ヴィジュアル撮影 レポート  中山優馬 篇

生田斗真さん演じる主人公の弟<奥華次郎泰衡おうがのじろうやすひら>に扮する中山優馬さんは、今作が劇団☆新感線に初参加なのに加え、生田さんともこれが初共演になるということでも注目を集めています。さらに大阪府出身ということもあり、スタジオ入りするなり、関西地方出身者が多い新感線スタッフ陣と「出身はどこ?」から始まり、「その学校知ってる!」「実家が近所!!」などなど、ローカルなおしゃべりでひとしきり盛り上がっています。そうしてすっかり打ち解けたところで控室に向かい、メイクと衣裳の着付けへ。

時間のかかる準備を終え、衣裳と烏帽子をつけた中山さんがフロアに再登場すると、「爽やか!」「好青年!!」「すごく似合うね!!!」と四方八方から声がかかり、ちょっと恥ずかしそうに照れ笑いする中山さん。早速、決められた立ち位置にスタンバイするとキリっとした表情でレンズを見つめます。

顎ひもの位置が、襟の合わせた部分に重ならないように微調整すると、撮影がスタート。アートディレクターの東學さんが「ちょっと顎を引いて」と指示するほか、あとは身体の向きを多少修正するくらいで、全く問題なく着々とシャッターが切られていきます。「お、今のいいね!」「はい、OK!」と、ちょっとビックリするくらいのスピードでOKカットが撮れてしまい、ここで撮影は無事に終了。この早さは中山さんにも予想外だったようで、キョトンとしつつ「え、いいんですか、もう大丈夫なんですか?」と聞くと、モニター前で最終チェックをしていた東さんもスタッフ陣もみんな揃って「カッコよかったよ!」と、笑顔で大きく頷いています。

このヴィジュアル撮影の直後に、中山さんに劇団☆新感線に初参加することや、作品への想いなどを語っていただきました。

――新感線に初参加することが決まった時、まずどう思われましたか?

「わっ、新感線だ!」って思いました。これはもちろん、うれしい「わっ!」です(笑)。ただやっぱり、プレッシャーも同時に感じました。うちの事務所の人たち、後輩も含めて何人も新感線の舞台には出させてもらっていますから、僕としては「ヤッター!」という気持ちもあります。新感線の舞台は、まだナマで観たことはないんですが、とにかく“エンタメの極致の劇団”という印象を持っています。

――台本を読まれた感想はいかがでしたか。

いや、まさに新感線って本当にこういう感じなんだ!と思ったというか。ともかく自分としては、ものすごく大変なことになりそうだなと思いました。

――本格的な時代劇に出る、ということに関してはどうですか。

時代劇というとそれほど経験はないほうかもしれないですが、和物の芝居には何本か出ていますし、歌舞伎の経験もあるので。そういう意味では久しぶりにこういう衣裳を着て、懐かしさを感じたりもしました。

――でも、あの衣裳で刀を振り回して思いっきり立ち回りをする、というのは新鮮かもしれないですね。

はい。相当、体力も必要になりそうですし。だけど、とても楽しそうだなとも思っています。

――しかも、生田さんとはこれが初共演になりますし。

いやあ、うれしいです。やはり、ジャニーズ事務所の中で役者として確固たる地位を築いている方なので。その方の芝居を間近で見られるというのはとても勉強になるでしょうし、ありがたいですね。

――中山さんはさまざまな劇作家、演出家の舞台に出ていらっしゃいますが、映像とは違う舞台ならではの面白さはどういうところに感じられていますか。

映像との決定的な違いは、やはり舞台上には生身の人間がいるということでしょうか。実際に呼吸が聞こえるというか、見えるというか。目の前で人間が生きている姿をそのまま観られるというのが、お芝居の一番面白いところだなと思います。

