院が出てくるのですが、私はその夭願寺(ようがんじ)という一向宗寺院の住職、残照(ざんしょう)という役をやらせていただきます。時代劇が二本続くとはいえ、まったくテイストが違うので楽しめるんじゃないかなと思います。

――だいぶ雰囲気が違いますものね。

『偽義経』は中島イズム満載のお話ですが、倉持さんの脚本は今回はかなりクロサワ映画を彷彿とさせる戯曲になっておりまして。日本人ならみんなが好きなタイプの話ですね。勧善懲悪というわけではないんですけれども、その戦国末期の国の争いに巻き込まれていく浪人たちや一般人、そして一向宗の僧たち、そういう人たちが足掻いているようなお話です。仕掛けも、たくさんあります。そもそも“けむりの軍団”とはなんなのか、そのへんもお楽しみにしていただきたいです。

――粟根さんの短髪スタイル、とても新鮮です(笑)。

初めてですね、こんなベリーショート。いや、坊主頭? 坊主刈り?(笑)こういう役をやったこともなかったですし、プライベートでもここまで短くしたことはないし。髪を洗うのはラクそうですけどね。まあ、今日はチラシ用の撮影でこういうスタイルですが、実は今『偽義経』の本番中でございまして、自分の髭でやっているという事情もあって。この髭に合わせるために、おそらく今日はこういう坊主刈りになっているんじゃないかな。きっと本番の時には髭もなく、髪もつるっとしているんじゃないかなという気がします、まだわかりませんが。夏、本番までのお楽しみにしておいてください。

――倉持さんと新感線の組み合わせという意味では『乱鶯』以来、二度目ですね。

新感線には中島のほかにも宮藤官九郎さんや青木豪さんにも書いていただいていて、宮藤さんはいのうえ歌舞伎・壊<Punk>と称して『蜉蝣峠』はちょっとアバンギャルドな方向性でした。青木豪さんはいのうえ歌舞伎☆號という冠で、『IZO』は比較的オーソドックスな時代劇という感触でしたね。倉持さんの場合はまたそれとも一味違う、いわゆる時代映画風なテイストが強いんじゃないかなと思っています。『乱鶯』の時は江戸時代の話で池波正太郎さんとか藤沢周平さんの世界観だったと思うんですけれども、今回は明らかに黒澤明テイストで書いてくださっている、けむりの軍団という謎の軍団をめぐるお話です。話は二転三転しますし、クロサワ映画のようなと言いながら、私は読みながらなんとなく、アメリカのロードムービーのような印象も持ちました。古田新太くんと池田成志さん演じるお二人が、いがみあいながら協力しあいながら旅をしていくような話ですのでね。ちょっと、西部劇風な香りも実はあるんです。クロサワ映画×ロードムービー。あと個人的にはロバート・デ・ニーロの『ミッドナイト・ラン』も連想しました、犯罪者を護送する賞金稼ぎの話にちょっと似ているところもあるな、と。さらには『走れメロス』的に仲間を助けるために男が戻ってくるという話でもあり。いろいろな要素がごっちゃになった、そしてそのすべてがクロサワ風にまとめられているわけで、楽しくないわけがないわけですよ。いろいろなキャラクターが出てきますからね。共演陣についての話も、この流れで言っちゃっていいですか?

――はい、どうぞ(笑)。

清野菜名さんがお姫様、それを助ける須賀健太くんが家臣。この二人が逃げなきゃいけなくなって、それを古田くんたちが護衛するようなことになるんですが。このへんは、まさに『隠し砦の三悪人』ですよね。そして元軍配士の浪人である古田くんが、いろいろな奇策を練るんですけれども。そこにけむりの軍団という、あるのかないのかわからない謎の集団が出て来て、対立する二つの国と第三勢力の一向宗、さらにヤクザたち。彼らを翻弄するあたりは『用心棒』の雰囲気もあります。それがもちろん倉持裕風に書き直されていて、それをいのうえさんがどう演出するのか、ちょっと楽しみですよね。この2年間はIHIステージアラウンド東京という客席が回る特殊な劇場で、キャストもスタッフもそしていのうえひでのりという演出家も鍛えられてきました。その後『偽義経』で久しぶりに額縁芝居の劇場で舞台をやり、それに続く2作目ですから。そのIHIステージアラウンド東京では8作品9シーズンやりましたけれども、今回のゲスト陣は早乙女太一くん、清野菜名さん、須賀健太君、そして池田成志さん、この4人ともがステージアラウンド経験者なんです。なんだか戦友みたいなものなんですよ、いのうえにとっても、われわれにとっても。ですから、そのステージアラウンドで得た財産を、さらに芽吹かせる感じの作品になるんじゃないかなと思っています。