――今回、アクションがいっぱいあることに関してはどうですか。

そうですねえ。これまでも結構、アクションや殺陣をやらせてもらってはいるんですけど、実を言うと得意分野じゃないんです(笑)。むしろ苦手なほうなんですよね。でも、そういう苦手なものに挑めたり、初挑戦のものがあったりするとよりワクワクするほうなので、この機会に思い切りがんばろうと思っています。

――共演者の中で、生田さん以外で気になる方はどなたですか。

橋本さとしさんですね。気になります(笑)。僕、大阪で舞台作品を紹介したりする番組をやっていまして、それでロケに行ったりもしているんですが、そこでちょっとご縁があってさとしさんとは何度か共演させていただいているんです。さとしさんが出演される舞台の稽古場に、自分がインタビュアーとして取材に行き、いろいろなお話を聞かせていただいていて。だから今回ご一緒できると聞いて、すごくうれしかったんですよね。

――しかもお父さんの役で。

まだ僕が台本をもらっていないくらいの時期に大阪でお会いすることがあって「よろしくお願いします」と挨拶させていただいたんですけど。「俺が、お父さん役だからね」ってフライング気味に教えてもらって「あ、そうなんだ!」って(笑)。

――そして、生田さんがお兄さん役です。

いや~、ホント贅沢ですよ(笑)。舞台の上とはいえ、あんな兄貴を持てるなんて光栄です!

――藤原さくらさんとは初共演ですね。一緒に歌ったりする場面もありそうですが。

そうなんですよ。歌、がんばらないと!と思いました。今回、本当にがんばらなきゃいけないポイントがたくさんあるんです。

――外部の公演に出る時の面白さや難しさは?

どうなんでしょうか、今は勉強させていただいている、という気持ちが強いです。さまざまな経験をさせていただけることもあって、またさらに勉強ができるなあってどの現場でも思いますしね。そしてどの現場でも年齢的には下から数えたほうが早いので、その点はありがたいです。

――みなさんに教わったりできるし。

「おまえ、そのキャリアでそんなミスするなよ」とは言われないですから(笑)。まだ「おまえ、キャリアないなあ、まだまだだな」と言われる立場でいられるのは、とてもありがたい。だから今回もあまり気負いせずにいこうと思っています。

――特に今回の公演について、自分の中でテーマや目標はありますか。

早めにダサいところを見せたいですし、早めに恥をかいておきたいなと。

――そのほうが、稽古がうまくいく?

そうですね。誰よりも最初に、大きな声を出していくつもりでいます。

――稽古場では、みなさんにかわいがっていただけそうですね(笑)。

ぜひ、かわいがってもらいたいです(笑)。

――稽古前に準備しようと思っていることは。

時代劇ならではの所作とか、基本の動きくらいは改めてもう一度予習しておこうかと思います。

――ではお客様に向けて、中山さんからメッセージをいただけますか。

とにかくものすごい方々が出ていらっしゃる舞台ですから、これは必見モノですよ!ということと。なにより自分たちと同じ人間たちが目の前で生きて、その生きざま、ドラマをナマで目撃できるという空間は、やはり芝居ならでは味わえるものなので。この機会にぜひ劇場で、それを体感していただきたいと思います。僕も精一杯、がんばります!

TEXT:田中里津子 映像撮影:エントレ

【大阪公演】公式サイト特別受付(サイドS席限定) 2/14(木)18:00~

【大阪公演】公式サイト特別抽選受付(サイドS席限定) を行います。
この機会にぜひご利用下さい。

<受付詳細>
受付方法:抽選
受付日時: 2/14(木)18:00~2/20(水)23:30
受付URL:http://eplus.jp/niseyoshitsune/
受付席種:サイドS席 13,800円(税込)
枚数制限:お一人様2枚まで

※サイドS席は端寄りのお席のため、見えないシーンが出るお席です。予めご了承のうえ、ご購入ください。

大阪公演情報は公式サイトにて!