――そして今回は、古田さんが劇団に入って35周年だそうなので、粟根さんからメッセージをいただけますか。

ほう、35周年なんですか。年齢は彼のほうがひとつ年下ですが、劇団☆新感線に入ったのは彼が1年先輩なんですよね。だから34~35年、私も同じ劇団でやらせていただいております。いつも頼りにしていますが……最近は顔色がね、赤黒いんですよ。そろそろちょっとお酒を控えたほうがいいんじゃないかと思いますよ。35周年から、40年、45年、50年と役者を続けてほしいので、健康も考えてください。お大事にね!

――ということは、粟根さんも。

34周年ということですかね(笑)。もうみんな50歳を越えて、老体に鞭を打ちつつアクション活劇をやっていますが、楽屋ではしょっちゅう健康の話が出ます。まあ、お互い身体をいたわりながら、出来る限り長くバカなことをやっていければなと思っております。

――加えて、今回は39興行なので、粟根さんの“サンキュー”を教えてください。

やはりスタッフの方々にサンキューを言いたいなと。もちろん他にもサンキューを言いたい人はたくさんいて、お客さんもそうですし、劇団員や主宰のいのうえひでのりにも。でもやはり、目立たないのでみなさんはお気づきでない方もいるかもしれませんが、新感線のスタッフは大変優秀なんです。キャストはみな、とても助けられております。

――では、公式サイト用にお誘いメッセージを。

今回はちょっと映画のようなアプローチもありながら、いつものようなチャンバラもあり、敵味方が入り乱れるお話です。決して堅苦しいことはなく楽しい作品になっていますので、ぜひ肩の力を抜いて劇場にお越しくださいませ。お待ちしています。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

/けむり/アワブロ04「早乙女太一さんと高田聖子さん」

アワブロの四回目は目良家(めらけ)チームのご紹介をいたしましょう。今作の第一勢力となる強大な戦国大名である目良家。その目良家を牛耳るのが現当主の母である嵐蔵院(らんぞういん)さま。演じるのは高田聖子さんです。

戦場なのでしょうか、床机に座ってなにやら書状に目を通しています。その横から覗き込んでいる河野くんの方が気になるかとは思いますが、今は忘れて下さい。

目良家は大国で陣容も厚く、多くの家臣を抱えています。そんな侍たちを束ねる侍大将・飛沢莉左衛門(とびさわりざえもん)を演じて頂くのは、新感線六度目の出演となる早乙女太一さん。

嵐蔵院の信頼も篤い莉左衛門ですから、戦評定でも重要な役割を担います。嵐蔵院さまに何か指図を受けています。しかもやたらに強い。剣を取っては向かうところ敵無しです。

ただね、ちょっと口べたなんですよ。ちょっとっていうか、だいぶ。喋るたんびにいちいち引っかかります。

例えば、こんなカンジでカッコよく登場する莉左衛門がいたと思って下さいよ。

抜き身片手に颯爽と、ニヒルな雰囲気で現れた莉左衛門ですが、その直後にはこんなカンジになっています。

どうしました? 歯を食いしばって苦しそうですが、大丈夫ですか? いえ、大丈夫なんです。こういうのが莉左衛門さんなんです。

いつもはクールだったりニヒルだったりする役が多かった太一くんですが、今回の太一くんは面白いですよ。意外な一面も見られますので、そのあたりもお楽しみに。

目良家には様々な人々がいるのですが、その中からもう一人だけご紹介させて下さい。実は、今公演には劇団員の山本カナコさんも出演する予定でしたが、前十字靱帯断裂の治療のために降板することとなりました。そして、その代役として宮下今日子さんにご出演頂くこととなりました。お忙しいところありがとうございます。

今日子さんには冷静で有能な目良家家臣を演じて頂きます。しかもなにやら曰くありげですよ。

嵐蔵院との関係も複雑なようですね。その種明かしはぜひ本編でご確認下さい。

ちなみに今日子さんの身長は173cm。カナコさんとの身長差は約20cmほどもありますから、随分と印象が違うかもしれません。いや、この役はすでに今日子さんのモノですから気にしなくて良いでしょう。

そんなこんなの目良家の皆様。紗々姫と源七を追い回し、十兵衛と輝親に翻弄される、まあ判りやすくいえば悪者チームですが、それぞれの国にも言い分があり、それぞれの生活があるのです。どうぞ目良家も嫌わないでやって下さいね。

/けむり/アワブロ03「清野菜名さんと須賀健太くん」

前号でご紹介した古田くん演じる十兵衛と成志さん演じる輝親。この二人の珍道中が物語の中心なのですが、それに巻き込まれるというか乗っかってくるのが若い二人の男女です。それが清野菜名さん演じるおてんば姫・紗々姫(ささひめ)と、須賀健太くん演じる忠義だがからっきし弱い侍・雨森源七(あまもりげんしち)。

稽古場前室でのお二人。同い年の24歳。ええと、源七は紗々姫には頭が上がらないのです。

まず今作の背景をご説明いたしますと、戦国末期に争っている二つの国があります。強大な力を持つ「目良(めら)家」と、その隣国である「厚見(あつみ)家」。かつては敵対していましたが現在は同盟を組んでいます。その人質として、厚見家当主の妹である紗々姫が、目良家当主に正室として輿入れしているのです。

ところが! 目良家はその同盟を反故にして厚見領に侵攻を開始しました。驚いたのは紗々姫さん。自分が人質になっていたままでは厚見家も反撃しにくい。という訳で、源七と共に目良家を抜け出したのです。

その脱出行で出逢ったのが十兵衛と輝親の二人。その後、なんだかんだあって四人は行動を共にします。なんとかして目良領を抜けだし、厚見領へと辿り着きたい。作戦会議も開きます。

といっても四人は一枚岩ではありません。それぞれに思惑があり、それぞれに言い分がある。仲良く一緒に逃げ出すという訳にはいきません。

それでも目良家の追っ手は迫ってくるし、何やら謎な勢力も絡んできます。逃げざるを得ないのです。ドタバタしながらも力を合わせて進むことになります。

ここで稽古場レポートらしく、演出風景でもレポートしましょうか。いのうえさんの演出は指定が細かく、ニュアンスを伝えるために自分でやってみせるタイプだというのは有名な話ですね。では、紗々姫と源七に演出を付けている様子をご覧下さい。

はやる紗々姫を源七がなだめているのでしょうか。手を引きながら何やら説得しています。このようにいのうえさんが源七役もやってみせながら動きを決めていっているんですね。

このシーンの続きもお見せしましょう。

説得に掛かる源七を紗々姫がたしなめているようなのですが、え? いのうえさんが今度は紗々姫役を? そうなんです。それぞれの役をその度にやってみせているんですね。そういう演出方法なのです。

ただ、こうして稽古している時はそれぞれ自分の演技をしていますので、当然いのうえさんの方は見ていないのです。でもいのうえさんも動いています。体を動かすタイプの演出家。それがいのうえひでのりさんです。

実は、今回のゲストチームは全員がIHIステージアラウンド東京の経験者。つまりいのうえ演出経験者ですし、劇団員とも旧知の仲です。稽古のやり方も慣れたもの。倉持さんの軽妙なセリフも相まって、稽古中も笑いが絶えずにスムースに進行しております。

小返し稽古直前に、いのうえさんが何やら面白いことでも言ったのでしょうね。スタンバイしたお三人も手を止めて聞いています。ちなみに、その後ろで後ろ向きに手を広げているのは舞監補佐の浜崎さん。別に好きでここに居るのではなくて、ここに幕がありますよという係です。ここから後ろには行けませんよという印です。

十兵衛、輝親、紗々姫、源七、この四人のドタバタ脱出行を中心に、小粋な会話のやりとりもあれば大人数の大乱闘もある『けむりの軍団』。意外と近いぞ東京公演。先は長いぞ福岡・大阪公演。この夏、この秋、一緒に戦国時代を旅しませんか? ご来場をお待ちしております。