お問合せ
キョードーインフォメーション
0570-200-888(10:00~18:00)

ヴィジュアル撮影 レポート りょう篇

『髑髏城の七人』Season花に引き続き、再び劇団☆新感線に出演することとなった、りょうさん。『偽義経冥界歌』では、生田斗真演じる主人公の義母にあたる奥華一族の巫女長(みこおさ)<黄泉津(よもつ)の方>を演じます。

と、いうわけでヴィジュアル撮影で用意された衣裳は巫女スタイルをベースにしつつ、それを華やかにアレンジしたもの。メイクを終えたりょうさんがその衣裳で控室から姿を現した途端、その神々しさに「おぉ~、素敵!」とため息にも似た声がスタッフ陣から漏れ聞こえてきます。

すると、撮影直前にりょうさんの頭に載せられた天冠を見たアートディレクターの東學さん、「あれ? 鳳凰はつけないの?」と衣裳担当の竹田団吾さんに確認。「今からでもつけられるよ。つけてから撮ってみる? 鳳凰、くださーい!」との竹田さんの指示で、すぐさま鳳凰の飾りを持ったヘアメイクのスタッフが登場し、冠のてっぺんに鳳凰の飾りをドッキング! 一気に豪華になり、存在感を増す冠。しかし何枚かテスト撮影をして検討を重ねた結果、高さが出てしまうことや全体のバランスを見て、やはり鳳凰の飾りははずしておくことに決定。再び、最初の冠に戻し、髪の後れ毛を整えると、いよいよ撮影開始です。

途中で、カメラマンの渞忠之さんが首の傾き加減を気にする様子を見せると、モニター前から移動してきた東さんがりょうさんの正面に立ち、改めて左右のバランスをチェック。それが結構な至近距離だったため、りょうさんはついつい照れ笑い。

正面を向いた状態でポーズが決まり、シャッター音に合わせてモニターに撮影済みの写真が次々と展開していくと、それを眺めながら「かっこええ~」「これ、俺、好っきやな!」と嬉しそうな東さん。薄い眉が今回のメイクのポイントになっているようで、メイクスタッフによるちょっとした直し作業も実に繊細。丁寧にじっくりと眉を直している間、ヘアの担当スタッフたちもりょうさんの周りを取り囲み、後れ毛や冠の位置を細々と微調整していきます。その様子を見ていた東さんが「大人数で、よってたかって!」とツッコミを入れると、きりっとクールな表情をキープしていたりょうさんも「アハハ!」と大きく笑っていて、この一瞬だけは役柄を離れて気さくな素顔がこぼれています。

準備が整えば、撮影再開。「次は、もう少し優しい顔でお願いします!」と言われたりょうさんが、ふわっと微笑むと「ハイ、これもいい!」と、どうやら手応えがあった様子。その後も「もう一度、キリっとした表情で。おお、グー!」「うん、綺麗! OK!!」と撮影は順調に進んでいきます。

無事撮影が終了後、りょうさんに、早くも再び劇団☆新感線に出演することになったいきさつや、『偽義経冥界歌』への想いを語っていただきました。

――撮影、お疲れさまでした。『髑髏城の七人』Season花以来の新感線ですね。まさか、こんなに早く、再び新感線に出ていただけるとは!という感じですが。

はい、私もすごくうれしいです!(笑) “花髑髏”の時には、まだまだ先の話だなーと思っていましたけれど、なんだかあっという間で。気づいたらもう、準備が始まっちゃっていました……!

――“花髑髏”の出演時に、りょうさんが自ら「新感線にまた出たい」とおっしゃっていたという噂でしたが、それは間違いではないですか?

はい、間違いありません! ものすごくアピールしておりました。正確には「“女兵庫”で出たい!」とアピールしていたんですが(笑)。つまり、私が出ていたのは“花”だったので……。

――その後の髑髏城シリーズのどこかでもう一度、出たいと?(笑)

そうなんです(笑)。シリーズの最後まで1年あるなら間に合うかもと思ったんですけど、さすがにダメでした(笑)。

――兵庫役を狙うというのは驚きでした。

だって兵庫って、すごく面白い役じゃないですか。自分が男の子だったら絶対に、兵庫をやってみたい!と思っていたはずです。そんなことを考えていたら、だんだん新感線の舞台だったら別に兵庫は男じゃなくても、女でもいいんじゃないのかなって勝手に思うようになって。あまりにも兵庫がやりたすぎて、そんな気持ちでいっぱいだったんです(笑)。

――妄想がふくらんで?