/けむり/ヴィジュアル撮影 レポート 高田聖子篇

「カッコイイ!」「強そう!」「悪そう!」「お歯黒!」「怖い!」と、高田聖子さんが準備を終えて控室から出てきた途端、なぜかみんな短い言葉で感想を叫ぶスタッフたち。今回、高田さんが演じる嵐蔵院は位の高い役だとはいえ、立場的には悪役のポジション。眉毛を潰し、白塗りに近い顔色に、口元はお歯黒のインパクトが強烈です。衣裳スタッフに聞くと、この金糸と銀糸が入った打掛は織ったあとに色を染めているそうで、すごく手が込んでいるものなのだとか。

すると「第三の目として、ホクロをつけたい!」という、アートディレクター・河野さんの急なリクエストに、ヘアメイク・宮内宏明さんがすぐさま“つけボクロ”を用意。早速、高田さんの額の真ん中に装着すると、今度は「目がみっつ!」「威力ある!」「悪いことしかしなさそう!」と、またまた盛り上がるスタッフ陣。

嵐蔵院用に準備してある小道具は、懐剣と扇。まずは8種類並べた扇の中から、河野さんがセレクトしたのは地は金色でゴージャスな花々が描かれた一本。それとは別に自分用にも手に取り、それを持ちながらポーズを指示していきます。カメラマンの相澤心也さんが、青い照明が髪や飾りに当たるように機材の位置を微妙に修正していると、ちょうど自分の真正面に姿見の鏡が用意され、ここで改めて自らのヴィジュアルをまじまじと見た高田さん。「ハハッ!」と思わず自分でも笑ってしまっています。

また、河野さんから「老獪さが滲み出るように、手をもっとカサカサした感じにしたい。爪も死んだ爪みたいにして」と言われた宮内さん、高田さんの手の甲に血管を目立たせるような老けメイクを追加。さらにマニキュアではなく、アイライナーを使って爪の付け根部分だけを黒く縁取るように塗っていきます。撮影が始まると、高田さんは重心を後ろにして身体を反ったり、左右にねじってみたりしてポーズを微妙に変えていきます。手に持った扇子もスッと前に差し出したり、逆向きに持ってみたり、半分だけ閉じて掲げたり、といろいろ工夫して動いていると「さすが聖子さん、うまいなあ」「扇もいろいろな持ち方があるね」とモニター周りで頷くスタッフたち。

相澤さんからの「すごくいい、そのままカメラを冷たい目で強く睨んでください」「俺を殺すつもりで口元はニヤッとしてみてください」「次は、にゅっと首を伸ばす感じで」などという、なんだか妙なリクエストにも「ハイハイ」と言いながら、ニヤーリと不気味な笑みを浮かべたりして応える高田さん。河野さんに「食われそうだ!」なんて言われても、「それ、毎回言われてる気がするなー」と余裕の苦笑いで返しています。

続いて「歯も見せたい」と言われると、「あー!」と口を大きく開けたり、口を開き気味でいかにも悪そうに微笑んだり。「これもいいな!」「眉ナシ、似合うよね」とモニター画面を見ながらチェックしているところに、ちょうど須賀健太さんがスタジオに現れ、この撮影風景を見て「すっげー!」と一言。それに気づいた高田さん、手を振り合う二人……なんだかちょっと不思議な光景です。「笑うとよけい怖いよ」と言われた高田さんも、自らモニター画面を見に行き「これは……妖怪や!」と爆笑。

そんなオモシロ怖い写真の数々を無事に撮り終えた高田さんにも、今回の作品についてや演じる役どころのことなどを伺ってみました。

――今回の舞台の詳しい話を聞いた時は、どう思われましたか。

まず、倉持さんが脚本を書かれるということをお聞きしたので、だったらコメディかなと思ったんですが。特にコメディ……というわけではないようですね(笑)。でもなんとなく、物語のもとになる、根っこになるようなところは落語っぽいような雰囲気を感じました。ちょっと、昔話風というか。倉持さんならではの、ほんのりとしたユーモアみたいなものもありつつ、年老いた新感線らしさもあって。いわゆる冒険活劇ではない、けれどワクワクするような、でもちょっと悲しいような、重いようなものも感じさせつつ。これまで39年間続けてきた、われわれに似合う作品を書いてくださったんだなと思いました。

――『乱鶯』にも出られていた高田さんから見た、新感線と倉持さんの相性は。

相性は、私にはよくわからないけど、でも『乱鶯』の時は劇団員のみんながとても楽しそうだったので、口にするのが楽しいセリフなのかなと思いました。時々、違う感じの言葉をしゃべるというのは、いいものですよ。あの時は古田さんだけが、セリフが多いとブツクサ言うて苦しんでいましたね。

――今回の台本を読んだ感想としては?