そうなんです。それで「“女兵庫”の可能性はないでしょうか?」ってアピールしていたんですが……。なかったです(笑)。

――過去には蘭兵衛を女性が演じていたこともあるわけですし。いずれ、さらなる再演の時にという可能性はまだ残されていますね(笑)。

ええ、50歳過ぎてからでも、ぜひ“女兵庫”をやりたいですねえ(笑)。

――そして今回この『偽義経冥界歌』で、とオファーが入った時はどう思われましたか。

旗揚げ39周年のサンキュー興行で新感線にまた参加させていただけるなんて、と本当にうれしかったです。それに新感線としては3年ぶりの新作ということでしたし。新感線の場合、ひとつの作品が素晴らしいので、またキャストを変えて再演でやろうという機会も多いじゃないですか。だから新作の舞台に立てるチャンスもなかなかないことのように思いますし。そしてそういう意味ではこの先『偽義経』も、いつか再演を重ねることになるのかもしれないと思うと。

――オリジナルキャストとして。

初演の舞台に立たせていただけるというのは、本当にありがたいことだなと思っています。

――中島かずきさんが、りょうさんにあてて、キャラクターを活かしてあて書きをしてくださるということですものね。

そうなんですよね……! この間の『髑髏城の七人』でも、“Season月”の“下弦の月”で羽野晶紀さんの極楽太夫を客席から観た時に「ああ、極楽太夫だ……!」って、しみじみ思ったんですよ。やっぱり、初演のキャストの方って存在からして役にピッタリで。だからこの先、『偽義経』が再演されることになった時に「そういえばこの役、初演ではりょうがやってたなあ」って思い出していただけるような、何かインパクトを残せるように演じられたらうれしいなと思っています。

――巫女長という役柄は、りょうさんにとても似合いそうだなと思いました。

そうですか? 私としては、洞窟にいたり、周囲に木乃伊(ミイラ)があったりするから、なんだか自分の役は“鬼”にしか思えなかったですけどね(笑)。深く考えていくのはこれからなんですが、台本から見えてくる空気感みたいなものは、確かにかずきさんがあて書きしてくださっただけあって、自分の持っている強いところや、これまでいろいろな役を演じてきた中での得意分野というか、自分のイメージに近い部分が書かれているようにも思えました。特に新感線の作品では、そういう自分のイメージ、人が抱いているキャラクターを思いっきり出していいんだとも思うんですね。ですから第一印象で「ああ、私は鬼なんだな」と思ったということは、それも自分の得意な面なのかもしれないから、そういう視点から役に入ってみるのも面白そうだな、と。自分の武器が出せそうですしね。

――それこそ、兵庫がやりたいとおっしゃっていたということは、もっと身体を動かす役をやりたかったのかなとも思いましたが。

そう! 動きたかったんです。なのでぜひ、今回はもっと動きたいですね! 

――巫女長と言われるとあまり動かないのかなと思いきや、ちゃんと動く場面もどうやら用意されているとか?