セリフがすごく多い印象です。だけど、会話の楽しさみたいなものはすごく感じました。でも、きっとまた古田先輩が文句を言うんじゃないかなと予想しています(笑)。

――そして今回の高田さんが演じるのは、嵐蔵院という役どころですが。

このとおり、お歯黒です(笑)。しかも、なんと同い年の河野まさとさんの母親役だというね。

――びっくりしますね。

そうなんです、あれ?って。まあ、いいんですけど。あの方、奇跡の51歳なのでね(笑)。

――では、ぜひその奇跡をフルに発揮していただくとして(笑)。嵐蔵院さまのキャラクターとしては、どんなイメージですか。

春日局のイメージなんですかね、女性政治家みたいなところもあるので。だけど女性政治家というよりも、もっと母親の部分とか女の人がちょっとムキになる時の嫌な感じを、堂々と持っているような人じゃないのかなと思いました。

――わかりやすく言うと……いわゆる、ワル役。

そうですね。新感線って、たいていワル役かそうじゃないかという、頭の悪い分け方をする劇団ですから。そういう意味では、ワル役です(笑)。だけど悪役のほうが、わけがわからない分、より愛してあげようと思いますね。みんなから嫌われる役になるだろうから(笑)、せめて私くらいは正当化してあげようと思います。

――今回、特に楽しみにしていることというと?

楽しみねえ、なんでしょうね。今回の客演陣は、なんというか親戚みたいな人ばかりですから。特に新鮮ではないんですけど(笑)、妙な安心感があります。特に“けむりチーム”とは接触しないようにしようと思います……って、嘘です、そんなこともないです(笑)。たぶん、このメンバーなら今回もまたオモシロおかしくやれるでしょうから、悪役としてはそのさだめを背負って、そのオモシロおかしいほうにはあまり引っ張られないように気をつけたいと思います。

――さっき、撮影中にすれ違った須賀さんとは『髑髏城の七人』Season月(上弦)で共演されていたわけですが、今回はまただいぶ立場が変わりますね。

お歯黒を塗った私の姿を見て、「俺の太夫が……!」って言っていましたからね。「あれは、マボロシだよ」と言っておいたから、きっと大丈夫だと思います(笑)。

――清野菜名さんとは共演経験があるそうですが。

劇団チョコレートケーキの公演(劇団チョコレートケーキwithバンダ・ラ・コンチャン『ライン(国境)の向こう』2016年)で共演していまして。あの時は母娘の間柄でした。だから今でもよく「母さん、母さん」と、呼ばれています(笑)。

――今回は大きく関係性が変わりそうですね。

仇というか、本当は近くに置いておきたかったけど思い通りにならなかった女、ということですね。

――早乙女太一さんとは。

もう長いので、すっかり安心しています。なんといっても、彼が17歳の時から知っていますから。親戚の子みたいな感覚ですね。稽古場でジュース飲んでアイス食べていた頃から知っているわけなので。それがもう、お父さんなんですからねえ。

――そして、池田成志さん。

むしろ逆に誰よりも、成志さんが一番心配です。はしゃがないでほしいと思います。でも、いかにもはしゃぎそうな役で。

――しかも、出番が多いみたいですね。

そうなんです。とにかく、ケガをしないでほしいです。みんなが、成志さんの身体を心配しています。

――そして今回は古田さんが、劇団に入って35周年だということですが。

えー、35周年ですか! おめでとうございます。先輩が35周年ということは、私は32周年だか33周年だか、じゃないかと思います。私のことも祝ってください……以上です!(笑)

――劇団39周年にちなんで、高田さんからサンキューコメントをいただけますか。

39年間、私はここにいるわけではないですけれど。39年もこうして生き残らせてくださったみなさんに、感謝しかないですね。ありえないです。借金まみれだった劇団が、まさか1万円以上するチケットを多くの方に買っていただく劇団にまでしてもらって。これも、ちょっとどうかしているみなさまのおかげですよ(笑)。だってそうでしょう、そもそもパンティーとかウンコとかばっかり言っていた劇団ですよ? 忘れているかもしれないですが。

――今回の『けむりの軍団』は、その頃とはすっかり違う方向に?