そうみたいです。私、数年前にちょっとキックボクシングをやっていたので、台本をいただく前から再び週1回のペースで通い始めていて。そのあと、準備稿ができてきたので読んだら、もしかしたらキックボクシングがぴったりのアクションかも!と思えたので、通う回数を増やそうかと思っているところです。まだ稽古前なので、実際どの程度のアクションになるかはわからないんですけど。いのうえ(ひでのり)さんにどんなことを求められるかわからないし、求められた時にはすぐ動けるようにしておきたいので、とりあえず体力はしっかりつけておくつもりです。

――“花髑髏”で、いのうえさんの演出を初めて受けてみて、いかがでしたか。

いのうえさんが、自ら動いて演出してくださるんですが、その通りにやろうと思ってもなかなか難しくて。最初にその役の感情であったり動きを自分なりに考えておくと、いのうえさんのつけてくださった演出にうまく合わせられないんですね。それで最初に自分が考えていたものを全部忘れてから、改めていのうえさんの演出を見て、そこにのせるようにしていったらできるようになって。でもその方法に気づいたのが、稽古の中盤あたりで遅かったので、今回はそういうことがないように稽古の最初からそのやり方を試してみようと思っているんです。

――いのうえ演出のコツはつかんだ、と?

どうなんでしょうね(笑)。だけど前回よりは、いのうえさんが求めていらっしゃるものをスムーズに形にできるんじゃないか、ぜひそうしたいなと思っています。

――でも、演出を受けるのは2回目になるので。

ええ、その点は初めての時よりはすごく有利な気がしています(笑)。きっと前回よりもたくさん、演出をつけていただけそうな気がしますしね。

――では、りょうさんからお客様へメッセージをいただけますか。

とにかく3年ぶりのいのうえ歌舞伎の新作ということですし、ついこの間まで豊洲の回転する劇場でやっていましたが久しぶりに回転しない劇場でやりますし(笑)。劇団☆新感線にとっては、大阪公演からスタートするというのも、大きな意味があると思います。いのうえさんもコメントでおっしゃっていましたが、回転劇場での演出を経たことで果たしてこの最新作はどんな舞台になるのか、私自身もとても楽しみなんです。きっと、お客様にも楽しんでもらえるのではないかと思います、ぜひ劇場にお越しください。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

ヴィジュアル撮影 レポート 生田斗真篇

劇団旗揚げ39周年にあたる2019年、劇団☆新感線は“39(サンキュー)興行”と称し、まずは春公演として『偽義経冥界歌』を上演します。3/8(金)~の大阪公演を皮切りに、4月には金沢公演、松本公演、そして翌年2020年の2月に東京公演、4月に福岡公演を行うという、少々変則的な上演スケジュールとなります。ここでは、その『偽義経~』に出演するメインキャスト10名のヴィジュアル撮影の模様、加えてその当日に決行したミニインタビューをご紹介! まず一番手に登場するのはもちろん、主人公の“偽義経”こと<源九郎義経(みなもとのくろうよしつね)>を演じる生田斗真さんです。新感線への出演はこれが4回目となる、もはや“準劇団員”の生田さん。スタッフたちともすっかり顔馴染みのため、終始リラックスムードで撮影が進みます。

今回の宣伝美術スタッフとしては、アートディレクターに東學さん、カメラマンに渞忠之さんという顔合わせで行われています。ちなみにチラシやこの公式サイト等で使われている『偽義経冥界歌』のロゴは、実は東さんが左手で書いたもの。「利き手ではないほうで書くと、うまくコントロールができない分、長さや向きやハネがバラバラになって面白くなるし、それが“偽”っぽくもなるかなーと思ってね」と東さん。そのアンバランスさが不安感、不穏な雰囲気をも醸し出しているようです。そしてチラシで使用するキャスト写真は、今回すべてモノクロ。基本的にはシリアスな表情を中心に、撮影が行われていく模様です。

鎌倉時代を意識した衣裳、メイク、カツラをつけた生田さんがスタジオに登場すると「あれっ、なんだか懐かしくない?」「藤志櫻(とうしろう:生田さんが出演した前作『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』の主人公の名前)を思い出すからだね」「おかえりー!」と、さすが“準劇団員”、スタッフからはもはやツッコミにも似た声がポンポン気軽にかけられています。

まずはテスト撮影が行われ、それをモニターで細かい部分までチェックしていた東さんはどうやら烏帽子の顎紐の位置が気になった様子。「ここ気にならない?」と、今回の衣裳を担当する竹田団吾さんに声をかけると、衣裳班が早速駆け寄り、紐を結び直し、垂らさないようにしたり、片方でまとめてみたり。いろいろ試した結果、まとめるよりは垂らしたほうが自然だということになり、長さも微調整。「ここならスッとして見えるね」という位置でOKが出ると、いよいよ撮影開始です。

東さんから「真面目な顔から、だんだんニヤーッと笑ってみて」とリクエストされた生田さん。徐々に笑みを浮かべ、口の左端をキュッと上げ気味にすると「グー!」「かっこいいね」「完璧!」などなど、スタッフ陣は早くも満足そう。あっという間に1ポーズ目は撮り終わり、次はメイクを変え、烏帽子をはずし、髪を下ろした状態にチェンジ。サーキュレーターと手持ちのブロワーを使って風を起こし、髪を乱れさせての撮影となります。東さんが自らブロワーを持ち、生田さんのすぐそばで髪を吹き上げると、絶好のタイミングを狙ってシャッターが切られていきます。その瞬間、瞬間がモニターに映し出されるたびに「おおっ!」と盛り上がるスタッフたち。その間、生田さんは両腕を構え、足を広げた仁王立ちスタイルで、東さんの「もっと強く睨んで、睨んで!」という声に応えてレンズに向かって強いまなざしを送り続けます。やがて髪がふわりと生田さんの顔にまとわりつくように舞った一瞬を切り取ったショットがモニターに映し出されると、ひときわ大きい歓声が上がり、それと同時に「いいじゃん!」と笑顔でOKサインを出す東さん。

撮影の合間に少しだけお時間をいただき、生田さんに劇団☆新感線に対する想いや、今回の『偽義経冥界歌』への意気込みなどを伺ってみました。

――今回、新感線に3年ぶりの参加が決まってどう思われましたか。

新感線のお客様たちに「またお前か!」と言われないように(笑)、一生懸命やらなければ!と思いました。前回の『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』の公演がすべて終わったあたりに、いのうえさんから「次は“いのうえ歌舞伎”だな」と言われていたので、それがいよいよ実現するんだと思うと時が経つのは早いなあという気がします。

――“いのうえ歌舞伎”の新作への出演はこれが初めてですね。

そうですね。新感線には何度も出していただいていますが、“いのうえ歌舞伎”の新作には初めてになります。“いのうえ歌舞伎”というと名作が数々ありますから、その中に自分が出るこの作品も入ってくれたら嬉しいなと思いますね。

――台本を読まれた感想はいかがでしたか。

久しぶりの新感線の新作ということもありますし、非常にワクワクしつつ一気に読んでしまいました。立ち回りがあって、歌があって、ほんの少しのラブがあって。いかにも新感線らしい作品になるんじゃないかなと思います。まだがっつり掘り下げて読めてはいないんですけれども。歴史上の人物を描きながらもわりと僕らが出るパートは自由にやることができそうだなと思っていて。あまり型にハマり過ぎずに、舞台上で縦横無尽に飛び回ることができたらいいなと思いました。

――中島かずき作品に出ることも久しぶりですよね。

そうなんです。僕としては、高校生の時に新感線に初めて出演させてもらった『スサノオ~神の剣の物語』以来になります。その時は再演作品だったので、かずきさんの書き下ろし新作という意味では今回が初めてなんです。

――この主人公は中島さんが、生田さんにあて書きしたキャラクターということになりますが。

なんだか基本的に、新感線のみなさんとご一緒するときは必ずちょっと頭の弱い男の役になることが非常に多くてですね。今回も「あ、そっちね!」って思いました(笑)。正義感に溢れた、憎めないおバカちゃんみたいな役になりそうですね。

――新感線に出るたびに、そういうキャラを演じられている気がします(笑)。

そうでしょう? 最初に出演させてもらった時はバカ王子でしたし。ま、そういう風に見えているんだろうと思うし、自分でもきっとそういう人間なんだからしょうがないなと思います(笑)。