いや、パンティー魂、ウンコ魂は、消していません。むしろずっと燃えています……!(笑)本当はそういうのも久しぶりにやりたいんですけどね。今回こそ、サンキュー興行だからそうじゃないかと思っていたのに。もう私たちでは厳しいと思われたのかな、みんな懲りちゃったのかなあ?

――では最後に、お客様に向けてお誘いのメッセージをお願いします。

今回はネタモノではないですけれど、台本を読む限り本当にとても面白いです。その面白さに負けないようにがんばりますので、みなさま、楽しみにお待ちください。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

/けむり/アワブロ02「古田新太くんと池田成志さん」

どーも! 粟根まことです。アワブロの第二回ですよ。稽古は順調に進んでおりますが、芝居に加えて歌にダンスに立ち回りにと、例によってやることが一杯でして、なかなかに忙しい稽古場です。そんな稽古場からのレポート始めは、やはりこの二人から始めなくてはなりますまい。

古田新太くん演じる今作の主役である元軍配士・真中十兵衛(まなかじゅうべえ)と、池田成志さん演じる口先だけは達者な謎の素浪人・美山輝親(みやまてるちか)。このおじさん二人を中心に話は展開していきます。ええと、成志さんのお腹に何か刺さっていますが、今は気にしないで下さい。

物語の冒頭はこうです。古寺の賭場でもめ事を起こした輝親に巻き込まれ、子分三人と共に闘うハメになった十兵衛。

さすがは軍配士。四人の見事なフォーメーションですが、まあすぐに大乱闘になっちゃいます。

輝親もなにやら箱を持って暴れ回ります。

挙げ句の果ては仲間割れ。子分役の加藤学くんをいたぶる十兵衛。このいたぶりは、芝居を越えて半ばリアルいたぶりです。手加減してあげて下さい。

敵前で仲間割れなんか起こしていたら勝てるわけはありません。子分たちを人質に取られ、逃亡した輝親を探し出すハメになります。ここから物語が始まるのです。

まあ、実際はすぐに見つけ出して連れ帰る旅に出るのですが、ことあるごとに輝親が逃げようとするんですよ。その度にとっ捕まえてはボコボコですよ。

すぐケンカするんだけど、息は合っています。仲がいいんだか悪いんだか。トムとジェリー、仲良くケンカしな。とにかくドタバタ珍道中です。今作はある意味、珍道中を描く道中記やロードムービーでもあるんです。

今作のモチーフとしては、製作発表やインタビュー記事などで話されている通り「隠し砦の三悪人」と「走れメロス」なのです。なのですが、台本を読んだ時に私の頭に浮かんだのはロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンの傑作ロードムービー「ミッドナイト・ラン」でした。賞金稼ぎが証人を護送しながらアメリカ大陸を大横断するコミカルなロードムービーなのですが、なんか似ているんですよね。映画としてもとても面白いので是非ご覧下さい。

それはともかく、十兵衛と輝親、この50オーバーのおじさん二人が繰り広げる素敵で無敵な珍道中。登場人物はみんながみんなこの二人に振り回されるコトになります。50を過ぎてなお元気な二人の活躍をお楽しみに!

/けむり/ヴィジュアル撮影 レポート 須賀健太篇

「髪型のせいなのか、なんだか美少女剣士に見えちゃうね」と、その可愛さ、凛々しさが大好評だった須賀健太さんの侍姿。2017~2018年の『髑髏城の七人』Season月に続き、劇団☆新感線にはこれが二度目の出演となります。『髑髏城~』で演じていた兵庫役の時は同じ時代劇とはいえ、かなりワイルドな印象でしたが、それに比べると今回は正統派。破れ菱の模様が入った麻の直垂(ひたたれ)は辛子色で、意外に大人っぽさも感じさせます。小手と、額に巻いた“陣鉢(じんぱち)”で戦闘態勢を表現しているものの、良く見れば腰には御守りが何個も下がっていて、そんなところからも須賀さん演じる雨森源七というキャラクターがなんとなく予想されます。

アートディレクターの河野真一さんのリクエストを受け、カメラマンの相澤心也さんがライティングの色味のバランスを微調整し、ヘアメイクの宮内宏明さんが髪をしばる位置をより高く修正すると、いよいよ撮影開始です。河野さんは自ら、刀を構えて須賀さんにポーズを指示。「源七は弱っちい侍なんだけど、必死でお姫様を守ってる」「汗をダラーってかきながら、マジーマジー?って言いながらもなんとか踏ん張ってる、という感じで」と言われ、須賀さんは「はい! わかりました!!」とキリリと元気よく反応。

その真剣な表情を見て、シャッターを切っていた相澤さんは「今の、ゴクっと生唾のみ込む感じがいいっすね」。すると河野さんからは「次は、もっとヤケクソ感があってもいいな。わーっと叫んでいるような」と言われ、須賀さんは困り顔で「ウワーッ」と叫んだり、悔しそうに歯を食いしばったり。ちなみにこの撮影でも“風”係を兼任している宮内さん、須賀さんのくくった髪の束をタイミング良く下から吹き上げるため、床に横になって最も低い位置からブロワーで絶妙な風を起こしています。背後で実はそんな妙な姿勢になっていた宮内さんにふと気づき、ついつい笑ってしまう須賀さん。

照明にうまく反射するようにと、構えた刀身の位置や傾き加減をミリ単位で調整しながらの撮影はいつもならピリッとした緊張感を伴うものですが、二度目の参加ということと須賀さんの明るさ、懐っこさもあって、スタジオ内の空気はすっかりリラックスモード。何カットか撮るたびに、スタッフみんなでモニターを賑やかにチェックしては「おお~、かっこいいじゃん、かっこいいじゃん!」と、テンションは上がる一方。

動きのあるショットの撮影ではジリジリと寄って来るカメラに追い詰められ、相澤さんからワッ!と脅かすように叫ばれると、ヒャッと本気で驚く須賀さんの顔がモニターに。その表情のリアリティには、見守るスタッフたちの間に思わずクスクス笑いが広がります。「刀を合わせた相手は(早乙女)太一くんだと想像して」と河野さんが設定を提案すると、「絶対勝てない……」と呟く須賀さんに「その、めっちゃ怯えてる感がいい!」と相澤さんはニコニコしながらさらにシャッターを切っていきます。他にも両手両足を広げてダイナミックにジャンプしたり、キックしたりと身体能力をめいっぱい駆使した撮影となりました。撮影の合間を縫って時間をいただき、須賀さんに二度目の新感線参加のこと、作品への意気込みなどを語っていただきました。

――劇団☆新感線には二度目の出演ですね。このお話が来た時はどう思われましたか。

めちゃめちゃうれしくて、ありがとうございます!って感じでした。前回『髑髏城の七人』Season月に出させていただきましたが、作品も、兵庫というキャラクターも大好きだったので本当に幸せでした。だけどあれは、Seasonが複数あって出演者が多かったからこそ、キャスティングが僕までたどり着いたってところもあったんじゃないかな、なんてちょっと思ったりもしていて。そういう意味では、今回は僕の代わりはいないというか、シリーズの中の1本でもないですしね。新作で自分の役があるというこの状態で、再び新感線に出させていただけるなんて、ちょっと夢みたいです。その上、共演させていただきたかった方々ばかりですしね。劇団員の方たちも多いし、そしてやっぱり、“太夫”もいますし。僕にとって聖子さんは、まだ“太夫”なんですよ(笑)。

――でも、そうやって“俺の太夫”だったはずなのに、今回のヴィジュアル写真では。

いや~さっき聖子さんの写真を見せてもらったら、もうビックリしました。歯、黒いな!って(笑)。ま、もちろんストーリーも、関係性も全然違いますから、また新しく楽しんでやれたらなと思います。

――古田さんとは、これが初共演なんですね。

初、ですね。『髑髏城~』の時に稽古場に来てくださってご挨拶させていただき、一緒にごはんに行ったんですけど。その時もいろいろといいお話を聞かせていただいたので、今回ご一緒できるのがすごくうれしくて。キャラクター的にも、近くにいる時間が長そうですし、それは成志さんもそうなんですけど、先輩たちから学べることがたくさんありそうなのでそのことも楽しみです。ただ、個人的には千本ノックの気配しかしないんですけど……(笑)。

――前回は、いのうえさんからの千本ノックをたくさん受けたんですか。

そうですね、キャラクター的にも動きが多くて、セリフのテンポ感みたいなところをひたすら言われていました。今回はちょっと笑いの要素もあるので、そういうテンポ感や間について、たぶん厳しく言われそうですし、ぜひ言っていただきたいなという思いもすごくあります。