――共演陣の中で、気になる方はどなたですか。

先輩方も含めて、みなさん本当に達者な方ばかりで。自分の後輩の中山優馬も今回一緒なんですけれど、彼との共演はこれが初めてなのでその点も非常に楽しみです。

――兄弟役ですね。

そして、お父さんが(橋本)さとしさんという、謎の家族です。一体、どうなるのかなって感じですけど(笑)。

――改めて、いのうえさんの演出を久しぶりに受けることに関してはいかがですか。

いのうえさんの中で、一番気持ちのいい落としどころはどこなのかとか、カッコいいベストな見え方はどこなのかというのを、いつも本当に客観的に見ていらっしゃるので。僕らはそんないのうえさんを信頼して、その上で自分なりの色とか形みたいなものを見つけていけばいいのかなあという風に思っています。

――新感線でやる本格的な時代劇ならではの面白さ、難しさとは。

とにかく立ち回りがたくさんあるんじゃないかと思いますが、今回は特に着ているものがかなり重かったり暑かったりして大変そうですね。だけどご覧になっているお客様たちにとっては、こちらが苦労すれば苦労するだけ、より楽しく観られるはずなので(笑)。ここは大いに苦労をして、大いにヒイヒイ言いながらがんばりたいなと思います。

――新感線の劇団公演に出ることの面白さ、楽しみにしていることは。

やはり、みなさん学生時代からの仲間なわけで。もちろん、劇団としてもすごく大きくなっていってはいますけど、自分たちが面白いと思ったものを誰かに見てもらいたいという、根本的な、純粋な部分はきっと昔からまったく変わっていないんだろうと思うので、そういうところが僕は大好きなんです。細かい計算や、濁ったものなんか一切ないところも素敵ですよね。

――稽古に向けて事前に準備しておこうと思うことは。

今回はまた立ち回りが多い芝居になりそうで、特に早乙女(友貴)くんとの一騎打ちのシーンもいかにもありそうな予感がプンプンしているので、どうにかして彼のスピードについていけるようにしっかりトレーニングはしておきたいなと思っています。新感線の立ち回りって、かなりショーアップされた動きになるので、他ではちょっと見られないような面白い立ち回りになるんじゃないかと。相当、大変そうではありますが、同時にそこが楽しみでもあります。

―― 今回の39興行というのは、2019年に大阪、金沢、松本公演があり、2020年に東京、福岡公演があるという、一風変わった上演形態になります。

そうですね、この前の2年間は東京の豊洲でずっとやっていたこともあって、3年近く地方公演ができなかった劇団☆新感線が「また一緒に地方回りしようよ」と、僕に声をかけてくださったことになるわけですからね。そんな新感線の舞台に、僕も3年ぶりに立たせていただきます! 本当に面白くて、最高に興奮する演劇を作りたいと思っておりますので、ぜひぜひみなさん劇場へお越しください! お待ちしています!!

TEXT:田中里津子 映像撮影:エントレ

【大阪公演】追加公演決定! 公式サイト特別先行予約のお知らせ

いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』大阪公演に関しまして、好評につき追加公演が決定致しました!
追加公演決定につき、公式サイト特別先行予約を実施致します!

以下ステージが追加となりました。
2019年3月20日(水)18:30公演

追加公演の一般発売(2/17)に先駆け、公式サイト特別先行予約を行いますので、是非ご利用下さい。

<公式サイト特別先行予約・受付詳細>
受付日時:1/23(水)昼12:00~1/28(月)23:59
受付URL:https://pia.jp/v/nise-y19oa/
受付公演:3/20(水) 18:30 追加公演のみ
受付席種:S席のみ
枚数制限:お一人様2枚まで

先着順ではなく、抽選となります。
追加ステージのVACほか、各出演者のファンクラブ先行はございません。予めご了承ください。

大阪公演情報は公式サイトにて!