――池田成志さんとも初顔合わせなんだとか。

はい、でも『月髑髏』を観に来てくださいましたし、古田さんも成志さんも僕が出ていた『ハイキュー!』という舞台を観に来てくださって。お二人とも実はユニフォームを着て稽古場で写真撮られていたくらいに『ハイキュー!』がお好きなんだそうです、なんだか面白いですよね(笑)。初めて共演してみたらこんなもんかと思われないように、がんばるつもりです。僕は『髑髏城~』のSeason鳥を客席で観た時に腹抱えて笑いましたし、今回の台本にはものすごく楽しみな場面がたくさんあったので。近くで見られるだけ見てやろうという気持ちは強いです。

――清野菜名さんとは映像で共演済み。

ドラマや映画などでは何度もご一緒していて、結構前から知っているので。そういう意味ではすごくコミュニケーションは取りやすそうですね。しかも今回すごく密な関係の役でもありますので、その二人の関係性をしっかり伝えていければいいなと思います。

――清野さん演じるお姫様を守らなければいけない役です。

いや、でもご本人はものすごくアクションもできるし動けるし、強いからなあ(笑)。守りきれなくてもいいのかも、そんな頼りなさでやっていこうかと思っています。

――その頼りないかもしれない源七さんを現時点では、どう演じたいと思われていますか。

なるべく人間臭く、泥臭くやりたいなというのもありますし。ヌケてるところもあるので、そういうところは嫌味に見えないようにやりたいですね。息抜きできる存在というか、戦いの中でもコイツが出てくるとちょっとホッとできる、みたいな印象を持ってくれたらうれしいです。これまではどちらかというと元気な人物を演じることが多かったんですが、そことはまたベクトルがちょっと違うので。別に元気じゃないわけではないんですけど、空回っているというかね(笑)。それって、僕の中でも新しい引き出しになりそうなので、存分に空回りたいなと思いますね。

――ここで改めて、新感線の好きなところや面白いところとは。

壮大で、カッコいいいところです。純粋にカッコよくするって、めちゃめちゃエネルギーがいることなんだなあって僕は思っていて。客席で観ていると、毛細血管がうわー!ってなるんです(笑)。僕は小さい頃からチャンバラもヒーローものも大好きなので、新感線の活劇度合いってもうたまらないんですよ。キャラクターもすごく魅力的で、いろいろな人がいて面白い。そういえば今回、僕が演じる源七っていうのも新感線の舞台には欠かせないポジションの役だと思うんですよね。かつ、すごく責任のある立場でもあるのでそこを任せていただけるというのも光栄です。そう、観ている時はただただ楽しいんですよ、新感線は。でも、やるとなるとめっちゃ大変なんです(笑)。

――『月髑髏』で一緒だった早乙女太一さんとは、ふだんから仲が良いそうですね。

前回で本当に仲良くなって、今でも週1で会うくらいです。だからもう、結構いろいろバレてるんですよ。僕が稽古中にすぐチラッといのうえさんのことを見るって話をさんざん言われていますし、あと「すぐおまえはお客さんに媚を売る」って言うんですが、違う、違う、媚は売ってないから!って。ま、どうせ今回もいじめられるんでしょう(笑)。

――今回は“39興行”ということなので、須賀さんにとっての“サンキュー”を教えてください。

家族にはやっぱり感謝してもしきれないものがあります。生んでくれてありがとう! そしてみなさんにもサンキューです。僕自身も、一応今年で芸能活動20周年なんですよ。今までいろいろな作品をやらせていただけて、それらに関わってくださった方みなさんに感謝です。

――そして古田さんも劇団に入って35周年とのことなので、お祝いコメントをいただけますか。

35周年、おめでとうございます。そんな節目にご一緒させていただけるなんて、本当になによりうれしく存じます。まだまだ僕、古田さんの前では緊張気味なので。もっともっと仲良くさせていただければと思います。

――最後に、お客様へもメッセージをいただけますか。

今回は初挑戦の部分がたくさんある役柄なんですが、この挑戦がうまくできればきっとみなさまに愛していただけるキャラクターになると思います。台本を読むと、これをどう舞台化するんだろうという不思議なシーンだらけなので、そういう意味では僕自身もまだまだ楽しみにしているところが多い作品でもあります。みなさん、ぜひとも劇場に足を運んでください、よろしくお願いします!

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